27 / 331
第1章 はぐれ梁山泊極端派【私の思い出に決着を……。】
第27話 どこにでもいる酒飲みジジイじゃよ。
しおりを挟む「げえっ! ……げほ、げほっ!」
衝撃でヤンス! 記憶とは違う現象が起こったでヤンス! でも、こんなコトしたら、ミャーコちゃんの身が危ないでヤンス。ヘタしたら殺されるヤンス!
「お、お前……よくも!」
ぺっ、ぺっ、っとタマネギを吐き出しながら、ミャーコちゃんを睨み付ける少年! 一触即発な雰囲気になってしまったでヤンス。
「……お前を殺す!」
少年は背中の大きな剣を抜いたでヤンス! あの時よりも殺気立ってるでヤンス! これは確実に殺すつもりでヤンス!
「……死ねぇ!」
少年は剣を突き出しミャーコちゃんの顔らへんを攻撃しようとしてるでヤンス。な、な、な、何とかしないとマズいヤンスぅ! ダッシュで体当たりでドーンするしかないヤンスぅ!
(ドズッ!)
剣がミャーコちゃんの顔すれすれを通り過ぎて。後ろにいる何かに突き刺さったでヤンス! あれは宿のオジサンでヤンス。な、何でそんなとこにいるヤンス!
「お、お客さん、いけないなぁ! うちの自慢のスープを台無しにしたあげく、私を殺そうとするなんてなぁ!」
オジサンの目がイってるでヤンス! なんかおかしいヤンス。後ろを見たミャーコちゃんもそれに気付いて少年の近くに移動したでヤンス。
「ありがと、ウチを助けてくれて。」
「お前を助けたつもりはない。優先順位が違うだけだ。次はお前を殺す。」
少年は言いながら、オジサンに刺さった剣を更に深く差し込みながら体当たりしたヤンス!その勢いでテーブルやら椅子やらが倒れてしまったでヤンス。
「さっさと姿を見せろ、蛇の魔王! 狙いはオレなんだろ?」
「勘違いしているようだな? お前は邪魔者なだけだ。狙いはあくまで勇者一味。お前のような小僧はいつでも殺せる。」
「それに……一度に操れる体が一体だけだと思っているでガンスね? 違うでガンスよ。」
あっしの偽物がしゃしゃり出てきたでヤンス! 口調が違うヤンス。再現度低いヤンス!やり直しを要求するでヤンス!
「ワンちゃんめ、裏切ったな!」
ミャーコちゃんが勘違いしてるでヤンス! そっちは偽物ヤンス。あっしも出ていって釈明するヤンスぅ!
「ミャーコちゃん!」
「あれ、こっちにもワンちゃん? 分身の術なんていつ憶えたの?」
「違うヤンス! あっちは偽物ヤンス!」
「んー?」
偽物と見比べてるヤンス! 見た目は同じだから、そんなコトしても意味ないヤンス! と思ったら、あっちはなんか巨大化して凶暴そうな外見に変わったでヤンスぅ!
「グウウルルル! ギャボウワァ!」
「あー、そっか、そっか! あっちが本物だ!」
「違うヤンス! あっしはそんな凶暴じゃないヤンス! 狂犬病にかかった覚えはないヤンスぅ!」
「え~? でも、あっちの方がかっこよくて、強そうじゃん! だから、あっちが本物ってことで!」
「しょぎゃワーン!?」
あんなのを本物認定されてしまったでヤンス。とほほーん! これからあっしの立場はどうなってしまうでヤンス。
「ギャバババァァァッ!!!」
とか思ってる間に偽物がこっちに襲いかかってきたヤンス! 無理ヤンス! 偽物に殺されヤンス!
「天破奥義、跋渉歩法!」
いきなりオジイチャンが目の前に現れたでヤンス! それはともかく、助かったでヤンス。恐ろしっこで、危うくちびりそうになったヤンス!
(ドゴォォォォン!!!!)
なんかパンチ一発で宿の奥の方まで偽物が吹き飛ばされたでヤンス。このオジイチャン、どんだけ力持ちなんでヤンスかね?
「ウグオゥッ!? ジジイ、よくもやってくれたでギャンスなぁ!」
あれだけ吹き飛ばされても生きてるでヤンス! 偽物は頑丈ヤンス! 痛みのせいか偽物の口調が更におかしくなったでヤンス!
「ねえ、ワンちゃん、このお爺ちゃん誰?」
「詳しくは知らないヤンスけど、アニキのお知り合いであることは間違いないヤンス。」
「この前言ってた、酒飲みのお爺ちゃんか?」
「多分そうヤンス。」
酒好きなのは間違いないヤンス。さっきも飲む気マンマンだったでヤンスから、そういうことにしとくでヤンス。
「おのれ! 瞬間移動まで使うとは何者ギャンスか?」
「此奴ら、若いモンが言うとる通り、ちょっと格闘が得意な、どこにでもいる酒飲みジジイじゃよ。」
「ただのジジイが瞬間移動などするものかぁ!」
偽物が起き上がって再び飛びかかってきたヤンス! 更に爪と牙を伸ばして凶暴な姿になったでヤンス! 恐いヤンスぅ!
「跋渉歩法!」
(ズドォォォォン!!!!)
あああ! 今度は壁を突き抜けて宿の外まで吹っ飛んでしまったでヤンス。もうこれは相手も絶対死んだでヤンス!
「ただの瞬間移動と思うたら、大きな勘違いじゃ。瞬間移動の要領で移動距離を圧縮して、威力を上乗せしとる。やろうと思えば、至近距離どころか相手に触れとる状態でも繰り出せるぞい。これは儂だけが使える、儂専用の奥義じゃ。」
「お爺ちゃん、ニセワンちゃん聞いてないと思うよ。」
「おう、技が効いとるだけにのう! うまいこと言うモンじゃ。お嬢ちゃん、なかなか気の利いた事を言うモンじゃな。」
「ええー? そんな事言ったつもりないんだけど?」
ああーっ、戦闘中なのにヘンな掛け合いが始まったでヤンス。緊張感がなくなったでヤンス。向こうでは少年がオジサンと死闘を繰り広げてるのに!
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
金貨1,000万枚貯まったので勇者辞めてハーレム作ってスローライフ送ります!!
夕凪五月雨影法師
ファンタジー
AIイラストあり! 追放された世界最強の勇者が、ハーレムの女の子たちと自由気ままなスローライフを送る、ちょっとエッチでハートフルな異世界ラブコメディ!!
国内最強の勇者パーティを率いる勇者ユーリが、突然の引退を宣言した。
幼い頃に神託を受けて勇者に選ばれて以来、寝る間も惜しんで人々を助け続けてきたユーリ。
彼はもう限界だったのだ。
「これからは好きな時に寝て、好きな時に食べて、好きな時に好きな子とエッチしてやる!! ハーレム作ってやるーーーー!!」
そんな発言に愛想を尽かし、パーティメンバーは彼の元から去っていくが……。
その引退の裏には、世界をも巻き込む大規模な陰謀が隠されていた。
その陰謀によって、ユーリは勇者引退を余儀なくされ、全てを失った……。
かのように思われた。
「はい、じゃあ僕もう勇者じゃないから、こっからは好きにやらせて貰うね」
勇者としての条約や規約に縛られていた彼は、力をセーブしたまま活動を強いられていたのだ。
本来の力を取り戻した彼は、その強大な魔力と、金貨1,000万枚にものを言わせ、好き勝手に人々を救い、気ままに高難度ダンジョンを攻略し、そして自身をざまぁした巨大な陰謀に立ち向かっていく!!
基本的には、金持ちで最強の勇者が、ハーレムの女の子たちとまったりするだけのスローライフコメディです。
異世界版の光源氏のようなストーリーです!
……やっぱりちょっと違います笑
また、AIイラストは初心者ですので、あくまでも小説のおまけ程度に考えていただければ……(震え声)
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
エラーから始まる異世界生活
KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。
本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。
高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。
冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。
その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。
某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。
実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。
勇者として活躍するのかしないのか?
能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。
多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。
初めての作品にお付き合い下さい。
【R18】童貞のまま転生し悪魔になったけど、エロ女騎士を救ったら筆下ろしを手伝ってくれる契約をしてくれた。
飼猫タマ
ファンタジー
訳あって、冒険者をしている没落騎士の娘、アナ·アナシア。
ダンジョン探索中、フロアーボスの付き人悪魔Bに捕まり、恥辱を受けていた。
そんな折、そのダンジョンのフロアーボスである、残虐で鬼畜だと巷で噂の悪魔Aが復活してしまい、アナ·アナシアは死を覚悟する。
しかし、その悪魔は違う意味で悪魔らしくなかった。
自分の前世は人間だったと言い張り、自分は童貞で、SEXさせてくれたらアナ·アナシアを殺さないと言う。
アナ·アナシアは殺さない為に、童貞チェリーボーイの悪魔Aの筆下ろしをする契約をしたのだった!
レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした
桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる