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第2章 はぐれ梁山泊極端派【燃えよ、十字剣!!】
第66話 驚愕! 絶技! 空中ハンバーグ!!
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「ヨシ、こんなもんだな。次は火入れだ。」
下ごしらえが終わり、後は仕上げ、焼くだけの段階に入った。じっくり火を通してうまみを引き出してやればいい。
「フフフ、なかなか奇抜な物を作るんだな、貴公は?」
調理の最中に聞き覚えのある声が聞こえてきた。声の主はあのハンバーグ仮面だ。調理中、他人に話しかけるとは随分と余裕だな! ヤツの調理台を見てみると、食材はまだ手つかずの状態で放置されていた。
「なんだお前、エラそうなこと言って何もしてないじゃないか? もしかして本当は料理できないんじゃなかろうな?」
実はコイツが魔法使いで、調理後のブツはこれです、とか言ってポンと出してくるかもしれん。というか時間の経過具合からすると、そういうことしない限り料理の完成は難しいんじゃないのかと思う。
「フフフ、問題ないよ。むしろ、短時間で調理できるし、審査員方にはなるべく出来たてを提供したいからね。」
「何ぃ! そんなスピード調理が出来るって言うのかよ?」
「まあ見ているがいい。」
と言いつつ、タマネギと包丁を手に取る。そこでまな板にタマネギを置くのかと思いきや、そのまま真上に放り上げた。同時に空いた手にも包丁を持った! 放り投げたタマネギが目の高さまで落ちてきた瞬間、ありえないことが起こった。瞬時にタマネギがみじん切りにされ、まな板の上に着地したのだ!
「な、なんだとぉぉぉっ!?」
「見たか? 僕の包丁捌きを! スピード調理の秘密はこれさ!」
何という技だ! 早すぎて見えなかった! こんなやり方をするヤツを初めて見た。包丁捌き、いや、剣捌きでもここまで早く、正確なのは見たことがない! 太刀筋が見えなかった。
「もちろんこれも同様に、一瞬で終わる。」
今度は肉を持ち上げた。コイツはあろうことか、デカい塊の肉を持ってきている。挽肉も用意されていたにも関わらずだ。タマネギはともかく、肉はどうするんだ? タマネギよりもデカいし切りにくいはず!
「とくとご覧あれ!」
(シュバババババっ!!)
肉は瞬く間に細かくなり、少々粗挽きではあるものの、ハンバーグに使う分には問題ない状態になった! 今度は切り終わった食材、他の材料を容器に入れ混ぜ合わせ、捏ねて、流れるような動きでハンバーグを成形していく! 俺も負けじと最後の仕上げに入った。
「フフフ、僕の調理技術の真価を見せてあげよう! 先程までの技くらいで驚いていてはいけないよ!」
今度は成形し終わったハンバーグを上に放り上げる! いやいや、それを切り刻むのはどうなんだ、と思っていたら、ヤツの手にした包丁に変化が起きる! 刃が赤くなり、瞬時に炎を纏わせている! これはエンチャントとかいう武器に属性を付加する魔法か?
「赫灼の雨!!」
赤く燃える包丁を縦横無尽に振り、瞬く間に宙に浮いたハンバーグを焼いている。なんちゅう調理の仕方だ! 包丁でしかも、空中で火を通すって聞いたことねえよ! これじゃあまるで、空中ハンバーグだ!
「どうだい? 僕ほどの達人ともなれば、包丁だけで調理できてしまうのさ!」
ハンバーグ仮面は得意げに胸を張る。素顔は仮面で見えないが、きっとドヤ顔しているに違いない! チクショウ、悔しいがこれは見事としか言いようがない! まさかこんな変態的なテクニックを持ってるヤツがいたとは!
下ごしらえが終わり、後は仕上げ、焼くだけの段階に入った。じっくり火を通してうまみを引き出してやればいい。
「フフフ、なかなか奇抜な物を作るんだな、貴公は?」
調理の最中に聞き覚えのある声が聞こえてきた。声の主はあのハンバーグ仮面だ。調理中、他人に話しかけるとは随分と余裕だな! ヤツの調理台を見てみると、食材はまだ手つかずの状態で放置されていた。
「なんだお前、エラそうなこと言って何もしてないじゃないか? もしかして本当は料理できないんじゃなかろうな?」
実はコイツが魔法使いで、調理後のブツはこれです、とか言ってポンと出してくるかもしれん。というか時間の経過具合からすると、そういうことしない限り料理の完成は難しいんじゃないのかと思う。
「フフフ、問題ないよ。むしろ、短時間で調理できるし、審査員方にはなるべく出来たてを提供したいからね。」
「何ぃ! そんなスピード調理が出来るって言うのかよ?」
「まあ見ているがいい。」
と言いつつ、タマネギと包丁を手に取る。そこでまな板にタマネギを置くのかと思いきや、そのまま真上に放り上げた。同時に空いた手にも包丁を持った! 放り投げたタマネギが目の高さまで落ちてきた瞬間、ありえないことが起こった。瞬時にタマネギがみじん切りにされ、まな板の上に着地したのだ!
「な、なんだとぉぉぉっ!?」
「見たか? 僕の包丁捌きを! スピード調理の秘密はこれさ!」
何という技だ! 早すぎて見えなかった! こんなやり方をするヤツを初めて見た。包丁捌き、いや、剣捌きでもここまで早く、正確なのは見たことがない! 太刀筋が見えなかった。
「もちろんこれも同様に、一瞬で終わる。」
今度は肉を持ち上げた。コイツはあろうことか、デカい塊の肉を持ってきている。挽肉も用意されていたにも関わらずだ。タマネギはともかく、肉はどうするんだ? タマネギよりもデカいし切りにくいはず!
「とくとご覧あれ!」
(シュバババババっ!!)
肉は瞬く間に細かくなり、少々粗挽きではあるものの、ハンバーグに使う分には問題ない状態になった! 今度は切り終わった食材、他の材料を容器に入れ混ぜ合わせ、捏ねて、流れるような動きでハンバーグを成形していく! 俺も負けじと最後の仕上げに入った。
「フフフ、僕の調理技術の真価を見せてあげよう! 先程までの技くらいで驚いていてはいけないよ!」
今度は成形し終わったハンバーグを上に放り上げる! いやいや、それを切り刻むのはどうなんだ、と思っていたら、ヤツの手にした包丁に変化が起きる! 刃が赤くなり、瞬時に炎を纏わせている! これはエンチャントとかいう武器に属性を付加する魔法か?
「赫灼の雨!!」
赤く燃える包丁を縦横無尽に振り、瞬く間に宙に浮いたハンバーグを焼いている。なんちゅう調理の仕方だ! 包丁でしかも、空中で火を通すって聞いたことねえよ! これじゃあまるで、空中ハンバーグだ!
「どうだい? 僕ほどの達人ともなれば、包丁だけで調理できてしまうのさ!」
ハンバーグ仮面は得意げに胸を張る。素顔は仮面で見えないが、きっとドヤ顔しているに違いない! チクショウ、悔しいがこれは見事としか言いようがない! まさかこんな変態的なテクニックを持ってるヤツがいたとは!
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