【第1部完結】勇者参上!!~東方一の武芸の名門から破門された俺は西方で勇者になって究極奥義無双する!~

Bonzaebon

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第5章 完成!究極の超次元殺法!!

第304話 トリックを暴け!

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「何かおかしい。」


 宙を浮く槍から逃げ惑う相方の姿を眺めつつ、槍の挙動に何か不自然な物を感じていた。槍は動いているが、ゴーレムからは大した魔力が放たれていない。槍にあれだけの動きを与えるなら、マグネット・エナジーが目に見える程のパワーが必要なはずだ。


「まさかとは思うが、試合開始直後に技発動の細工をしていたのでは……。」


 最低限の魔力で槍を操る細工をしているはずだ。それに加え、マグネット・エナジーでの拘束力を高める何らか工夫をしているはず。何か見落としがあるはずだ。その仕組みがあの槍の動きと関係があるような気がしてならない。


(バアアァン!)


 あの馬鹿は槍を踏みつけた。豪快に音が響き渡る。これで槍はピクリとも動かなくなった。そこに違和感を感じた。踏まれたぐらいなら魔力で強引に引っ張り出す事は出来るはず。でも、ヤツはそのままにしている。まさか……最初から槍を踏ませるつもりだったのでは……。


「……雷光引力波!!」

(ビュババーッ!!)


 気付くのが遅かった。まるで答え合わせをするかのように、侍が行動を起こした。やはりあの技を狙っていたんだ。だが、まだ何か策を講じれるはずだ。もう少しで槍とあの技の原理を暴けそうなんだ。考えつつ、技の妨害用にヴォルテクス・カノンの溜めを作る。


「踏む?地面?……地属性魔法……、」


 まさか!……地面に何か仕込んでいるのでは!それから離れられるのなら、技の回避も可能なはず。まずは地面だ。地面の中のトリックを暴き出すんだ!


「ヴォルテクス・カノン!!!」

「わわーっ!何で俺に向かって撃つんだぁ!?」


 何かわめいて抗議しているが、そのまま打ち込む。敵の技で両断されるよりはマシだろう。


「雷光一刀閃!!!」

(ドゴォォォォン!!!!)


 ヴォルテクス・カノンが地面を抉り、周囲に土埃を巻き上げる。丁度いい。目眩ましにもなってくれそうだ。そして、予想通り、“技の仕掛け”が姿を現し、槍と共に宙を舞っている。それに引っ張られる形で馬鹿も同様の事態になっている。あとは行動を起こすのみ!風魔法で空気を蹴り、相方の元へ急ぐ。


「今は何も考えずに剣から手を離せ!」


 俺は飛び込んだ勢いで馬鹿を蹴り出し、技の効果範囲から脱出させる。


「おぶうぉうっ!?」


 素っ頓狂な声を上げて吹き飛んだが、別に問題は無い。俺はそのまま、奴等に一杯食わせてやるための迎撃態勢に入った。
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