299 / 401
第5章 完成!究極の超次元殺法!!
第299話 知っているのか、ジイさん?
しおりを挟む「な、なんの用だ?」
いきなりなんで、ビックリした。しかも、次の対戦相手だから、思わず身構えてしまった。まさか、この場で雌雄を決しようとでも言うのか?
「お主らに頼み事をしたかった故、この場に馳せ参じた。」
た、た、た、頼み事と申すかぁ!やはり、決戦は避けられんでござるかぁ?お命頂戴つかまつりまするのかぁ?
「頼み事とは何だ?」
さっきまで黙りこくっていたファルちゃんが初めて口を開いた。俺とジジイのやりとりの間に多少の飲み食いはしていたようだ。
「あさっての試合方式についてだ。」
「試合方式?そんなの変えてどうすんの?」
そもそも変えるなんてことが許されているのか?もしかして、ジャンケン方式とか、絶対に笑ってはいけないとか、負けたら罰ゲームとか追加するとかじゃないだろうな?
「試合方式は……巌流島形式を採用したいと考えている!」
「ガンリュウジマ?ナニソレ?」
「むう!ガンリュウジマじゃと!?」
またワケのワカラン専門用語が登場したぞ。侍が絡むと効いたことのない専門用語必ず登場する説、を提唱したいぐらいだ。ん?なんかジジイまで反応してるが、どういうことだ。
「知っているのか、ジイさん?」
「知らん!」
「知らないのかよ!」
なんだ、結局知らんのか!知ってそうなリアクションしやがって!紛らわしい。酔っ払いが話に入って来んなよ!
「拙者が説明致そう。巌流島とは我が故郷に置いて、伝説の剣豪二人が決闘を行った地名を指している。それ以来、互いに因縁を持つ強者が雌雄を決する場の代名詞として用いられている。」
「でも、闘技場は島じゃないし、代名詞なら別に特別ルールじゃなくてもよくない?」
変に名前を変えるだけで、特に意味はないのでは?それとも場所変えてやんの?海とかに行ってたら時間かかるじゃん?
「いや、島は闘技場に作る。設備を利用し擬似的に島を設営するのだ。」
「……は!?」
島を作るぅ!?無理だろ!作ってたら、どんだけ時間がかかるんだよ。闘技場をプールにでもするつもりか?工事費用もかかるだろうし、無茶苦茶だ。
「設備って意味なら、出来なくもないぜ。闘技場を海にすることなら可能なはずだ。」
ファルちゃんまでおかしなこと言い始めた!闘技場が海になるわけないじゃん!魔法でも使って、海に見えるようにするとかなら話は別だけど。
「あの闘技場は昔から、様々な催し物が行われていた。ただの闘技だけじゃなく、“模擬海戦”すら行っていたこともあるらしい。その設備を使えば海を作ることは出来る。」
「左様。その設備の噂を聞いた拙者は大会運営に掛け合ったのだ。勇者との準決勝は特殊方式で戦いたいとな。運営側も話題の強者同士の一大決戦となれば、採算は取れると、拙者の要求を飲んだのだ。」
うそーん!マジでやるつもりなんか。冗談で終わると思ってたら、大会側もノリノリってことか。
「続いて試合規定について説明致そう。島での決戦は基本的に一対一とし、相棒は水上の船にて待機を基本とする。」
「タッグ戦なのにわざわざ制限をするのか?」
「船上での待機中は遠隔攻撃での援護も可とする。途中で人員の入れ替えも可能とする。ただ、二人同時に島へ上がる場合は制限を設ける。10秒間のみ可能とし、それ以上は失格となる。規定については以上だ。」
なるほど制限付きで可能にしておくわけだ。一時的に助けに入ったり、連携技を繰り出すことも可能にしているのか。
「ここでもう一度確認させてもらおう。拙者の提案は受け入れるか、否か?」
「いいぜ。その試合方式で戦おう。」
「では、明日運営に伝えるとしよう。」
蓋を開けてみればとんでもない提案だったが、結果的には侍の要求を飲んだ。断る理由もないし、それでいいだろう。侍が変な企みを企てるはずもないので、やりたいようにやらせてやろう。派手にやり合って、会場を大いに沸かせてやろうじゃないか。
「若いの、お主も一杯やらぬか?」
「かたじけない。ご老人、お相手仕る!」
今度は飲み会が始まってしまった。どうやら、侍も酒好きのようだ。
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説

望んでいないのに転生してしまいました。
ナギサ コウガ
ファンタジー
長年病院に入院していた僕が気づいたら転生していました。
折角寝たきりから健康な体を貰ったんだから新しい人生を楽しみたい。
・・と、思っていたんだけど。
そう上手くはいかないもんだね。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

巻き込まれた薬師の日常
白髭
ファンタジー
商人見習いの少年に憑依した薬師の研究・開発日誌です。自分の居場所を見つけたい、認められたい。その心が原動力となり、工夫を凝らしながら商品開発をしていきます。巻き込まれた薬師は、いつの間にか周りを巻き込み、人脈と産業の輪を広げていく。現在3章継続中です。【カクヨムでも掲載しています】レイティングは念の為です。

Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~
味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。
しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。
彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。
故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。
そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。
これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる