379 / 401
第2部 第1章 はぐれ梁山泊極端派【私の思い出に決着を……。】
第37話 獣の魔王
しおりを挟む
「あんたなんか殺してやる!」
獣の魔王と化したエルの攻撃は激しかった。見てくれは同じだが、動きが以前と違う。前は直線的でデタラメな攻撃だったので、対処しやすかったが、今は明らかに武術を感じさせる動きだ。
「もっ!?」
「この裏切り者! 絶対に許すもんかぁ!」
エルは怒りに身をまかせて攻撃してはいるが、時折フェイントを混ぜてきたり、避けにくい状況を作ってから、本命の攻撃を入れてくる。
「ホホホ。お気に召したかしら。あの時とは違うでしょう? この意味がわかれば、あなたの絶望が更に深いものになるでしょうね。」
明らかに武術を学び始めてからの記憶がフィードバックされている。これは過去の記憶を再現しただけではなさそうだ。蛇の魔王は多分そういう事を言っている。意地の悪いヤツだ。
「この娘には才能があるのよ。私のような上位の魔王には及ばないけれども、下位の魔王達を凌駕する実力があるわ。」
エルの攻撃が激しくなる一方で、蛇の余計な小言も留まることを知らない。聞き流せればいいのだが、微妙にこちらが気になるような情報を小出しにしてくるので質が悪い。俺の集中力を削ぐのが目的なのだろう。
「どうしたの? さっきから逃げてばっかり。自分から攻めないと死んじゃうよ?」
正直、避けるだけでも精一杯だ。ハッキリ言って強い。この前の虎の魔王より強いと感じる。俺自身も強くなったが、それはあくまで精神的な部分のみだ。筋力とかそういうのは何も強くなっていない。
「何も出来ないよね。あなたって本当は大して強くないから! 技のタネがわかっちゃえば、倒すのなんて簡単!」
さっきよりもさらに攻撃が激しくなる。長い爪が生えた両手を縦横無尽になぎ払い、オマケに蹴りも時折追加してくる。当然足にも爪が生えている。手足全てに刃物がついているようなものだ。複数の敵を同時に相手にしているような気分だ。
「ほらほら、もっと強くなるよ! ……アクセレイション!!」
アクセレイションだと! 筋肉は更に盛り上がり、更に動きが速くなった。ヤバイこれ以上、強くなられたらしのぎきれるかどうか……。
「死ね! 死んじゃえ! 何も出来ない無能はゴミ屑のようになって死ね!」
無能か。キツいこと言うな。辛いはずだし、攻撃も激しいが、以外と攻撃を避けることが出来ている。何故だろう? 自分でもよくわからない。
「何故? 何故、攻撃が当たらない! 私の方が強いのに! 速いのに!」
実際、最低限の動きでかわせている。相手がどう動いて、どういう強さで、どういう速さで攻撃してくるのか手に取るようにわかる。もしかしたら、最近、最上で最高の技の数々を無数に受けたからかもしれない。あの攻撃に比べれば、わかりやすい、読みやすい。その前提で動けているから、猛攻もなんとかしのげているのだろう。わかってきたところで、こちらもそろそろ手を出してみよう。
「もぎゃあああっ!」
「馬鹿なの! 自分から死にに来るなんて!」
自ら彼女の懐に飛び込む。当然迎え撃とうと攻撃が来る。それを掻い潜り、懐、彼女の眼前、手が届く範囲にまで潜り込んだ。ここで俺はあることを実行に移す。それは……、
(むにょっ!)
「な、なにを……!?」
胸を触った。化け物の姿にはなっているが、ここの柔らかさだけはあまり変化していないようだ。ここだけはまだ女の子らしさが残っていると感じたのでここを攻めてみた。傷を付けない方法で。要するにセクハラというヤツだ。俺自身はあまり経験がないが、タニシの事を思い出してやってみた。割とアイツ日常的にやってるし、ミヤコからお仕置きを喰らっているのをよく見ている。マネをしてみた。
「このどスケベ!」
急いで彼女の攻撃の勢力圏から離れる。これでいい。この行為も彼女のトラウマ担っていることをミヤコから聞いたから間違いない。十分彼女の心に揺さぶりをかけれたはずだ。あとはか本来の彼女が目を覚ますのを待つだけだ。
獣の魔王と化したエルの攻撃は激しかった。見てくれは同じだが、動きが以前と違う。前は直線的でデタラメな攻撃だったので、対処しやすかったが、今は明らかに武術を感じさせる動きだ。
「もっ!?」
「この裏切り者! 絶対に許すもんかぁ!」
エルは怒りに身をまかせて攻撃してはいるが、時折フェイントを混ぜてきたり、避けにくい状況を作ってから、本命の攻撃を入れてくる。
「ホホホ。お気に召したかしら。あの時とは違うでしょう? この意味がわかれば、あなたの絶望が更に深いものになるでしょうね。」
明らかに武術を学び始めてからの記憶がフィードバックされている。これは過去の記憶を再現しただけではなさそうだ。蛇の魔王は多分そういう事を言っている。意地の悪いヤツだ。
「この娘には才能があるのよ。私のような上位の魔王には及ばないけれども、下位の魔王達を凌駕する実力があるわ。」
エルの攻撃が激しくなる一方で、蛇の余計な小言も留まることを知らない。聞き流せればいいのだが、微妙にこちらが気になるような情報を小出しにしてくるので質が悪い。俺の集中力を削ぐのが目的なのだろう。
「どうしたの? さっきから逃げてばっかり。自分から攻めないと死んじゃうよ?」
正直、避けるだけでも精一杯だ。ハッキリ言って強い。この前の虎の魔王より強いと感じる。俺自身も強くなったが、それはあくまで精神的な部分のみだ。筋力とかそういうのは何も強くなっていない。
「何も出来ないよね。あなたって本当は大して強くないから! 技のタネがわかっちゃえば、倒すのなんて簡単!」
さっきよりもさらに攻撃が激しくなる。長い爪が生えた両手を縦横無尽になぎ払い、オマケに蹴りも時折追加してくる。当然足にも爪が生えている。手足全てに刃物がついているようなものだ。複数の敵を同時に相手にしているような気分だ。
「ほらほら、もっと強くなるよ! ……アクセレイション!!」
アクセレイションだと! 筋肉は更に盛り上がり、更に動きが速くなった。ヤバイこれ以上、強くなられたらしのぎきれるかどうか……。
「死ね! 死んじゃえ! 何も出来ない無能はゴミ屑のようになって死ね!」
無能か。キツいこと言うな。辛いはずだし、攻撃も激しいが、以外と攻撃を避けることが出来ている。何故だろう? 自分でもよくわからない。
「何故? 何故、攻撃が当たらない! 私の方が強いのに! 速いのに!」
実際、最低限の動きでかわせている。相手がどう動いて、どういう強さで、どういう速さで攻撃してくるのか手に取るようにわかる。もしかしたら、最近、最上で最高の技の数々を無数に受けたからかもしれない。あの攻撃に比べれば、わかりやすい、読みやすい。その前提で動けているから、猛攻もなんとかしのげているのだろう。わかってきたところで、こちらもそろそろ手を出してみよう。
「もぎゃあああっ!」
「馬鹿なの! 自分から死にに来るなんて!」
自ら彼女の懐に飛び込む。当然迎え撃とうと攻撃が来る。それを掻い潜り、懐、彼女の眼前、手が届く範囲にまで潜り込んだ。ここで俺はあることを実行に移す。それは……、
(むにょっ!)
「な、なにを……!?」
胸を触った。化け物の姿にはなっているが、ここの柔らかさだけはあまり変化していないようだ。ここだけはまだ女の子らしさが残っていると感じたのでここを攻めてみた。傷を付けない方法で。要するにセクハラというヤツだ。俺自身はあまり経験がないが、タニシの事を思い出してやってみた。割とアイツ日常的にやってるし、ミヤコからお仕置きを喰らっているのをよく見ている。マネをしてみた。
「このどスケベ!」
急いで彼女の攻撃の勢力圏から離れる。これでいい。この行為も彼女のトラウマ担っていることをミヤコから聞いたから間違いない。十分彼女の心に揺さぶりをかけれたはずだ。あとはか本来の彼女が目を覚ますのを待つだけだ。
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

巻き込まれた薬師の日常
白髭
ファンタジー
商人見習いの少年に憑依した薬師の研究・開発日誌です。自分の居場所を見つけたい、認められたい。その心が原動力となり、工夫を凝らしながら商品開発をしていきます。巻き込まれた薬師は、いつの間にか周りを巻き込み、人脈と産業の輪を広げていく。現在3章継続中です。【カクヨムでも掲載しています】レイティングは念の為です。

Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~
味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。
しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。
彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。
故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。
そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。
これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。

異世界無宿
ゆきねる
ファンタジー
運転席から見た景色は、異世界だった。
アクション映画への憧れを捨て切れない男、和泉 俊介。
映画の影響で筋トレしてみたり、休日にエアガンを弄りつつ映画を観るのが楽しみな男。
訳あって車を購入する事になった時、偶然通りかかったお店にて運命の出会いをする。
一目惚れで購入した車の納車日。
エンジンをかけて前方に目をやった時、そこは知らない景色(異世界)が広がっていた…
神様の道楽で異世界転移をさせられた男は、愛車の持つ特別な能力を頼りに異世界を駆け抜ける。
アクション有り!
ロマンス控えめ!
ご都合主義展開あり!
ノリと勢いで物語を書いてますので、B級映画を観るような感覚で楽しんでいただければ幸いです。
不定期投稿になります。
投稿する際の時間は11:30(24h表記)となります。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる