267 / 401
第5章 完成!究極の超次元殺法!!
第267話 Get in the ring!!
しおりを挟む
「今大会一回戦第一試合、何と早くも勇者様のご登場です!」
早速出番がやってきた。いきなりとは面倒くさいが、ずっと出番が回ってこないまま、ヒマになるよりはマシか。
「そして、その相手となりますのは……コンビ名ゴースト・デンジャラスです。」
相手のコンビが姿を現した。その名の通り、不気味な雰囲気を持っている。コンビ揃って処刑人のようなローブを身に纏っている。多少、服の模様の色違い…赤か青かの違いがあるだけでパッと見では二人の見分けが付きにくい。
「コイツらうまく偽装してるが、生身の人間じゃねえ。気を付けろ。」
ファルちゃんが小声で耳打ちしてきた。俺自身も違和感は感じてる。生きている人の気配はするものの、どことなく作り物のような感じもする。何かおかしいことはカンでわかるが、確信までには至らないのがもどかしい。
「では、試合を開始します。ご準備はよろしいでしょうか?」
返事の代わりに背中に吊していた剣を取り出し構えをとる。ファルも大きく姿勢は変えないが何らかの集中をし始めたようだ。相手側はそれぞれ武器を取り出した。大型ののこぎりと大鎌をそれぞれ手にしている。独特な武器を持ったことでますます処刑人みたいになった。
「では、試合開始!」
開始と共に、相手は左右に分かれ、俺の視界から消えた。わりと俊敏な動きをするようだ。視界から消えたとはいえ、強烈な殺気を放っているので、位置は丸わかりだ。
「相手は連携するみたいだが、俺達は各個撃破で行くぞ。お前は左側の奴をやれ。」
連携する気なしかよ。とはいえプランがあるわけではない。俺はファルの方針に従うことにした。
「さあ来い。どんな攻撃でも跳ね返してやる。」
予選で見てきたヤツらに比べたら、コイツらは遙かに強い気配を感じる。だが、俺が勝つ。今まで戦ってきた敵に比べたら大したことはない。
「グオアッ!」
青い方のローブを来た男が目前に迫っている。大鎌を振り上げ、俺を両断しようとしていた。
「遠慮無しにバッサリやってやんよ!」
相手が振り下ろすよりも早く、剣を一閃させた。自分専用の剣を手にしたことで、技の使用がごく自然に行えるようになった。必要な技が直感的に使用できる。
(ザンッ!)
斬った衝撃音が響いた瞬間、男の動きが止まった。それだけじゃない。男自身の気配もなくなった。ある意味死んだとも言える。
(カラン!)
大鎌が地面に落ちた。落としたのではなくて、手の先から崩れるように消えていっている。やっぱコイツは人間じゃなかった。斬った瞬間わかった。冷たい感触がした。生命力がまるで感じられなかった。アンデッドなのは間違いない。
「おおっと、これはどういうことでしょうか!勇者様の攻撃を受けたインファーノ選手が溶けるように消えていきます!」
「コイツ、アンデッドだよ。」
「アンデッド!インファーノ選手の正体はアンデッドだった模様!これは規定違反です!死霊術および闇魔法の使用は禁止されています!」
まさか反則だったとは。禁呪は使っただけで通報されることはダンジョン攻略の時に知った。やはり魔王やデーモンが行使する魔法なだけあってかなり嫌われているようだ。エルちゃんも使用しているが、人目のない場所でしか使っていない。急に戟術を習い始めたのは闇魔法に頼らないようにするためだろう。
「規定違反のため、ゴースト・デンジャラスは即失格となります。戦いを停止して下さい!」
言っても戦いは終わらなかった。当然だ。化け物が人の言うこと聞くわけないじゃない。操ってる屍霊術師が止めない限りは。
「別にいいぜ、俺は。ちょっとしたサプライズをやるには絶好の相手だからな。」
ファルはのこぎりを持ったアンデッド相手に余裕の表情だ。魔術師にとってアンデッドは不得手のはず。なおさら決定打なんて何もないはずだが……。それにサプライズとは一体何なのか?
「アストラル・ブレイド!」
急にファルは相手と間合いを広めに取り、手元に剣を出現させた。いつもの風の剣と違って実体がある。因縁の相手である侍が持つ魔力で作った刀と同じようなものか?見た目は割と細身で柄の部分には鳥の翼のような飾りが付いていた。随分と優雅なつくりの剣だ。キザでイケメンなヤツらしいデザインだ。
「グアーゥ!」
声にもならない奇声を発して、アンデッドはファルに迫る。対するファルは見覚えのある構えを取った。剣を逆手に持って前方へなぎ払う、溜めの姿勢だ。あの技を使うつもりか?魔術師なのに……。
「勇者の一撃、シャイニング・イレイザー!」
前方へ振り払われた剣からまばゆい光が解き放たれた。間違いなくあの技だ。相手は為す術なく、光に焼き尽くされるかのように消えていった。
「おおーっ、何ということでしょう!ファル選手が勇者の奥義を使いました!魔術師として高名な方が剣技、そして勇者の一撃を使うとは驚きです!」
司会の人は目の前の事実に興奮気味になっている。もちろん観客も同様で声援がさっきまでより大分大きくなっている。これは……ファルのヤツに全部持っていかれたな。俺、勇者ですよ?みんな忘れてませんか?
「なんでお前が勇者の技を使えるんだよ!」
「使ったら悪いのかよ?お前がおっ死んだ時のためにマスターしといたんだよ。次の勇者になれるようにな。」
「その前に俺は死なないから!」
「さぁて、それはどうだろうな?」
なんか意味深な発言だな。どういう意図があるのやら……。
早速出番がやってきた。いきなりとは面倒くさいが、ずっと出番が回ってこないまま、ヒマになるよりはマシか。
「そして、その相手となりますのは……コンビ名ゴースト・デンジャラスです。」
相手のコンビが姿を現した。その名の通り、不気味な雰囲気を持っている。コンビ揃って処刑人のようなローブを身に纏っている。多少、服の模様の色違い…赤か青かの違いがあるだけでパッと見では二人の見分けが付きにくい。
「コイツらうまく偽装してるが、生身の人間じゃねえ。気を付けろ。」
ファルちゃんが小声で耳打ちしてきた。俺自身も違和感は感じてる。生きている人の気配はするものの、どことなく作り物のような感じもする。何かおかしいことはカンでわかるが、確信までには至らないのがもどかしい。
「では、試合を開始します。ご準備はよろしいでしょうか?」
返事の代わりに背中に吊していた剣を取り出し構えをとる。ファルも大きく姿勢は変えないが何らかの集中をし始めたようだ。相手側はそれぞれ武器を取り出した。大型ののこぎりと大鎌をそれぞれ手にしている。独特な武器を持ったことでますます処刑人みたいになった。
「では、試合開始!」
開始と共に、相手は左右に分かれ、俺の視界から消えた。わりと俊敏な動きをするようだ。視界から消えたとはいえ、強烈な殺気を放っているので、位置は丸わかりだ。
「相手は連携するみたいだが、俺達は各個撃破で行くぞ。お前は左側の奴をやれ。」
連携する気なしかよ。とはいえプランがあるわけではない。俺はファルの方針に従うことにした。
「さあ来い。どんな攻撃でも跳ね返してやる。」
予選で見てきたヤツらに比べたら、コイツらは遙かに強い気配を感じる。だが、俺が勝つ。今まで戦ってきた敵に比べたら大したことはない。
「グオアッ!」
青い方のローブを来た男が目前に迫っている。大鎌を振り上げ、俺を両断しようとしていた。
「遠慮無しにバッサリやってやんよ!」
相手が振り下ろすよりも早く、剣を一閃させた。自分専用の剣を手にしたことで、技の使用がごく自然に行えるようになった。必要な技が直感的に使用できる。
(ザンッ!)
斬った衝撃音が響いた瞬間、男の動きが止まった。それだけじゃない。男自身の気配もなくなった。ある意味死んだとも言える。
(カラン!)
大鎌が地面に落ちた。落としたのではなくて、手の先から崩れるように消えていっている。やっぱコイツは人間じゃなかった。斬った瞬間わかった。冷たい感触がした。生命力がまるで感じられなかった。アンデッドなのは間違いない。
「おおっと、これはどういうことでしょうか!勇者様の攻撃を受けたインファーノ選手が溶けるように消えていきます!」
「コイツ、アンデッドだよ。」
「アンデッド!インファーノ選手の正体はアンデッドだった模様!これは規定違反です!死霊術および闇魔法の使用は禁止されています!」
まさか反則だったとは。禁呪は使っただけで通報されることはダンジョン攻略の時に知った。やはり魔王やデーモンが行使する魔法なだけあってかなり嫌われているようだ。エルちゃんも使用しているが、人目のない場所でしか使っていない。急に戟術を習い始めたのは闇魔法に頼らないようにするためだろう。
「規定違反のため、ゴースト・デンジャラスは即失格となります。戦いを停止して下さい!」
言っても戦いは終わらなかった。当然だ。化け物が人の言うこと聞くわけないじゃない。操ってる屍霊術師が止めない限りは。
「別にいいぜ、俺は。ちょっとしたサプライズをやるには絶好の相手だからな。」
ファルはのこぎりを持ったアンデッド相手に余裕の表情だ。魔術師にとってアンデッドは不得手のはず。なおさら決定打なんて何もないはずだが……。それにサプライズとは一体何なのか?
「アストラル・ブレイド!」
急にファルは相手と間合いを広めに取り、手元に剣を出現させた。いつもの風の剣と違って実体がある。因縁の相手である侍が持つ魔力で作った刀と同じようなものか?見た目は割と細身で柄の部分には鳥の翼のような飾りが付いていた。随分と優雅なつくりの剣だ。キザでイケメンなヤツらしいデザインだ。
「グアーゥ!」
声にもならない奇声を発して、アンデッドはファルに迫る。対するファルは見覚えのある構えを取った。剣を逆手に持って前方へなぎ払う、溜めの姿勢だ。あの技を使うつもりか?魔術師なのに……。
「勇者の一撃、シャイニング・イレイザー!」
前方へ振り払われた剣からまばゆい光が解き放たれた。間違いなくあの技だ。相手は為す術なく、光に焼き尽くされるかのように消えていった。
「おおーっ、何ということでしょう!ファル選手が勇者の奥義を使いました!魔術師として高名な方が剣技、そして勇者の一撃を使うとは驚きです!」
司会の人は目の前の事実に興奮気味になっている。もちろん観客も同様で声援がさっきまでより大分大きくなっている。これは……ファルのヤツに全部持っていかれたな。俺、勇者ですよ?みんな忘れてませんか?
「なんでお前が勇者の技を使えるんだよ!」
「使ったら悪いのかよ?お前がおっ死んだ時のためにマスターしといたんだよ。次の勇者になれるようにな。」
「その前に俺は死なないから!」
「さぁて、それはどうだろうな?」
なんか意味深な発言だな。どういう意図があるのやら……。
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

望んでいないのに転生してしまいました。
ナギサ コウガ
ファンタジー
長年病院に入院していた僕が気づいたら転生していました。
折角寝たきりから健康な体を貰ったんだから新しい人生を楽しみたい。
・・と、思っていたんだけど。
そう上手くはいかないもんだね。

巻き込まれた薬師の日常
白髭
ファンタジー
商人見習いの少年に憑依した薬師の研究・開発日誌です。自分の居場所を見つけたい、認められたい。その心が原動力となり、工夫を凝らしながら商品開発をしていきます。巻き込まれた薬師は、いつの間にか周りを巻き込み、人脈と産業の輪を広げていく。現在3章継続中です。【カクヨムでも掲載しています】レイティングは念の為です。

Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~
味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。
しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。
彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。
故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。
そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。
これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。

幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる