258 / 401
第5章 完成!究極の超次元殺法!!
第258話 身の程を知ることだ。
しおりを挟む
「何と他愛のない。武術の幅が狭いことよ。全く、嘆かわしいことだ。」
目の前に恐ろしい光景が広がっている。大会出場者は白髪の男以外誰も立っていなかった。全員のびている。一人残らず。これだけの状態になっているのに、同じ場所にいるうんえーの人は普通に立ってる。巻き込まれなかったのが不思議だ。それ以外ではウチらのようなごくわずかの見物人だけだ。
「これでよろしいかな?この惨状を見れば、他の者は出場資格などないも同然だろう。よって私の本戦出場は確定したということだ。」
「は、はい。本戦の出場を許可致します。」
有無を言わさずという感じだ。こんな強引なやり方は見たことない。簡単に言ったらゴリ押しだ。こんなのもう競技でもなんでもない。処刑ショーだ。
「では、私は帰らせてもらう。浮いた時間は酒でも楽しむことに当てる。この国は武術の幅は狭いが、酒がうまいことだけは褒めてやろう。」
ジンなんとかっていうジジイは会場を出ようと倒れている人たちを器用に避けながら、比較的入り口に近いとこにいるウチらのいる方向に歩いてきた。
「ム?貴様ら、あの腑抜け者の連れか?」
ウチらの存在に気付いたジジイは立ち止まった。なんだ?ウチらともヤルつもりか?かかって来いやぁ!
「ほう、偵察のつもりか?つまらぬ真似をしよる。あの腰抜けにでも頼まれたか?」
「ちがう!ウチらは自主的に見に来ただけ。アンタがギックリ腰にでもなって無様な醜態さらすとこを見に来てやったの!」
「すまんな。当てが外れたようだ。ご期待に添えることは出来なかったようだ。この国の連中ごときでは私に傷一つ付ける事も叶わぬ。圧倒的な力の差を目の当たりに出来たであろう?」
「こ、このぉ~!」
その時、ウチの中の何かがブチッとキレた。思わず悔しくなって、目の前のジジイの足を思いっきり踏んづけてやろうと思った……、
「えっ……!?」
踏もうとしたウチは何故か天井を見ていた。それから、体が宙を舞っている。なにこれ……?直後に背中に激痛が走った。ウチは転ばされたんだ!
「……痛ったぁ!?」
「私は武の心得無き者には手を出さぬ主義だが、手を出された場合は話が変わる。私は武に生きる者故、無意識の内に反応してしまうのだ。」
「女の子に手を上げるなんてどういうつもり!」
ウチはジジイを思いっきり睨んだ。絶対に許さないってことを示すために!
「戦場においては男も女も関係などない。」
「ここは戦場なんかじゃない!」
「違うと申すか?戦場という物は暴力が発生した時点で成立する。仕掛けたのは貴様の方だ。暴力を仕掛けた責任は貴様にある。それがわからぬようでは命がいくつあっても足りぬぞ。身の程を知れい!」
「くっ……!?」
「娘よ、一つ忠告しておこう。ここが真の戦場であれば、貴様の命はない。それどころか身も心も陵辱され尊厳を踏みにじられるだろう。そうなりたくなければ、武を学び、身に付けることだ。」
「うるさい!言われなくてもそれくらいわかる!」
「フン!跳ねっ返りの強いことよ。……だが、私に刃向かった意気込みだけは褒めてやろう。強くなりたければ、我が梁山泊の門戸を叩くが良い。門下生にしてやらんでもない。」
「誰がアンタなんかに!」
「フハハハハ!!」
ジジイはバカみたいに笑いながら去って行った。ホント、ムカツク!バーカ、バーカ!
「お、おそろしっこ……。」
あまりに頭に血が上っていたので、忘れてたけど、ワンちゃんも一緒にいたんだった……。
「ん?何この匂い!くっさぁ!」
「ワハ、ワハハ……あまりの恐ろしさにちびってしまったでヤンス……。」
漏らしたようだ。くさい。そして、恥ずかしい。漏らすような友達なんてイヤだ。
「ワンちゃんサイテー。汚い。もう知らない!」
「あっあっ!?待って、ミャーコちゃん!置いてかないでぇ!」
ウチは足早にその場を去った。宿に帰るまでワンちゃんとは他人のフリしとこう。こっちもハズい。
目の前に恐ろしい光景が広がっている。大会出場者は白髪の男以外誰も立っていなかった。全員のびている。一人残らず。これだけの状態になっているのに、同じ場所にいるうんえーの人は普通に立ってる。巻き込まれなかったのが不思議だ。それ以外ではウチらのようなごくわずかの見物人だけだ。
「これでよろしいかな?この惨状を見れば、他の者は出場資格などないも同然だろう。よって私の本戦出場は確定したということだ。」
「は、はい。本戦の出場を許可致します。」
有無を言わさずという感じだ。こんな強引なやり方は見たことない。簡単に言ったらゴリ押しだ。こんなのもう競技でもなんでもない。処刑ショーだ。
「では、私は帰らせてもらう。浮いた時間は酒でも楽しむことに当てる。この国は武術の幅は狭いが、酒がうまいことだけは褒めてやろう。」
ジンなんとかっていうジジイは会場を出ようと倒れている人たちを器用に避けながら、比較的入り口に近いとこにいるウチらのいる方向に歩いてきた。
「ム?貴様ら、あの腑抜け者の連れか?」
ウチらの存在に気付いたジジイは立ち止まった。なんだ?ウチらともヤルつもりか?かかって来いやぁ!
「ほう、偵察のつもりか?つまらぬ真似をしよる。あの腰抜けにでも頼まれたか?」
「ちがう!ウチらは自主的に見に来ただけ。アンタがギックリ腰にでもなって無様な醜態さらすとこを見に来てやったの!」
「すまんな。当てが外れたようだ。ご期待に添えることは出来なかったようだ。この国の連中ごときでは私に傷一つ付ける事も叶わぬ。圧倒的な力の差を目の当たりに出来たであろう?」
「こ、このぉ~!」
その時、ウチの中の何かがブチッとキレた。思わず悔しくなって、目の前のジジイの足を思いっきり踏んづけてやろうと思った……、
「えっ……!?」
踏もうとしたウチは何故か天井を見ていた。それから、体が宙を舞っている。なにこれ……?直後に背中に激痛が走った。ウチは転ばされたんだ!
「……痛ったぁ!?」
「私は武の心得無き者には手を出さぬ主義だが、手を出された場合は話が変わる。私は武に生きる者故、無意識の内に反応してしまうのだ。」
「女の子に手を上げるなんてどういうつもり!」
ウチはジジイを思いっきり睨んだ。絶対に許さないってことを示すために!
「戦場においては男も女も関係などない。」
「ここは戦場なんかじゃない!」
「違うと申すか?戦場という物は暴力が発生した時点で成立する。仕掛けたのは貴様の方だ。暴力を仕掛けた責任は貴様にある。それがわからぬようでは命がいくつあっても足りぬぞ。身の程を知れい!」
「くっ……!?」
「娘よ、一つ忠告しておこう。ここが真の戦場であれば、貴様の命はない。それどころか身も心も陵辱され尊厳を踏みにじられるだろう。そうなりたくなければ、武を学び、身に付けることだ。」
「うるさい!言われなくてもそれくらいわかる!」
「フン!跳ねっ返りの強いことよ。……だが、私に刃向かった意気込みだけは褒めてやろう。強くなりたければ、我が梁山泊の門戸を叩くが良い。門下生にしてやらんでもない。」
「誰がアンタなんかに!」
「フハハハハ!!」
ジジイはバカみたいに笑いながら去って行った。ホント、ムカツク!バーカ、バーカ!
「お、おそろしっこ……。」
あまりに頭に血が上っていたので、忘れてたけど、ワンちゃんも一緒にいたんだった……。
「ん?何この匂い!くっさぁ!」
「ワハ、ワハハ……あまりの恐ろしさにちびってしまったでヤンス……。」
漏らしたようだ。くさい。そして、恥ずかしい。漏らすような友達なんてイヤだ。
「ワンちゃんサイテー。汚い。もう知らない!」
「あっあっ!?待って、ミャーコちゃん!置いてかないでぇ!」
ウチは足早にその場を去った。宿に帰るまでワンちゃんとは他人のフリしとこう。こっちもハズい。
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

巻き込まれた薬師の日常
白髭
ファンタジー
商人見習いの少年に憑依した薬師の研究・開発日誌です。自分の居場所を見つけたい、認められたい。その心が原動力となり、工夫を凝らしながら商品開発をしていきます。巻き込まれた薬師は、いつの間にか周りを巻き込み、人脈と産業の輪を広げていく。現在3章継続中です。【カクヨムでも掲載しています】レイティングは念の為です。

Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~
味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。
しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。
彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。
故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。
そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。
これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。

異世界転生漫遊記
しょう
ファンタジー
ブラック企業で働いていた主人公は
体を壊し亡くなってしまった。
それを哀れんだ神の手によって
主人公は異世界に転生することに
前世の失敗を繰り返さないように
今度は自由に楽しく生きていこうと
決める
主人公が転生した世界は
魔物が闊歩する世界!
それを知った主人公は幼い頃から
努力し続け、剣と魔法を習得する!
初めての作品です!
よろしくお願いします!
感想よろしくお願いします!

異世界無宿
ゆきねる
ファンタジー
運転席から見た景色は、異世界だった。
アクション映画への憧れを捨て切れない男、和泉 俊介。
映画の影響で筋トレしてみたり、休日にエアガンを弄りつつ映画を観るのが楽しみな男。
訳あって車を購入する事になった時、偶然通りかかったお店にて運命の出会いをする。
一目惚れで購入した車の納車日。
エンジンをかけて前方に目をやった時、そこは知らない景色(異世界)が広がっていた…
神様の道楽で異世界転移をさせられた男は、愛車の持つ特別な能力を頼りに異世界を駆け抜ける。
アクション有り!
ロマンス控えめ!
ご都合主義展開あり!
ノリと勢いで物語を書いてますので、B級映画を観るような感覚で楽しんでいただければ幸いです。
不定期投稿になります。
投稿する際の時間は11:30(24h表記)となります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる