【第1部完結】勇者参上!!~東方一の武芸の名門から破門された俺は西方で勇者になって究極奥義無双する!~

Bonzaebon

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第2部  第1章 はぐれ梁山泊極端派【私の思い出に決着を……。】

第6話 少女が見た鱗茎

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「だから、タマネギはいらないって言ってるだろ!」


 アニキ達の準備が終わるまでの間、あっしとゲイリーは宿の一階の酒場で待っているでヤンス。のんびりマターリしてたら、この大声! ビックリしたでヤンス! 朝から元気でヤンスねえ。何事ヤンスかな?


「そう言われても困るんですよ、お客さん。スープの中からわざわざ取り除くのは無理ですよ。」


 どんな奴かと思ったら、声の主は若かったでヤンス。しかも美少年でヤンス。ミャーコちゃんなら、速攻で声をかけに行きそうでヤンス。


「……チッ!」


 舌打ちしながら、パンとスープを受け取り、不機嫌そうに食べ始めたようでヤンス。それにしても、人間のクセにタマネギ嫌いなのは甘えでヤンス。ホントに最近の若いモンは……。あっしらコボルトは食べたら死ぬヤンスよ。


「ダメだよ。好き嫌いしてちゃ!」


 ミャーコちゃんがやってきたでヤンス。さっそくタマネギ嫌いの謎の美少年にアタックしてるでヤンス! 初対面で説教から入るなんて、ビギナーにはとても出来る芸当ではないヤンス!


「誰だよ、お前?」

「年上を“お前”とか言うな!」


 また、始まったでヤンス。ミャーコちゃんに“お前”呼びはNGでヤンス。イケメンでも地雷を踏むんでヤンスなあ。あっしはてっきり「ただし非モテに限る」と思ってたでヤンスのに。


「……は? 何言ってんの? 俺の方が年上だろ。」


 見た目は美少年の方が背が高いので、年上に見えるでヤンス。対してミャーコちゃんはちょっと小柄なので、2、3歳下に見られることが多いでヤンス。


「ウチは十六なんだけど?」

「……なっ!? ……チッ!」

「やっぱ年下じゃん!」


 美少年は歳を言わずに悔しそうなリアクションしただけヤンス。でも、わかりやすすぎるでヤンス。年下なの丸わかりでヤンスね。


「なんだよ、一個上なだけで偉そうにするな!」

「へー、十五なんだ。それなのにタマネギ食べれないんだ♪ カッコ悪~♪」


 ミャーコちゃんは美少年を煽り始めたヤンス。火に油を注ぐようなコトしてるでヤンスぅ。美少年もマジな顔つきになってるヤンス。これはヤバイヤンス。切れるかもしれないヤンス。


「どうせ食わず嫌いなだけだろ♪ 思い切って食ってみろ!」

「うるさい。……お前を殺す。」


 いつの間にか剣を抜いてるでヤンス! ミャーコちゃんの首に当ててるでヤンスぅ! 大ピンチ! どうにかするヤンス! でも、勝ち目なさそうヤンス! ……ハッ!? 舎弟にやらせればいいヤンス……って、寝てるヤンス! 図体デカいのに肝心な時に役にたたヤンスぅ!


「なにマジになってんの、バカじゃない?」


 強気に言ってるけど、ミャーコちゃん半泣きになってるヤンス。あっしなら多分漏らしてるヤンス。それぐらい少年がガチで恐いヤンス。


「ハハハハハッ!」


 少年は剣をしまって、離れた席に行ってしまったヤンス。ミャーコちゃんが取り残されたから、急いで近くに行くヤンス!


「……なにアイツ、マジでムカツク!」

「ミャーコちゃん!」

「……ああ、ワンちゃん。ありがと。」

「もう心臓がバクバクしたヤンス。見てるこっちがヒヤヒヤヤンス!」

「う、うん。ゴメン。」


 さすがにミャーコちゃんもショックだったみたいヤンス。さすがにあんな若い少年が怖いことするとは誰も思わヤンス!


「おまたせ! ちょっと遅くなっちまった!」

「ゴメンね、みんな。私が手間取ってたから、遅くなっちゃったの。」


 アニキとエルしゃんがやっと来たヤンス。ちょっと遅すぎヤンス。なにしてたでヤンス?


「なにかあったのか?」

「……べ、別に……。」


 ミャーコちゃんはなにもなかったようにしようとしてるヤンス。あっしもそれにあわせるヤンス。まあでも少年を見たらなにか気付くかも……って、いつの間にかいないでヤンス。しかも食べ物は完食したみたいでヤンス。タマネギ以外は……。


「……!?」


 エルしゃんがタマネギの残った皿を見つめてるでヤンス。美少年の残り香でも残ってたでヤンスかね? まっさか~? あっしらコボルトじゃないんでヤンスから違うでヤンスね。気のせいでヤンしょ!
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