【第1部完結】勇者参上!!~東方一の武芸の名門から破門された俺は西方で勇者になって究極奥義無双する!~

Bonzaebon

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第5章 完成!究極の超次元殺法!!

第313話 激突!槍覇VS拳覇!!

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「朧月彗扇!」


 果敢に攻める。相手を殺す気で戦わねば、負ける。文字通り死力を尽くし、命尽きるまで戦い続けなくてはならない。


「私にこんな子供騙しの技が効くと思っているのか?」


 もちろん効くとは思っていない。本気の戦闘用の技として、応用を利かせている。朧月彗扇はフェイントを効かせる技だが、これを多重に仕込んで、更なる幻惑効果を導き出す。嘘か誠か、攻撃の嵐の中で相手は彷徨い続ける事となる!


「多重朧月……といったところか。だが、私にどれだけ通用するかな?」


 宗家は涼しい顔で、私の攻撃を凌いでいる。まるで私が幻惑にかけられているかのような錯覚に陥る。いや、違う! まさか……これは一0八計、鏡面類繕! 私が仕掛けたつもりが逆に私自身が幻惑にかけられている!


「気付いたようだな。大抵の者は術中にかけられていることにも気付かず、敗北する。さすがに五覇の称号を持つ者ならば、気付いて貰わねば困る。」


 私が攻撃を中断したところで、宗家が必殺の突きを叩き込んできた。その前に槍で防いだものの、その攻撃の重さに冷や汗が出た。攻撃を中断していなければ、この一撃で私は沈んでいただろう。


「どうした? 貴様の実力はそんなものでは無いであろう? 私に拳覇の技を出させて見せろ。出来ぬとは言わせぬぞ。」


 まだ本気にはなれないということか。私自身、本気を出していない訳ではないのだが……。実力差がこれ程のものとは。久しく味わっていなかった感覚だ。弟子入りしたての頃、師範を相手に稽古をつけているかのような感覚だ。圧倒的な力量の差を感じずにはいられない。


「絶影百歩!!」


 五覇奥義の速さで対抗するしかない。私は速さに関しては自信がある。宗家以外の他の五覇たちもそれは認めていた。自分の持ち味を最大に生かしながら、着実に攻めていく。


「さすが速度は五覇随一と言われるだけのことはあるな。やれば出来るではないか。初めからその力を使うべきだったのだ。」


 私の速さを褒め称えつつも、全力の速さの攻撃をものともしていない。先程よりは余裕を持ってはいないようだが、それでも攻撃が掠ることすらなかった。


「私も礼儀として、五覇奥義で対抗せねばならぬな。」


 宗家が言う矢先に、異変が起こり始めた。宗家が正面で槍を受け流している最中、私の側面から攻撃の気配を感じ、とっさに避ける。そして、避けた先でもすぐさま攻撃を加えられた。違和感を感じた私は回避を行いつつ、宗家との間合いを空けて状況を確認することにした。


「おおおおーっと、どういうことでしょう? パイロン選手が何人もいます。4人、5人、6人、いや、8人もいます! これは夢なのでしょうか? 幻術なのでしょうか? さっぱりわかりません。」


 違う。魔法ではない。この技は闘気を操ることにより、蜃気楼のような現象を発生させ、相手を幻惑する技だ!


「五覇奥義……離伯月影!?」

「その通り。この技を実際に見た者はごくわずかしかおらぬ。貴様に加え、戟覇、貴様の義父だけだ。」

「私の義父……だと?」

「気付いておらぬとでも思っているのか?貴様の素顔を見たことはなくとも、正体についておおよその推測は出来ている。」

「戯れ言を!」


 宗家は高らかに笑う。まさか……私の正体に気付いていたとは……。
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