【第1部完結】勇者参上!!~東方一の武芸の名門から破門された俺は西方で勇者になって究極奥義無双する!~

Bonzaebon

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第5章 完成!究極の超次元殺法!!

第274話 まさかの降伏勧告

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「さあ、どうする、お嬢さん?悪くない提案だと思うが?」

「まさか、我々二人を同時に相手にするつもりかな?……二人同時に相手をするとなれば、貴女の無事は保証できない。」


 二人同時に相手にするのはとても危険なのは自分でもわかる。正直、恐い。でも、ここで負けるわけにはいかない。最後まで勝ち抜いて……彼と戦う事を約束したから!


「あなたたちには誇りというものがないのですか?」

「……何を言ってるんだい?誇り?それはどういう意味かな?」

「まさか我々相手に“戦士の誇り”とやらを説くつもりなのかい?それはお門違いだよ、お嬢さん。」


 私は魔術師の心得を持つ者としては間違っているのかもしれない。この行動が理に適っていないとは思う。


「残念ながら我々は魔術師だ。魔術師には魔術師の戦い方がある。例え卑怯者と後ろ指指されようと、この信念は曲げない。」

「戦士どもと真正面から戦っても勝てないのは自明の理だからね。無理に汗臭い戦いに付き合う必要なんてないんだよ。貴女も魔術師なら少しはその自覚を持っておいた方が良いのでは?」


 それでも私は……戦士としてこの大武会を戦いたい!でないと、彼と戦う資格なんてない。


「それでも私は一人で戦います。戦わずに勝ったつもりでいるあなたたちとは違うんです!」

「残念だ。なら、我々も容赦するつもりはない。」


 戦いの口火は切られた。二人は私を前後で挟むかのような位置取りをする。こういう時は……、


「一0八計が一つ!円旋封壊!」


 複数の敵に周りを囲まれた際に効果を発揮する技を見舞った。大きく円を描くように周囲を戟でなぎ払って怯ませた後、突破口を開くための突撃を行う。


「はっ!!」

「ぐうう、そう来たか!」


 相手は意表を突かれたためか、大きく動揺している。遠慮なくこのまま正面の黒ローブの人を仕留めに掛かった。……でも、その直前で相手の姿は消えた。大鎌は虚しく空を斬る。


「危ない、危ない。危うく討ち取られるところだった。」


 黒いローブの人は、いつの間にか私の側面に移動していた相方と合流している。多分、引き寄せの魔術を使ったんだと思う。対象を瞬間移動させるタイプの魔術があったはず。


「なかなかどうして、以外とやるね、お嬢さん。魔術師とは思えないほど、キレのある動きをする。」

「大会までの間、必死に鍛錬しましたから!」


 鍛錬もしたし、予選会でも魔術は使わずに戟術だけで戦うことに専念した。それで大分自信が付いた。それ以前に魔王とも戦った事があるので、度胸も付いた。戦うまでは不安もあったけれど、一旦戦い始めてしまえば、どうということはなかった。


「我々も手段を選んではいられなくなった。必勝の策を使わせてもらう。行くぞマギマ!」

「わかった。アレだね、ドグマ兄さん。」


 私の実力を知った上で奥の手を使おうとしている。一体、どんな手を使うんだろう?
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