【第1部完結】勇者参上!!~東方一の武芸の名門から破門された俺は西方で勇者になって究極奥義無双する!~

Bonzaebon

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第5章 完成!究極の超次元殺法!!

第324話 絶命サバイバルマッチ

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「色々ルールなどの変更がありましたが、両者納得済みですので、試合を開始します。史上最大のサバイバルマッチ、開幕です。」


 サバイバルマッチ……確かにそうかもしれない。どっちかが死ぬまで続けられる、サバイバルだ。


「貴様は何本目まで生きていられるかな?」


 気付いたときには宗家に間合いを詰められていた。これでは対処できない。


「驚門打破!」


 腹部に大きな衝撃が加わる。踏ん張ることも出来ずに、後ろへと吹き飛ばされた。俺の意識はそこで一瞬、飛んだ。


「これでまずは一本。」


 気付いたときには、俺は空を見上げていた。一瞬のうちに一本を取られてしまった。別に油断をしていたわけじゃない。それほど、俺と宗家の実力に差があるんだ。


「一本取られたということは、一度死んだ事に等しい。実戦であれば貴様はとうに死んでいた。貴様はこの後、何度も死ぬこととなる!」


 声が聞こえたときには、俺の真上に宗家がいた。跳躍で俺の真上に飛んだみたいだ。


「休門坑鏨!」

(……ドスッ!)


 つま先…と言うより、足刀が俺の腹に突き刺さった。ここで再び俺の意識は飛んだ。


「……で、二本目。」


 意識が戻ると共に、今度はすぐに起き上がり体勢を立て直す。このままでは相手のなすがままになってしまうからだ。


「死門霍鐐!」


 宗家の両足で蟹挟み状に足を囚われ、横転させられた。横転させられた際に頭を地面にぶつけ、再び意識が飛んだ。


「……三本目。」


 意識は戻ったものの、前の二回とは違い、頭部を打ったため、まだ朦朧とした感覚がまだ残っている。とりあえず起き上がることはできたが、視点が定まらず、宗家がどこにいるかわからない。


「ほれ、どうした? このまま何度も死ぬつもりか? 一矢報いたいとは思わぬのか?」


 まだ鈍い痛みが頭と腹部にはあるが、視点は定まるようになってきた。誘いに乗る形にはなるが、ここで初めての攻撃を放つことにした。


「破竹撃!」


 何も考えずにシンプルな攻撃を放つ。それも容赦なく宗家には払われた。


「景門搏擽!」


 剣撃を払われると同時に脇腹へ手刀を叩き込まれた。一回目、二回目と同じ所を狙ってきていた。それまで二回に比べたら、威力は抑えられていたようだが、俺の意識を失わせるには十分だった。


「……ん目。」


 意識が戻った。今度は倒れずには済んだようだが、さっきまでより戻るまでに時間がかかっていたのかもしれない。これで四本目か?


「……有隙の征!」


 体が自然に動いた。動ける内は攻撃を仕掛ける。今の俺に出来る最善の行動を取るんだ! さっきとは逆に連撃で攻める。でも、当たらない。宗家は全く動いていないのに当たらなかった。


「開門推手。」


 剣を持つ腕を取られ、攻撃を封じられた。そして、また腹部へ攻撃を受けた。その衝撃に吹き飛ばされる途中で、また意識を失った。


「……目。」


 気が付いた。今度は五本目か? 意識が飛んでる間に剣を落としてしまっていたようだ。慌てて探す。


「貴様の探している物はこれか?」


 宗家から剣の柄を差し出された。おれはそれを素直に受け取った。


「生門勒骼!」


 宗家の姿が突然消え、代わりに下から顎を突き上げる攻撃が来た。予想外の方向から来たので無防備なまま、攻撃を食らい意識を失った。


「…。あと二つだ。」


 顎が痛い。そして、頭もぐらぐらする。さっきの攻撃で脳を揺らされる程の衝撃を受けたからだろう。何か言っているようだが、内容がわからない。何の数を言っているのだろう。


「杜門縺扞!」


 ぼんやりした脳で考えていると、攻撃の猛連打が来た。俺の有隙の征とは比べものにならないくらいの攻撃だ。為す術なく滅多打ちにされるしかなかった。そしてまた、腹部を強打され意識を失う。


「…。……とつ。」


 あれ、これで七本取られたんだっけ?朦朧とする意識の中、どうでもいいことを考えていた。戦闘中に現実逃避するだなんて、いよいよだな。


「“八掌”を構成する技はこれで最後だ。この技を受けて、貴様は立っていられるか?」


 宗家が迫る。一瞬にして間合いを詰められ、止めの掌打が眼前に迫ってきた。


「傷門擂折っっっ!!!!」


 死。それしか頭に浮かばなかった。その意識さえ、すぐさま吹き飛んだ。
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