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第5章 完成!究極の超次元殺法!!

第271話 ありえないんだぜ!

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「そういえば、エルちゃんの服装が狐面とお揃いになってたのは何でだ?そんなの作ってるヒマあったのか?」


 自分の見解ではサヨちゃんが魔法で何とかしたと思っている。とはいえ、経緯が気になるのだ。経緯が。エルちゃんのことで知らないことがあるのは自分としてはとても歯がゆい。


「あ、やっぱ気になるんだ?……聞きたい?」


 なんでミヤコなんだ。お前も関与してるのか?お前も共犯者なのか?……それどころか俺以外が全員グルになっている可能性も……。


「聞かないわけにはいかない!」


 俺は毅然とした態度で、腕を組み仁王立ちの姿勢で構えた。どんな内容でもくじけないようにするためだ。


「なにソレ?だっさ!聞く内容に対しての姿勢がおかしいよ!ショックへの対抗のつもりなんだろうけど、十中八九、アンタは耐えきれなくてショック死すると思うよ?」

「俺は一向に構わん!」


 例え、ショックに耐えきれずとも聞くつもりだ。死ぬとわかっていても聞かねばならぬと俺の心が言っている。


「じゃあ言うよ。まずは新コスチュームの方から。アレはウチから提案したの。いつもの地味なローブだと動きにくいだろうし、思い切って衣装チェンジしたほうがいいんじゃね、って言ったの。」


 つまり、言い出しっぺはコイツだったのか。まあ、以前にもコイツはエルちゃんの服装を地味ってけなしてたし、気にはなっていたんだろう。


「そしたらエルるんの方もさ、以外と前向きに考えてくれてさ、じゃあ思い切って変えようって話になったの。」


 エルちゃんも乗り気だったのか。俺としてはあのローブ姿も好きだったんだけどなあ。本人が言うなら仕方ない。


「ウチさあ、衣装の案を前から何個も考えててさあ、それを全部提案してみたんだけど、全部却下されちゃった。てへっ♪」


 なにがてへ、だ!口の端から舌なんて出してるし。かわいさで誤魔化すな。


「当然じゃ。彼奴の性格からして、露出が激しかったり、透けてたりするのはNGで当然じゃろう。」


 なにぃ!そんな物を着させようとしてたんか、コイツ!露出とか透けるとか、完全にお前の趣味の世界じゃないか。……でも、ちょっと見てみたい気もする。無理だろうけど。


「で、どうなったんだ?」

「エルるんの希望を聞いてみたの。そしたら、先生と似たようなのがいいって。でも、それだと難しいから色々アレンジしてみた。かっこよく、そして動きやすいものにした。あんまり可愛く出来なかったのが心残りだよ。」

「妾が此奴のイメージを読み取り、魔術で服を出力した。短期間で用意できたのはそのためじゃ。あくまで大武会出場用じゃのう。優勝でもすればその賞金を元手に正式な物を作ればそれで良い。」


 そうか。ミヤコのアレンジが入ってあんなデザインになったのか。でも、ペアルックだ。いいよなあ。


「もしかして、アンタも同じような格好したいとか思ってない?」

「ちょ、」

「思ってるぜ、コイツは。俺の前で散々恥ずかしい事ほざいてたからな。ペアルックしたいんだとよ!」


 うわあああ!言うなあああ!みんなして笑っている。これじゃ、公開処刑だ。簡単にバラしやがった、ファルちゃんめ!仮にも相方の恥ずかしい話を暴露するんじゃない!でないと試合中に後ろから刺すぞぉ!


「恥ずかしい事実が発覚したところで、話を後半戦に移したいと思います!むしろこっからが本番、覚悟しろよ、ゆーしゃ!」


 マジで?予期しないハプニングが発生して、ここまででも十分にキツかったのに?今度は何が暴露されてしまうのか?


「それはエルるんが地味なローブを着ていた理由についてです!」


 え?理由なんてあるの?ただ単に魔術師だからじゃないの?それ以上の理由なんてあったの?


「それは……ズバリ、ゆーしゃのエロ目線を避けたかったからだそーです!」


 痛恨の一撃!勇者は499のダメージを受けた。勇者は瀕死状態だ。どうする?


「だってさあ、初対面でセクハラされたり、裸見られたりしてたんだよ?本人的にはトラウマになってるそーです。ゆーしゃ、サイテー。」

「ぐはあ!それはしょうがないじゃん!不可抗力だよ!突然のハプニングだったんだから!やりたくてやったわけじゃないから!」

「なおさら詳細が聞きたくなったでヤンス!ぜひオナシャス!」

「タニシ、お前は黙ってろ。お前には絶対教えない。」

「ええーっ、しょんなー!」


 ダメ、絶対ダメ。教えないから。


「ゆーしゃとワンちゃん、揃ってサイテー!」

「全く見苦しいモンだぜ、童貞どもはよぉ。」


 何ぃ!お前は違うとでも言うのか。でも、ありえない話じゃないか。イケメンだもんな。チクショー!


「エルるんはゆーしゃのエロ目線を避けるために体型のわかりにくいローブを着てたそうですが、それでもエロ目線をずっと感じていたそうです。このエロゆーしゃ!」

「だって、見ちゃうじゃん。好きなんだし。」

「言い訳するなー!それでもアンタのは露骨すぎなの、反省しろ、ボケ!」

「ええーっ!?ありえないんだぜ!」


 勇者は止めを刺された!力尽き倒れてしまった!……返事がない。ただの屍のようだ。
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