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第5章 完成!究極の超次元殺法!!
第326話 恐怖!獄門九所封じ!!
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「獄門九所封じ……!?」
聞いたことのない技だ。梁山泊では数字の“八”を技の名前に絡める事は多いけど、“九”の名の付いた技は初めて聞いた。文字面からすると不吉なイメージしか湧いてこない。
「宗家よ! あなたには慈悲という物がないのか!」
闘技場入り口から聞こえてきた声……レンファさんだ。宗家を非難している。獄門九所封じのことを言っているのだろうか?
「敗者たる貴様に発言権などない。あったとしても、宗家の決定に口を挟むなど言語道断! 決定事項は覆らぬ。」
梁山泊において、宗家の発言、行いは絶対だとされている。宗家が法であり秩序なのだ。その性質もあって、宗家の血筋は徹底的かつ厳正な教育が施されるとも聞く。血筋の人間であっても、資格なしと判断されれば、処断されるのだ。
「あなたのやろうとしていることは“百修百業”ではない! 処刑法“悔咸百獄”だ! このような公衆の面前で行うのは間違っている! これではただの“私刑”だ!」
「ただ此奴を処刑するのではない。私はこの国の“勇者”などという者を処断するのだ。それはこの国、その国民がこの程度の男を勇者として崇めた愚かしさを処断してやろうというのだ!」
会場がざわめく。当然の結果だ。処罰の対象は俺だけではないと断言したのだから、動揺もするだろう。
「それはただの傲慢だ。」
「傲慢で結構。傲慢こそ強者の特権だ。否定したくば、強くなれ! 強さこそがこの世の真理なのだ! 勝たずば全ては無に返す。敗者、弱者は存在意義など元より無いのだ!」
宗家は急に攻めを開始した。合わせて俺も迎撃の態勢を取る。それでも宗家は瞬く間に間合いを詰め、俺の右腕を取った。
「九所封じその一、閉門封腕!」
「ぐあああっ!?」
複雑に利き腕を絡め取られ、肘関節に激痛を走らせた。その痛みに剣を落としてしまった。
「本来ならば完全に破壊するが、それでは百修百業が終了してしまう。敢えて貴様を動ける程度に破壊する!」
何とかもがいて逃れようとするが、腕の痛みもあって、それはできない。何とかしないと他の部分も破壊されてしまう。
「次はこれだ。亡門封肩!」
宗家は絡みついた蛇のようにスムーズに俺の背後に移動した。瞬く間に腕を羽交い締めにされた。そのまま後ろ手に取った体勢で肩関節をよじる。両肩が軋む。右腕と同様、壊されてはいないが動かすだけで痛みが走る状態にされてしまった。
「貴様はこれでまともに剣を振るうことすら、叶わなくなった。当然、責め苦はまだまだ続く。序の口だということを忘れるな!」
羽交い締めの状態から、膝裏を蹴られ俺は前のめりに倒された。当然受け身も取れず、顔面を地面に強打した。そのまま宗家に馬乗り体勢にされ、今度は足首を取られた。足で蹴ろうにも蹴れなくなった。
「努門膝斬!」
膝裏を圧迫される感触を感じるや否や、膝に痛みが走った。今度は両膝をやられた。
「幽門踵転!」
休む間もなく左踵を捻られ、悶絶する。次々に苦痛を与えられ、反撃する機会すら奪われる。為す術がない。痛みに苦しむ間に宗家は次の行動を取った。両足を自分の脇に挟み込み、俺の体を海老反りにする!
「洋門鰕捻!」
背中と腰に激しい痛みを感じた。ここまでされると正に足腰さえ立たなくなる。
「フン、無様なものよ。」
ここで宗家は攻撃の手を止め、俺の背中から離れた。何もしてこないので、俺は痛みに耐えつつゆっくりと起き上がった。
「えらい余裕だな。俺を完全に破壊するんじゃなかったのかよ?」
「多少、反撃の機会は与えてやらんとつまらぬであろう? どうした? 反撃するには剣がなければ出来んのではないか?」
取り落としてしまった剣をこれ見よがしに蹴って、俺の近くまで寄越した。手に取りたいが全身が痛むので、思い通りに動かせなかった。
「遅い!」
痛みに苦しむ俺を見かねて、宗家は間合いを詰め、俺の側を通り過ぎ、背後へと回った。直後、右踵に激痛が走った。
「幽門斬踵っ!」
両踵ともやられた。俺は為す術なく、地に伏した。激痛に耐えつつ、せめて剣だけでもと思いまだ無事な左手を伸ばした。
「痛門腕折!」
無慈悲にも左腕は上から踏みつけられ、壊された。もはや、剣を握ることさえ出来ない。
「ぐううっ!?」
宗家は馬乗りになり、俺の首に腕を巻き付けてきた。
「滅門意没!」
宗家に首を締め上げられ、意識が遠くなりそうになる。それもまた寸止めされ解放された。
「九所封じも残るは一つ。死なない程度に、地獄の片鱗を見せてやろう!」
うつ伏せの状態から蹴り上げられ、強制的に仰向けの状態にされた。気付いたときには、宗家は俺の真上高くまで跳躍していた。そのまま落ちてくる片膝を突き出した状態で!
「獄門心絶!」
その光景を最後に俺は意識を失った……。
聞いたことのない技だ。梁山泊では数字の“八”を技の名前に絡める事は多いけど、“九”の名の付いた技は初めて聞いた。文字面からすると不吉なイメージしか湧いてこない。
「宗家よ! あなたには慈悲という物がないのか!」
闘技場入り口から聞こえてきた声……レンファさんだ。宗家を非難している。獄門九所封じのことを言っているのだろうか?
「敗者たる貴様に発言権などない。あったとしても、宗家の決定に口を挟むなど言語道断! 決定事項は覆らぬ。」
梁山泊において、宗家の発言、行いは絶対だとされている。宗家が法であり秩序なのだ。その性質もあって、宗家の血筋は徹底的かつ厳正な教育が施されるとも聞く。血筋の人間であっても、資格なしと判断されれば、処断されるのだ。
「あなたのやろうとしていることは“百修百業”ではない! 処刑法“悔咸百獄”だ! このような公衆の面前で行うのは間違っている! これではただの“私刑”だ!」
「ただ此奴を処刑するのではない。私はこの国の“勇者”などという者を処断するのだ。それはこの国、その国民がこの程度の男を勇者として崇めた愚かしさを処断してやろうというのだ!」
会場がざわめく。当然の結果だ。処罰の対象は俺だけではないと断言したのだから、動揺もするだろう。
「それはただの傲慢だ。」
「傲慢で結構。傲慢こそ強者の特権だ。否定したくば、強くなれ! 強さこそがこの世の真理なのだ! 勝たずば全ては無に返す。敗者、弱者は存在意義など元より無いのだ!」
宗家は急に攻めを開始した。合わせて俺も迎撃の態勢を取る。それでも宗家は瞬く間に間合いを詰め、俺の右腕を取った。
「九所封じその一、閉門封腕!」
「ぐあああっ!?」
複雑に利き腕を絡め取られ、肘関節に激痛を走らせた。その痛みに剣を落としてしまった。
「本来ならば完全に破壊するが、それでは百修百業が終了してしまう。敢えて貴様を動ける程度に破壊する!」
何とかもがいて逃れようとするが、腕の痛みもあって、それはできない。何とかしないと他の部分も破壊されてしまう。
「次はこれだ。亡門封肩!」
宗家は絡みついた蛇のようにスムーズに俺の背後に移動した。瞬く間に腕を羽交い締めにされた。そのまま後ろ手に取った体勢で肩関節をよじる。両肩が軋む。右腕と同様、壊されてはいないが動かすだけで痛みが走る状態にされてしまった。
「貴様はこれでまともに剣を振るうことすら、叶わなくなった。当然、責め苦はまだまだ続く。序の口だということを忘れるな!」
羽交い締めの状態から、膝裏を蹴られ俺は前のめりに倒された。当然受け身も取れず、顔面を地面に強打した。そのまま宗家に馬乗り体勢にされ、今度は足首を取られた。足で蹴ろうにも蹴れなくなった。
「努門膝斬!」
膝裏を圧迫される感触を感じるや否や、膝に痛みが走った。今度は両膝をやられた。
「幽門踵転!」
休む間もなく左踵を捻られ、悶絶する。次々に苦痛を与えられ、反撃する機会すら奪われる。為す術がない。痛みに苦しむ間に宗家は次の行動を取った。両足を自分の脇に挟み込み、俺の体を海老反りにする!
「洋門鰕捻!」
背中と腰に激しい痛みを感じた。ここまでされると正に足腰さえ立たなくなる。
「フン、無様なものよ。」
ここで宗家は攻撃の手を止め、俺の背中から離れた。何もしてこないので、俺は痛みに耐えつつゆっくりと起き上がった。
「えらい余裕だな。俺を完全に破壊するんじゃなかったのかよ?」
「多少、反撃の機会は与えてやらんとつまらぬであろう? どうした? 反撃するには剣がなければ出来んのではないか?」
取り落としてしまった剣をこれ見よがしに蹴って、俺の近くまで寄越した。手に取りたいが全身が痛むので、思い通りに動かせなかった。
「遅い!」
痛みに苦しむ俺を見かねて、宗家は間合いを詰め、俺の側を通り過ぎ、背後へと回った。直後、右踵に激痛が走った。
「幽門斬踵っ!」
両踵ともやられた。俺は為す術なく、地に伏した。激痛に耐えつつ、せめて剣だけでもと思いまだ無事な左手を伸ばした。
「痛門腕折!」
無慈悲にも左腕は上から踏みつけられ、壊された。もはや、剣を握ることさえ出来ない。
「ぐううっ!?」
宗家は馬乗りになり、俺の首に腕を巻き付けてきた。
「滅門意没!」
宗家に首を締め上げられ、意識が遠くなりそうになる。それもまた寸止めされ解放された。
「九所封じも残るは一つ。死なない程度に、地獄の片鱗を見せてやろう!」
うつ伏せの状態から蹴り上げられ、強制的に仰向けの状態にされた。気付いたときには、宗家は俺の真上高くまで跳躍していた。そのまま落ちてくる片膝を突き出した状態で!
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