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第5章 完成!究極の超次元殺法!!
第267話 Get in the ring!!
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「今大会一回戦第一試合、何と早くも勇者様のご登場です!」
早速出番がやってきた。いきなりとは面倒くさいが、ずっと出番が回ってこないまま、ヒマになるよりはマシか。
「そして、その相手となりますのは……コンビ名ゴースト・デンジャラスです。」
相手のコンビが姿を現した。その名の通り、不気味な雰囲気を持っている。コンビ揃って処刑人のようなローブを身に纏っている。多少、服の模様の色違い…赤か青かの違いがあるだけでパッと見では二人の見分けが付きにくい。
「コイツらうまく偽装してるが、生身の人間じゃねえ。気を付けろ。」
ファルちゃんが小声で耳打ちしてきた。俺自身も違和感は感じてる。生きている人の気配はするものの、どことなく作り物のような感じもする。何かおかしいことはカンでわかるが、確信までには至らないのがもどかしい。
「では、試合を開始します。ご準備はよろしいでしょうか?」
返事の代わりに背中に吊していた剣を取り出し構えをとる。ファルも大きく姿勢は変えないが何らかの集中をし始めたようだ。相手側はそれぞれ武器を取り出した。大型ののこぎりと大鎌をそれぞれ手にしている。独特な武器を持ったことでますます処刑人みたいになった。
「では、試合開始!」
開始と共に、相手は左右に分かれ、俺の視界から消えた。わりと俊敏な動きをするようだ。視界から消えたとはいえ、強烈な殺気を放っているので、位置は丸わかりだ。
「相手は連携するみたいだが、俺達は各個撃破で行くぞ。お前は左側の奴をやれ。」
連携する気なしかよ。とはいえプランがあるわけではない。俺はファルの方針に従うことにした。
「さあ来い。どんな攻撃でも跳ね返してやる。」
予選で見てきたヤツらに比べたら、コイツらは遙かに強い気配を感じる。だが、俺が勝つ。今まで戦ってきた敵に比べたら大したことはない。
「グオアッ!」
青い方のローブを来た男が目前に迫っている。大鎌を振り上げ、俺を両断しようとしていた。
「遠慮無しにバッサリやってやんよ!」
相手が振り下ろすよりも早く、剣を一閃させた。自分専用の剣を手にしたことで、技の使用がごく自然に行えるようになった。必要な技が直感的に使用できる。
(ザンッ!)
斬った衝撃音が響いた瞬間、男の動きが止まった。それだけじゃない。男自身の気配もなくなった。ある意味死んだとも言える。
(カラン!)
大鎌が地面に落ちた。落としたのではなくて、手の先から崩れるように消えていっている。やっぱコイツは人間じゃなかった。斬った瞬間わかった。冷たい感触がした。生命力がまるで感じられなかった。アンデッドなのは間違いない。
「おおっと、これはどういうことでしょうか!勇者様の攻撃を受けたインファーノ選手が溶けるように消えていきます!」
「コイツ、アンデッドだよ。」
「アンデッド!インファーノ選手の正体はアンデッドだった模様!これは規定違反です!死霊術および闇魔法の使用は禁止されています!」
まさか反則だったとは。禁呪は使っただけで通報されることはダンジョン攻略の時に知った。やはり魔王やデーモンが行使する魔法なだけあってかなり嫌われているようだ。エルちゃんも使用しているが、人目のない場所でしか使っていない。急に戟術を習い始めたのは闇魔法に頼らないようにするためだろう。
「規定違反のため、ゴースト・デンジャラスは即失格となります。戦いを停止して下さい!」
言っても戦いは終わらなかった。当然だ。化け物が人の言うこと聞くわけないじゃない。操ってる屍霊術師が止めない限りは。
「別にいいぜ、俺は。ちょっとしたサプライズをやるには絶好の相手だからな。」
ファルはのこぎりを持ったアンデッド相手に余裕の表情だ。魔術師にとってアンデッドは不得手のはず。なおさら決定打なんて何もないはずだが……。それにサプライズとは一体何なのか?
「アストラル・ブレイド!」
急にファルは相手と間合いを広めに取り、手元に剣を出現させた。いつもの風の剣と違って実体がある。因縁の相手である侍が持つ魔力で作った刀と同じようなものか?見た目は割と細身で柄の部分には鳥の翼のような飾りが付いていた。随分と優雅なつくりの剣だ。キザでイケメンなヤツらしいデザインだ。
「グアーゥ!」
声にもならない奇声を発して、アンデッドはファルに迫る。対するファルは見覚えのある構えを取った。剣を逆手に持って前方へなぎ払う、溜めの姿勢だ。あの技を使うつもりか?魔術師なのに……。
「勇者の一撃、シャイニング・イレイザー!」
前方へ振り払われた剣からまばゆい光が解き放たれた。間違いなくあの技だ。相手は為す術なく、光に焼き尽くされるかのように消えていった。
「おおーっ、何ということでしょう!ファル選手が勇者の奥義を使いました!魔術師として高名な方が剣技、そして勇者の一撃を使うとは驚きです!」
司会の人は目の前の事実に興奮気味になっている。もちろん観客も同様で声援がさっきまでより大分大きくなっている。これは……ファルのヤツに全部持っていかれたな。俺、勇者ですよ?みんな忘れてませんか?
「なんでお前が勇者の技を使えるんだよ!」
「使ったら悪いのかよ?お前がおっ死んだ時のためにマスターしといたんだよ。次の勇者になれるようにな。」
「その前に俺は死なないから!」
「さぁて、それはどうだろうな?」
なんか意味深な発言だな。どういう意図があるのやら……。
早速出番がやってきた。いきなりとは面倒くさいが、ずっと出番が回ってこないまま、ヒマになるよりはマシか。
「そして、その相手となりますのは……コンビ名ゴースト・デンジャラスです。」
相手のコンビが姿を現した。その名の通り、不気味な雰囲気を持っている。コンビ揃って処刑人のようなローブを身に纏っている。多少、服の模様の色違い…赤か青かの違いがあるだけでパッと見では二人の見分けが付きにくい。
「コイツらうまく偽装してるが、生身の人間じゃねえ。気を付けろ。」
ファルちゃんが小声で耳打ちしてきた。俺自身も違和感は感じてる。生きている人の気配はするものの、どことなく作り物のような感じもする。何かおかしいことはカンでわかるが、確信までには至らないのがもどかしい。
「では、試合を開始します。ご準備はよろしいでしょうか?」
返事の代わりに背中に吊していた剣を取り出し構えをとる。ファルも大きく姿勢は変えないが何らかの集中をし始めたようだ。相手側はそれぞれ武器を取り出した。大型ののこぎりと大鎌をそれぞれ手にしている。独特な武器を持ったことでますます処刑人みたいになった。
「では、試合開始!」
開始と共に、相手は左右に分かれ、俺の視界から消えた。わりと俊敏な動きをするようだ。視界から消えたとはいえ、強烈な殺気を放っているので、位置は丸わかりだ。
「相手は連携するみたいだが、俺達は各個撃破で行くぞ。お前は左側の奴をやれ。」
連携する気なしかよ。とはいえプランがあるわけではない。俺はファルの方針に従うことにした。
「さあ来い。どんな攻撃でも跳ね返してやる。」
予選で見てきたヤツらに比べたら、コイツらは遙かに強い気配を感じる。だが、俺が勝つ。今まで戦ってきた敵に比べたら大したことはない。
「グオアッ!」
青い方のローブを来た男が目前に迫っている。大鎌を振り上げ、俺を両断しようとしていた。
「遠慮無しにバッサリやってやんよ!」
相手が振り下ろすよりも早く、剣を一閃させた。自分専用の剣を手にしたことで、技の使用がごく自然に行えるようになった。必要な技が直感的に使用できる。
(ザンッ!)
斬った衝撃音が響いた瞬間、男の動きが止まった。それだけじゃない。男自身の気配もなくなった。ある意味死んだとも言える。
(カラン!)
大鎌が地面に落ちた。落としたのではなくて、手の先から崩れるように消えていっている。やっぱコイツは人間じゃなかった。斬った瞬間わかった。冷たい感触がした。生命力がまるで感じられなかった。アンデッドなのは間違いない。
「おおっと、これはどういうことでしょうか!勇者様の攻撃を受けたインファーノ選手が溶けるように消えていきます!」
「コイツ、アンデッドだよ。」
「アンデッド!インファーノ選手の正体はアンデッドだった模様!これは規定違反です!死霊術および闇魔法の使用は禁止されています!」
まさか反則だったとは。禁呪は使っただけで通報されることはダンジョン攻略の時に知った。やはり魔王やデーモンが行使する魔法なだけあってかなり嫌われているようだ。エルちゃんも使用しているが、人目のない場所でしか使っていない。急に戟術を習い始めたのは闇魔法に頼らないようにするためだろう。
「規定違反のため、ゴースト・デンジャラスは即失格となります。戦いを停止して下さい!」
言っても戦いは終わらなかった。当然だ。化け物が人の言うこと聞くわけないじゃない。操ってる屍霊術師が止めない限りは。
「別にいいぜ、俺は。ちょっとしたサプライズをやるには絶好の相手だからな。」
ファルはのこぎりを持ったアンデッド相手に余裕の表情だ。魔術師にとってアンデッドは不得手のはず。なおさら決定打なんて何もないはずだが……。それにサプライズとは一体何なのか?
「アストラル・ブレイド!」
急にファルは相手と間合いを広めに取り、手元に剣を出現させた。いつもの風の剣と違って実体がある。因縁の相手である侍が持つ魔力で作った刀と同じようなものか?見た目は割と細身で柄の部分には鳥の翼のような飾りが付いていた。随分と優雅なつくりの剣だ。キザでイケメンなヤツらしいデザインだ。
「グアーゥ!」
声にもならない奇声を発して、アンデッドはファルに迫る。対するファルは見覚えのある構えを取った。剣を逆手に持って前方へなぎ払う、溜めの姿勢だ。あの技を使うつもりか?魔術師なのに……。
「勇者の一撃、シャイニング・イレイザー!」
前方へ振り払われた剣からまばゆい光が解き放たれた。間違いなくあの技だ。相手は為す術なく、光に焼き尽くされるかのように消えていった。
「おおーっ、何ということでしょう!ファル選手が勇者の奥義を使いました!魔術師として高名な方が剣技、そして勇者の一撃を使うとは驚きです!」
司会の人は目の前の事実に興奮気味になっている。もちろん観客も同様で声援がさっきまでより大分大きくなっている。これは……ファルのヤツに全部持っていかれたな。俺、勇者ですよ?みんな忘れてませんか?
「なんでお前が勇者の技を使えるんだよ!」
「使ったら悪いのかよ?お前がおっ死んだ時のためにマスターしといたんだよ。次の勇者になれるようにな。」
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「さぁて、それはどうだろうな?」
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