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第5章 完成!究極の超次元殺法!!
第263話 何か忘れてはいませんか?
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「では、出場者が全員出揃ったところで、対戦組み合わせ抽選会を行いたいと思います。」
これで全員……?おかしい。彼は?彼はまだ紹介されていない。出場していないなんてあり得ない。私が無理をして出場した意味がなくなってしまう。
「こちらがトーナメント表です。くじ引きで決まり次第こちらに表示していくことになります!」
私の疑問と不安を煽るかのように、流れるように進行していく。……でもトーナメント表を見てあることに気が付いた。他の人達も気が付いたのか、少しどよめきが起こっている。参加組数とトーナメント表の空欄の数があってない。空欄が一つ多い。
「おっと、ここで重大なお知らせがあります。この表を見てお気付きになった方もいるようですね!そうです!実は後一組、本戦に参加します!」
ここで会場からは大きな歓声が上がった。予期していなかったハプニングにみんなが歓喜している。
「なんと、最後に紹介する一組にはとんでもない大物が参加しているのです!きっと、会場の皆様も驚かれると思います!……では正体を紹介する前に実際に登場して頂きましょう!さあ、どうぞご登場お願い致します!」
登場を見守るため、会場は静まりかえった。ほとんどの人が息を飲んだのが気配でわかるくらいに。通路から足音がゆっくりと近付いてくる。次第に二人の人影が見え始めた。長身ですらっとした人と、その人より頭一つ分ぐらい背が低い中肉中背の人だった。まだハッキリ見えないけれど、どこか見覚えのある姿だった。
「まずは一人目、大物ゲストのパートナーを務めるこのお方!クルセイダーズ六光の騎士、武闘派魔術師でお馴染みの、空刃のファル・A・シオンです!」
ファルさんだった。彼も参加していたとは思わなかった。歓声も物凄い。彼がかなりの有名人なのが良くわかる。そしてやっぱり……女性の歓声が大きい。彼はとても美形なので、噂が世間に知れ渡っているのだろう。
「お待たせしました!では大物ゲストにご登場して頂きましょう。……皆さんご存じ、究極の救世主、みんなのヒーロー、勇者殿です!」
彼はやってきた。私の前に。彼は逃げずにやってきた。今まで他の出場者に怯えていた自分が恥ずかしく思えてきた。そう思えたら……止めどなく目から涙があふれてきた。
「まだ就任したての期待のルーキー、勇者ロア殿です!就任したてとはいえ、もう既に魔王を討伐するなど武勇伝が数多くある模様!そして、コンビ名はザ・タービュレンス!その意味通り今大会に乱気流を巻き起こしてくれること間違い無しです!」
会場の声援はこれまで以上の大音声になった。みんな、興奮と期待を隠しきれない様子だった。その声援に答えるように彼は両手を振って会場全体を見渡している。一通り見渡した後で、私に気付いたのか、こちらを見つめている。
「勇者……様?」
彼は突然、こちらに向かって拳を突き出し、親指をくいっと上に上げて見せた。その顔は別れる前とは別人に思えるくらいに得意げな顔をしていた。
「もう……かっこつけちゃって……。」
更に涙があふれて彼の姿が見えなくなる。彼の姿を見逃すまいと私は必死に涙を拭った。
「フッ、お調子者な所は相変わらずだな。」
先生もまんざらではなさそうだった。嬉しいんだ、きっと。
これで全員……?おかしい。彼は?彼はまだ紹介されていない。出場していないなんてあり得ない。私が無理をして出場した意味がなくなってしまう。
「こちらがトーナメント表です。くじ引きで決まり次第こちらに表示していくことになります!」
私の疑問と不安を煽るかのように、流れるように進行していく。……でもトーナメント表を見てあることに気が付いた。他の人達も気が付いたのか、少しどよめきが起こっている。参加組数とトーナメント表の空欄の数があってない。空欄が一つ多い。
「おっと、ここで重大なお知らせがあります。この表を見てお気付きになった方もいるようですね!そうです!実は後一組、本戦に参加します!」
ここで会場からは大きな歓声が上がった。予期していなかったハプニングにみんなが歓喜している。
「なんと、最後に紹介する一組にはとんでもない大物が参加しているのです!きっと、会場の皆様も驚かれると思います!……では正体を紹介する前に実際に登場して頂きましょう!さあ、どうぞご登場お願い致します!」
登場を見守るため、会場は静まりかえった。ほとんどの人が息を飲んだのが気配でわかるくらいに。通路から足音がゆっくりと近付いてくる。次第に二人の人影が見え始めた。長身ですらっとした人と、その人より頭一つ分ぐらい背が低い中肉中背の人だった。まだハッキリ見えないけれど、どこか見覚えのある姿だった。
「まずは一人目、大物ゲストのパートナーを務めるこのお方!クルセイダーズ六光の騎士、武闘派魔術師でお馴染みの、空刃のファル・A・シオンです!」
ファルさんだった。彼も参加していたとは思わなかった。歓声も物凄い。彼がかなりの有名人なのが良くわかる。そしてやっぱり……女性の歓声が大きい。彼はとても美形なので、噂が世間に知れ渡っているのだろう。
「お待たせしました!では大物ゲストにご登場して頂きましょう。……皆さんご存じ、究極の救世主、みんなのヒーロー、勇者殿です!」
彼はやってきた。私の前に。彼は逃げずにやってきた。今まで他の出場者に怯えていた自分が恥ずかしく思えてきた。そう思えたら……止めどなく目から涙があふれてきた。
「まだ就任したての期待のルーキー、勇者ロア殿です!就任したてとはいえ、もう既に魔王を討伐するなど武勇伝が数多くある模様!そして、コンビ名はザ・タービュレンス!その意味通り今大会に乱気流を巻き起こしてくれること間違い無しです!」
会場の声援はこれまで以上の大音声になった。みんな、興奮と期待を隠しきれない様子だった。その声援に答えるように彼は両手を振って会場全体を見渡している。一通り見渡した後で、私に気付いたのか、こちらを見つめている。
「勇者……様?」
彼は突然、こちらに向かって拳を突き出し、親指をくいっと上に上げて見せた。その顔は別れる前とは別人に思えるくらいに得意げな顔をしていた。
「もう……かっこつけちゃって……。」
更に涙があふれて彼の姿が見えなくなる。彼の姿を見逃すまいと私は必死に涙を拭った。
「フッ、お調子者な所は相変わらずだな。」
先生もまんざらではなさそうだった。嬉しいんだ、きっと。
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