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第4章 勇者の剣と剣の巫女
第207話 悪魔的なカリスマ性
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「何かあったのかな?」
町中がざわめいてる。エシャロットさんが神殿に入ったから?そんなはずない。彼女が捕まったりするわけないし、人々の様子を見るとそれどころの騒ぎではない気がする。
「あら?まだ、この町にいたのね?てっきり夜が明けたら、この町を去るのかと思っていたわ。」
「エシャロットさん!」
エシャロットさんが戻ってきた。昨晩、神殿で別れた後、彼女の事が心配で仕方なかった。悪いことをしたわけじゃないけど、不法侵入をしてしまったわけだし、自分だってその手助けをしてしまった。彼女の身を案じるのと同じくらい、自分たちの罪の意識を考えてしまって、昨日は禄に眠れなかった。
「神殿で何かあったみたいね?」
「ええ……。」
「心配?だったら大丈夫よ。私は神殿から早々に立ち去ったもの。事が起きたのはその後みたいよ?」
彼女が神殿で具体的に何をしていたのかはわからないけど、問題を起こした様には思えない。だって、こんなに堂々としているし、彼女の正義を信じたい。
「もしかしたら、私が侵入した事に便乗して犯罪を犯したのかもしれないわ。うまくいけば、私を犯人の濡れ衣を着せることも可能だしね?」
「多分、そうですよね!」
なんて不届きな悪党なんだろう。エシャロットさんを利用するなんて、許せない。多分、その犯人の正体もエシャロットさんなら必ず暴いてくれるはず。彼女に暴けないものなんて存在しないんだ!
「そういうこともあって疑われるのも癪だし、私は早いとこ立ち去ることにするわ。」
「そうですよね。はやいとこ逃げちゃって下さい。」
証拠は何も残してはいないだろうけど、観光以外で旅に来ているので怪しまれる可能性はある。逃げるに越したことはないはず。
「アナタも早く町を出た方がいいんじゃない?アナタはこの町に知り合いも多いでしょうに。……さすがに疑われることはないでしょうけど。」
「大丈夫ですよ!ウチがここに住んでいたときとは見た目が違いますから。ウチがこんな格好してるとは誰も思ってませんから。それに……事件の犯人を暴いてみたいんです。」
「あら、でも無理は禁物よ?犯人捜しなんてクルセイダーズにでも任せておけばいいのよ。」
「でも、やってみます!この前、エシャロットさんも言ってたじゃないですか。進歩するには挑戦が必要だ、って。」
「そう。強くなったわね、アナタは。決心したのなら止めはしないわ。全力でがんばりなさい。」
「ハイ!!」
エシャロットさんは微笑んでウチを応援してくれた。でも……何だろう?その瞳を見ると奥から何かゾクッとするものを感じた。悪い意味で。これがカリスマ性っていうヤツかな?時には悪魔的な魅力も必要なんだろう。多分。
町中がざわめいてる。エシャロットさんが神殿に入ったから?そんなはずない。彼女が捕まったりするわけないし、人々の様子を見るとそれどころの騒ぎではない気がする。
「あら?まだ、この町にいたのね?てっきり夜が明けたら、この町を去るのかと思っていたわ。」
「エシャロットさん!」
エシャロットさんが戻ってきた。昨晩、神殿で別れた後、彼女の事が心配で仕方なかった。悪いことをしたわけじゃないけど、不法侵入をしてしまったわけだし、自分だってその手助けをしてしまった。彼女の身を案じるのと同じくらい、自分たちの罪の意識を考えてしまって、昨日は禄に眠れなかった。
「神殿で何かあったみたいね?」
「ええ……。」
「心配?だったら大丈夫よ。私は神殿から早々に立ち去ったもの。事が起きたのはその後みたいよ?」
彼女が神殿で具体的に何をしていたのかはわからないけど、問題を起こした様には思えない。だって、こんなに堂々としているし、彼女の正義を信じたい。
「もしかしたら、私が侵入した事に便乗して犯罪を犯したのかもしれないわ。うまくいけば、私を犯人の濡れ衣を着せることも可能だしね?」
「多分、そうですよね!」
なんて不届きな悪党なんだろう。エシャロットさんを利用するなんて、許せない。多分、その犯人の正体もエシャロットさんなら必ず暴いてくれるはず。彼女に暴けないものなんて存在しないんだ!
「そういうこともあって疑われるのも癪だし、私は早いとこ立ち去ることにするわ。」
「そうですよね。はやいとこ逃げちゃって下さい。」
証拠は何も残してはいないだろうけど、観光以外で旅に来ているので怪しまれる可能性はある。逃げるに越したことはないはず。
「アナタも早く町を出た方がいいんじゃない?アナタはこの町に知り合いも多いでしょうに。……さすがに疑われることはないでしょうけど。」
「大丈夫ですよ!ウチがここに住んでいたときとは見た目が違いますから。ウチがこんな格好してるとは誰も思ってませんから。それに……事件の犯人を暴いてみたいんです。」
「あら、でも無理は禁物よ?犯人捜しなんてクルセイダーズにでも任せておけばいいのよ。」
「でも、やってみます!この前、エシャロットさんも言ってたじゃないですか。進歩するには挑戦が必要だ、って。」
「そう。強くなったわね、アナタは。決心したのなら止めはしないわ。全力でがんばりなさい。」
「ハイ!!」
エシャロットさんは微笑んでウチを応援してくれた。でも……何だろう?その瞳を見ると奥から何かゾクッとするものを感じた。悪い意味で。これがカリスマ性っていうヤツかな?時には悪魔的な魅力も必要なんだろう。多分。
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