【第1部完結】勇者参上!!~東方一の武芸の名門から破門された俺は西方で勇者になって究極奥義無双する!~

Bonzaebon

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第5章 完成!究極の超次元殺法!!

第259話 宗家と総長

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「うわあ、マジでやりやがった、コイツ。」


 一人で予選通過宣言をしたファルちゃん。途中で一度も苦戦することなく、本戦進出を決定的な物にした。有言実行を果たした。


「フン。案外あっけないな。コイツらホントにやる気あるのか?」


 あっけないというか一瞬で終わる試合も多かった。開幕速攻で武器を破壊したり、服とか鎧を壊して恥をかかせるなんてことがあった。実力を行使する前にファルがガンを飛ばして、相手がビビってリタイアしたこともある。


「お前、ちょっと飛ばしすぎなんじゃないか?」


 苦戦はしなかったが、一瞬で魔力を爆発させるような事をほぼ毎回やっていたんだ。さすがに消耗しているはず。


「うるせえ。俺は何が何でも本戦に行く必要があるんだ。絶対にな!」


 切っ掛けが切っ掛けだ。侍と戦えなければ、参加した意味がなくなってしまう。リベンジをするためにファルは俺と無理矢理組んだのだ。俺とは大分意気込みが違う。ファルはこの前のダンジョンで侍から屈辱的な扱いをされた。死に物狂いなのはおそらくそのせい。


「今日はしっかり休んどけよ。こっからが本番だからな。俺も戦うことになるだろうけど、本戦は強敵ばっかりだ。」

「当たり前だろ。言われんでもわかる。」


 コイツはあくまで侍にしか眼中がない。他にも強敵がいることを自覚しておいてもらいたい。コイツと同じ六光の騎士はわかっているだろうけど、それ以上の強豪がいることを……、


「言っとくけどな、侍なんか目じゃないくらい強いヤツが今回出場してるんだ。」

「……あ?」


 さっきまで俺の言うことに興味なさそうだったが、ちょっと、目付きが鋭くなった。


「そいつの名はジン・パイロン。俺を破門にした張本人だ。半端なく強いぞ。」

「ケッ!どうせジジイなんだろ?高がしれてるぜ。」


 やっぱわかってないわ、コイツ。ジジイと侮ってる。決してそんなレベルの強さじゃないのに。どうにかして、アイツの恐ろしさを伝えとかないといけない。


「あのエドが手も足も出なかったって、言ったらどうする?」

「なんだと……?」


 ファルは身構えた。身近にいる強豪が簡単にあしらわれたなんて知ったら、さすがに黙ってはいられないだろう。俺ですら戦慄した事実だったから。


「それどころか、槍覇……狐面のオッサンがいるだろ?アイツも相当強いけど、その上を行く強さだ。ジン・パイロンは強者ぞろいの五覇の中でも最強なんだ。」

「お前ん所の流派なんざ、知ったこっちゃねえが、まあ大体強いってことは理解した。要は俺らクルセイダーズで言ったら、総長みたいなもんか。」

「総長って何者?」

「俺らのボスだ。機会があればあのオッサンの武勇伝を聞かせてやる。聞いたらテメエは絶対、腰を抜かすぜ?」


 互いの勢力のトップに化け物がいるというのがよくわかった。どこにでも常人離れしたヤツはいるもんなんだな。


「まあいい。とりあえずパイロンとかいう男を倒せばいいんだな?」

「本戦の組み合わせ次第だけどな。勝ち抜いていけば確実に戦うことになる。」


 今大会の優勝候補なのは間違いない。出来れば決勝で当たりたいが……。
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