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第5章 完成!究極の超次元殺法!!
第273話 魔次元殺法コンビ
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翌日―――、本戦で初めての試合に臨むことになった。しかも、今日の第一試合。いよいよ大勢の人の前で戦うということが現実身を帯びてきた。次第に私の心臓の鼓動も高まる。
「とうとう本番だ。準備はいいか、エレオノーラ?」
「……はい!」
緊張はしているけれど、昨日程じゃない。昨日、彼とのやりとりを経て、緊張が大分ほぐれたと思う。正直、昨日のことで多少モヤモヤしている部分はあるけど、今日の試合には関係のないことなので、胸の内にしまっておこう。
「本日の第一試合は、本大会で人気上昇中の師弟コンビ、ブラック・ロータスが登場します!どうぞ、ご登場下さい!」
司会の声に合わせて、私たちは闘技場に姿を見せた。途端に観客席からの声援が大きくなる。心なしか、昨日より男性からの声援が多い気がする。
「ハハハ!男性ファンが出来たようだな。君が美しいと聞いて、一目見ようと見物にやってきたのだろう。」
「ええっ!?」
思いもよらぬ事態に思わず赤面してしまう。折角、緊張が薄れたと思っていたのにこれだと逆戻りだ。対戦相手以外に、自分の姿が公の場に晒される緊張感とも戦わないといけないなんて……。
「そして、対するは、予選会でも物議を醸したこのコンビ。魔次元殺法コンビ、ドグマ&マギマ選手です!」
対戦相手が姿を現した。見た目は怪しげな魔術師の男性二人組といった感じだ。それぞれ対照的に白と黒のローブを着ている。でも顔はそっくり。双子なのかな?どんな戦い方をするのだろう?
「瞬間移動、重力制御はお手の物!時には相手に攻撃をさせる間もなく下してきたこのコンビ。未知の流派の師弟に対してどんな戦いをするのか、期待大です!」
やっぱり魔術中心の戦い方なんだ。私はともかく、先生は魔術に対しての知識が少ない。対処しにくい魔術を使われては、例え先生だったとしても足を掬われるかもしれない。
「観客席の期待も高まってきたところで、早速開始して頂きましょう!それでは……試合開始!」
開始早々、相手の魔術師は瞬時に姿を消した。最初から瞬間移動の魔法を使うなんて!
「フフフ、早速、勝ちのための布石を打たせてもらうよ!」
背後から声がしたときには、もう既に相手の魔術は完成していた。先生の体の半分が真っ黒なワームホールに飲み込まれようとしていた。
「ムウ!?」
「先生!?」
為す術もなく、先生はそのまま飲み込まれてしまった。恐れていたことが現実になってしまった。それなのに対処できなかった自分が恨めしい。
「彼は死んではいないよ。しばらくの間、ご退場願っただけさ。亜空間でおとなしくしておいてもらう。」
「魔術師の我々からしたら、手練れの戦士はやっかいな存在だからね。」
最初から先生を狙っていた?この二人は先生が魔術に疎い事を見越して仕掛けてきた。しっかり、私たちのことを分析した上で戦いに臨んでいる。
「ハッキリ言って、今の貴女はとても不利な状況だ。そこで我々からの提案がある。」
提案?試合という状況で交渉事をするなんて、一体どういうことなんだろう?
「……降参し給え。それが最善の選択だと思うよ。」
「……!?」
降伏勧告?まさか……そんな提案をしてくるなんて!信じられない!
「とうとう本番だ。準備はいいか、エレオノーラ?」
「……はい!」
緊張はしているけれど、昨日程じゃない。昨日、彼とのやりとりを経て、緊張が大分ほぐれたと思う。正直、昨日のことで多少モヤモヤしている部分はあるけど、今日の試合には関係のないことなので、胸の内にしまっておこう。
「本日の第一試合は、本大会で人気上昇中の師弟コンビ、ブラック・ロータスが登場します!どうぞ、ご登場下さい!」
司会の声に合わせて、私たちは闘技場に姿を見せた。途端に観客席からの声援が大きくなる。心なしか、昨日より男性からの声援が多い気がする。
「ハハハ!男性ファンが出来たようだな。君が美しいと聞いて、一目見ようと見物にやってきたのだろう。」
「ええっ!?」
思いもよらぬ事態に思わず赤面してしまう。折角、緊張が薄れたと思っていたのにこれだと逆戻りだ。対戦相手以外に、自分の姿が公の場に晒される緊張感とも戦わないといけないなんて……。
「そして、対するは、予選会でも物議を醸したこのコンビ。魔次元殺法コンビ、ドグマ&マギマ選手です!」
対戦相手が姿を現した。見た目は怪しげな魔術師の男性二人組といった感じだ。それぞれ対照的に白と黒のローブを着ている。でも顔はそっくり。双子なのかな?どんな戦い方をするのだろう?
「瞬間移動、重力制御はお手の物!時には相手に攻撃をさせる間もなく下してきたこのコンビ。未知の流派の師弟に対してどんな戦いをするのか、期待大です!」
やっぱり魔術中心の戦い方なんだ。私はともかく、先生は魔術に対しての知識が少ない。対処しにくい魔術を使われては、例え先生だったとしても足を掬われるかもしれない。
「観客席の期待も高まってきたところで、早速開始して頂きましょう!それでは……試合開始!」
開始早々、相手の魔術師は瞬時に姿を消した。最初から瞬間移動の魔法を使うなんて!
「フフフ、早速、勝ちのための布石を打たせてもらうよ!」
背後から声がしたときには、もう既に相手の魔術は完成していた。先生の体の半分が真っ黒なワームホールに飲み込まれようとしていた。
「ムウ!?」
「先生!?」
為す術もなく、先生はそのまま飲み込まれてしまった。恐れていたことが現実になってしまった。それなのに対処できなかった自分が恨めしい。
「彼は死んではいないよ。しばらくの間、ご退場願っただけさ。亜空間でおとなしくしておいてもらう。」
「魔術師の我々からしたら、手練れの戦士はやっかいな存在だからね。」
最初から先生を狙っていた?この二人は先生が魔術に疎い事を見越して仕掛けてきた。しっかり、私たちのことを分析した上で戦いに臨んでいる。
「ハッキリ言って、今の貴女はとても不利な状況だ。そこで我々からの提案がある。」
提案?試合という状況で交渉事をするなんて、一体どういうことなんだろう?
「……降参し給え。それが最善の選択だと思うよ。」
「……!?」
降伏勧告?まさか……そんな提案をしてくるなんて!信じられない!
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