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第1章 はぐれ梁山泊極端派【私の思い出に決着を……。】
第3話 甘い物は別腹です♪
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「う~ん♪ うまいな! やっぱこの店にしといて良かった。」
「ウチもタマネギのこと見直した! 今まで味しないし、誰得なのって思ってけど、目からウロコ~、って感じ!」
なにぃ? タマネギをそんな風に思ってやがったのか。これで思い知っただろう。タマネギの重要性を。タマネギは縁の下の力持ちな食材なのだ! あるとないのとでは大きく違ってくる。
「おいしい。……おいしい♪」
隣を見るとエルがタマネギスープをおいしそうに食べている。スプーンが器と口をひっきりなしに行き来している。ずいぶんとお気に入りになったようだ。
「エルちゃんさあ、気付いてる?」
「え、何? 何に?」
俺も同じメニューを頼んでいたので、あることに気が付いた。タマネギ以外にも肉などが入っているが、とあるものが入っていたのだ。それは……、
「これニンニク入ってるよ。苦手って前に言ってなかったっけ?」
「……え?」
ノウザンウェル……ダンジョンの町でガツ丼を食べに行くときに、彼女はニンニクが苦手と言っていた。「苦手なんですぅ」と。言い方が可愛かったので、当時は目をつぶったが、今は立場も進展したことだし、ちょっとイジってみることにしたのだ。
「ま、まさか、入ってるなんてことは……、」
エルは引きつった顔でこちらの顔を見ている。やっぱり気付いてなかったようだ。その証拠に彼女の持つスプーンの上には、煮込まれて少しとろけたニンニクが乗っている。
「それニンニクなんだけど?」
「へ?……いえいえ、そんなことは……こ、これは“ガーリック”だから! だから大丈夫!」
「ええ~? 意味は同じなんだけど?」
さっきのタニシのときと逆の論法を使っている。タニシは言い換えても拒否ったが、エルはおしゃれそうな言い方に変化させて自己擁護している。「甘い物は別腹」とかいう女子特有の理論と同じだ。女子達はオシャレな言葉に変換すれば何とかなると思っているのでは?
(※あくまで彼の所感です。)
「ああ、もう! これはおいしいからいいの! もうほんとに意地悪なんだから!」
彼女はふてくされつつ、ニンニクを口の中に放り込み、残りをひたすら食べ続けた。怒った顔も結構可愛い。
(グリッ!)
「……痛って!」
エルをイジってたら俺の足を踏みつけてくるヤツがいた。ミヤコだ。俺を非難するような目で見ている。いちゃつくな、という事だろう。前々からこういう場面になると、コイツは俺ばかりに制裁を加えてくる。まあ、しょうがない。それぐらいは受け入れるしかない。
「ゴメンね、ミヤコちゃん。」
なんとなく雰囲気で察したエルがミヤコに謝る。別に謝らなくてもいいと思うが。俺、足踏まれてるし。
「エルるんはいいんだよ。悪いのはコイツだから!」
(グリッ!)
「いてっ!?」
また追加で踏まれた。何回踏んだら気が済むんだ……。それこそ、お前も彼氏作ればいい話じゃんかよ。そういうの得意そうなのに。
「あっれ~、皆さん、まだ食べてるでヤンスか?」
タニシが戻ってきた。言われてみれば確かにじっくり楽しんでいる。ある意味フルコース並みに楽しんだ。対するタニシもなんかマッタリしてきたかのような雰囲気である。お腹がちょっとぽっこりしてるし、爪楊枝で口をシーシーしている。お前は中年のオッサンか! まだ成人過ぎたばっかりだろお前……。
「さてはキサマ、ウマいモン食ってきやがったな!」
「それはまあ、お肉とかお肉とか合間にゴッツンとか、でヤンス。危うくタマネギソースとガーリックバターの罠にかかる所だったでヤンス! 食べるのも命がけヤンス。やっぱり肉は塩に限るでヤンス!」
肉ばっかり食べてきたのか? ということはそれなりに財力がないと出来ないはずだが、それはどこから捻出されたのだろうか? それも気になるが、タマネギ以外にニンニクもNGなのか。知らんかった。
「……で? よくそんなにお金持ってたな? ちゃんと残ってるんだろうな? 大丈夫か?」
ちなみに俺らは大武会の賞金があったので大丈夫。とはいえ俺が財布の紐を握っているわけではない。軍資金の管理はミヤコが行っている。これもサヨちゃんから役目を引き継いでいる。
「無問題でヤンスよ! あっしはちっともお金は出してないでヤンス。新しくできた舎弟に奢って貰ったでヤンス!」
「……舎弟?」
なんかさっきよりタマネギ臭さが増したような……? タニシの後ろに何か厳つい男がいる。身長が高く筋肉質な男だ。体だけ見ると強そうなのだが、頭を見るとそのイメージは払拭される。髪型が……タマネギみたいになっている!
こんなん笑うてまうやろ! 顔も結構厳ついのにね? コメディアンかな?
「だ、誰だお前はぁ!?」
「ウス! お初にお目にかかるっス! ……師匠!」
「……し、師匠!?」
なんか俺、いつの間にか師匠になっていたようだ。なんでやねん! 怒るでしかし!
「ウチもタマネギのこと見直した! 今まで味しないし、誰得なのって思ってけど、目からウロコ~、って感じ!」
なにぃ? タマネギをそんな風に思ってやがったのか。これで思い知っただろう。タマネギの重要性を。タマネギは縁の下の力持ちな食材なのだ! あるとないのとでは大きく違ってくる。
「おいしい。……おいしい♪」
隣を見るとエルがタマネギスープをおいしそうに食べている。スプーンが器と口をひっきりなしに行き来している。ずいぶんとお気に入りになったようだ。
「エルちゃんさあ、気付いてる?」
「え、何? 何に?」
俺も同じメニューを頼んでいたので、あることに気が付いた。タマネギ以外にも肉などが入っているが、とあるものが入っていたのだ。それは……、
「これニンニク入ってるよ。苦手って前に言ってなかったっけ?」
「……え?」
ノウザンウェル……ダンジョンの町でガツ丼を食べに行くときに、彼女はニンニクが苦手と言っていた。「苦手なんですぅ」と。言い方が可愛かったので、当時は目をつぶったが、今は立場も進展したことだし、ちょっとイジってみることにしたのだ。
「ま、まさか、入ってるなんてことは……、」
エルは引きつった顔でこちらの顔を見ている。やっぱり気付いてなかったようだ。その証拠に彼女の持つスプーンの上には、煮込まれて少しとろけたニンニクが乗っている。
「それニンニクなんだけど?」
「へ?……いえいえ、そんなことは……こ、これは“ガーリック”だから! だから大丈夫!」
「ええ~? 意味は同じなんだけど?」
さっきのタニシのときと逆の論法を使っている。タニシは言い換えても拒否ったが、エルはおしゃれそうな言い方に変化させて自己擁護している。「甘い物は別腹」とかいう女子特有の理論と同じだ。女子達はオシャレな言葉に変換すれば何とかなると思っているのでは?
(※あくまで彼の所感です。)
「ああ、もう! これはおいしいからいいの! もうほんとに意地悪なんだから!」
彼女はふてくされつつ、ニンニクを口の中に放り込み、残りをひたすら食べ続けた。怒った顔も結構可愛い。
(グリッ!)
「……痛って!」
エルをイジってたら俺の足を踏みつけてくるヤツがいた。ミヤコだ。俺を非難するような目で見ている。いちゃつくな、という事だろう。前々からこういう場面になると、コイツは俺ばかりに制裁を加えてくる。まあ、しょうがない。それぐらいは受け入れるしかない。
「ゴメンね、ミヤコちゃん。」
なんとなく雰囲気で察したエルがミヤコに謝る。別に謝らなくてもいいと思うが。俺、足踏まれてるし。
「エルるんはいいんだよ。悪いのはコイツだから!」
(グリッ!)
「いてっ!?」
また追加で踏まれた。何回踏んだら気が済むんだ……。それこそ、お前も彼氏作ればいい話じゃんかよ。そういうの得意そうなのに。
「あっれ~、皆さん、まだ食べてるでヤンスか?」
タニシが戻ってきた。言われてみれば確かにじっくり楽しんでいる。ある意味フルコース並みに楽しんだ。対するタニシもなんかマッタリしてきたかのような雰囲気である。お腹がちょっとぽっこりしてるし、爪楊枝で口をシーシーしている。お前は中年のオッサンか! まだ成人過ぎたばっかりだろお前……。
「さてはキサマ、ウマいモン食ってきやがったな!」
「それはまあ、お肉とかお肉とか合間にゴッツンとか、でヤンス。危うくタマネギソースとガーリックバターの罠にかかる所だったでヤンス! 食べるのも命がけヤンス。やっぱり肉は塩に限るでヤンス!」
肉ばっかり食べてきたのか? ということはそれなりに財力がないと出来ないはずだが、それはどこから捻出されたのだろうか? それも気になるが、タマネギ以外にニンニクもNGなのか。知らんかった。
「……で? よくそんなにお金持ってたな? ちゃんと残ってるんだろうな? 大丈夫か?」
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