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第5章 完成!究極の超次元殺法!!
第257話 やっぱ反則っすよねえ?
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「勇者が出場だなんてズルいだろ!強いに決まってるのに出場を許してもいいのか?」
あー、やっぱりね。やっぱそう思うよね?恐れていたことが実際に起こってしまった。
「でも、勇者様が出場していけないという規定はありませんので……。」
大会運営の人が慌てて、俺達の対戦相手に説明を続ける。説明を受けている相手側はそれでも納得できない様子だ。無理もない。当事者の俺でもそう思うから。
「だいたい、天下の勇者様が賞レースに出るなんて事があっていいのか?金儲けが目的なんじゃねえのか?」
「そうだ、そうだ!勇者はおとなしく平和を守ってろよ!」
対戦相手だけだと思っていたら、同じ予選ブロックの出場者達までもが意見に賛同し始めた。こりゃヤバイ。戦う前に失格になりそうな予感がする。
「不戦敗にしろよ、運営!勇者だからいるだけで反則なんだからよ!」
勇者だから、反則。やっぱ、そうっすよね~。色々反則的な力が使えるもんね?特に運なんて振り切れて、おかしい現象が発生するもんね?福引きとかでさえ、あり得ない色とか出たりしたからねえ。
「おい、テメエら、いい加減にしろよ。勇者、勇者ってうるせえぞ!俺の事は忘れたとは言わせねえ!」
さっきからイライラする素振りは横目で見ただけでもわかっていたが、とうとう我慢が限界を突破したようだ。さあ、どう出る?俺のことかばってくれんのかな?
「こいつが勇者だから失格になるのはわかる。だけどよ、相方の俺までそうなるってんなら、黙っちゃいねえよ?」
わかる?わかるってなんだよ!俺のことフォローしてくれるんじゃないのかよ!お前だけで戦うとか言わないよね?
「ですから、別に失格とはなりませんので……。」
「お?やんのか、あんちゃん?勇者が失格になったら、アンタ一人になるけど、勝てると思ってんの?」
「ハハッ!こんな細っちいエルフの魔術師一人で何が出来るんだよ?色男はおとなしく女でも口説いてろよ!」
一瞬、耳がキーンってなった。空気の圧が変わったみたいな?洞窟とか地下道みたいな空気の流れが少ないとこみたいな感じ?となりを見ると、ファルが指先を罵倒してきた対戦相手に向けている。
「なっ……!?」
相手の顔を見ると頬に一筋の切り傷がいつの間にか出来ていた。何をしたのか?
「おっと、悪い悪い。ちょっとうっとしいヒゲを風魔法で剃ってやろうと思ったんだが、狙いが逸れちまった。」
どうやら風魔法を使ったようだ。しかもかなり威力を絞って、最小限の怪我をさせることに留めている。しかも一瞬の出来事だ。かなりの集中力と精度がないと出来ない芸当だ。魔法をあまり知らない俺でも凄いってのはよくわかった。
「ふざけたマネしやがって!一人で勝てると思ってんのか!」
「ああやってやるよ。俺が一人でやる。」
対戦相手を怒らせてしまったようだ。完全にやる気マンマンで、止めようとしている運営の人を押しのけてファルの前に立った。
「大した自信だな!リタイヤしたいなら今のうちだぜ?勇者と一緒に仲良く帰んな!」
「俺が一人でやるって言ってんだよ!」
売り言葉に買い言葉。ファルちゃんも完全にやる気だ。
「あんちゃん、どうやらぶちのめされたいみたいだな!俺達二人でフルボッコにしてやんよ!これで、勇者ともども失格だあ!」
「ちょ!お前大丈夫か?」
さすがに心配になり、ファルに声をかける。コイツは魔術師だし、相手はどっちもガチムチの戦士タイプだ。ファルはそうとう強いとはいえ、相手も大会に出ている以上はそれなりに強いはず。
「別に俺一人で予選を通過してしまっても構わんのだろう?」
その言葉がさらに対戦相手の怒りを煽る結果になった。猛然と襲いかかってきた。さあ……どうなる?俺は人ごとの様にその光景を眺めていた。
あー、やっぱりね。やっぱそう思うよね?恐れていたことが実際に起こってしまった。
「でも、勇者様が出場していけないという規定はありませんので……。」
大会運営の人が慌てて、俺達の対戦相手に説明を続ける。説明を受けている相手側はそれでも納得できない様子だ。無理もない。当事者の俺でもそう思うから。
「だいたい、天下の勇者様が賞レースに出るなんて事があっていいのか?金儲けが目的なんじゃねえのか?」
「そうだ、そうだ!勇者はおとなしく平和を守ってろよ!」
対戦相手だけだと思っていたら、同じ予選ブロックの出場者達までもが意見に賛同し始めた。こりゃヤバイ。戦う前に失格になりそうな予感がする。
「不戦敗にしろよ、運営!勇者だからいるだけで反則なんだからよ!」
勇者だから、反則。やっぱ、そうっすよね~。色々反則的な力が使えるもんね?特に運なんて振り切れて、おかしい現象が発生するもんね?福引きとかでさえ、あり得ない色とか出たりしたからねえ。
「おい、テメエら、いい加減にしろよ。勇者、勇者ってうるせえぞ!俺の事は忘れたとは言わせねえ!」
さっきからイライラする素振りは横目で見ただけでもわかっていたが、とうとう我慢が限界を突破したようだ。さあ、どう出る?俺のことかばってくれんのかな?
「こいつが勇者だから失格になるのはわかる。だけどよ、相方の俺までそうなるってんなら、黙っちゃいねえよ?」
わかる?わかるってなんだよ!俺のことフォローしてくれるんじゃないのかよ!お前だけで戦うとか言わないよね?
「ですから、別に失格とはなりませんので……。」
「お?やんのか、あんちゃん?勇者が失格になったら、アンタ一人になるけど、勝てると思ってんの?」
「ハハッ!こんな細っちいエルフの魔術師一人で何が出来るんだよ?色男はおとなしく女でも口説いてろよ!」
一瞬、耳がキーンってなった。空気の圧が変わったみたいな?洞窟とか地下道みたいな空気の流れが少ないとこみたいな感じ?となりを見ると、ファルが指先を罵倒してきた対戦相手に向けている。
「なっ……!?」
相手の顔を見ると頬に一筋の切り傷がいつの間にか出来ていた。何をしたのか?
「おっと、悪い悪い。ちょっとうっとしいヒゲを風魔法で剃ってやろうと思ったんだが、狙いが逸れちまった。」
どうやら風魔法を使ったようだ。しかもかなり威力を絞って、最小限の怪我をさせることに留めている。しかも一瞬の出来事だ。かなりの集中力と精度がないと出来ない芸当だ。魔法をあまり知らない俺でも凄いってのはよくわかった。
「ふざけたマネしやがって!一人で勝てると思ってんのか!」
「ああやってやるよ。俺が一人でやる。」
対戦相手を怒らせてしまったようだ。完全にやる気マンマンで、止めようとしている運営の人を押しのけてファルの前に立った。
「大した自信だな!リタイヤしたいなら今のうちだぜ?勇者と一緒に仲良く帰んな!」
「俺が一人でやるって言ってんだよ!」
売り言葉に買い言葉。ファルちゃんも完全にやる気だ。
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「別に俺一人で予選を通過してしまっても構わんのだろう?」
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