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第4章 勇者の剣と剣の巫女
第201話 迸るチート能力?
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「近くにいるのか?……おい、タニシ!近くにそれっぽい女の子はいなかったか?」
「それっぽい、とか言われても?どれっぽいのかわからないのに、わかるわけないでヤンス。」
「ああー、そうだよなあ……。」
「阿呆か、そなたは。」
そうだよなあ。近くにいたとしても、顔がわからないんじゃなあ。そこはさっき話していたように、ディーゲさんの記憶を探らせてもらうしかないな。
「じゃあ、ディーゲさんの所に行こう!巫女がどっかに行ってしまわない内に!」
「今からか?もうやめて明日にしておけ。顔がわかったとて、今からでは探すのは困難になるぞ。もうじき、日が暮れる。明日にするのじゃ。それに子猫の親を探さねばならぬじゃろう?」
「ああ~、ちくしょう。近くにいるっていうのに、くやしいなあ。」
渋々、受け入れるしかなかった。町中とはいえ、暗い夜に人捜しをするわけにもいかない。巫女にしたって、これから町を離れるとは思えない。可能性がないとは言い切れないけど、常識的に考えたら、そうなる。そうだということにしておこう。
「では、行くぞ。宿に。今日は巫女のことは忘れて、今日はしっかり休むのじゃ。」
俺達は宿がある方向へ向かった。遊び人が宿の予約を代行したようだが本当に大丈夫だろうか?
宿の付近にやってきたが、タニシと俺達は別行動を取ることにした。タニシは遊び人と待ち合わせしているし、俺達はジェイを探す必要があったからだ。
「あの~、この辺で猫っぽい人を見かけませんでしたか?この子の親を探してるんです。」
「んー?そういえば、向こうで猫人を見かけたような気がします。」
「ホント?ありがとう、助かります。」
「それより、お客さん?勇者様ですよね?今夜はウチで宿泊しませんか?特別にお安くさせて頂きますよ!」
「いやー、一応、あてはあるんで遠慮しときます。じゃ!」
ふー、危ない、危ない!客引きに捕まるところだった。やっぱ、場所が場所だけにちゃっかりしてるなあ。油断も隙もありゃしない。
「にゃ、ニャアー!?お得だニャー!?」
「そうでしょう、そうでしょう?特等に当たらなくても、二等、三等でもお得になる福引きサービスなのでございます。」
「い、いたー!!」
言ってる側から発見してしまった。あの見覚えのある風貌は間違いない。間違えるはずがない。ジェイだ!猫の人だ!
「あっ、パパ!」
エルちゃんに手を引かれて歩いていた子猫がジェイに気付いて走り寄る。
「アール!?良かったニャ!どこに行ってたのニャ?」
「ゆうしゃのおぢちゃんたちといっしょにいたの!」
「おじちゃん!!」
ガーン!タニシと同じくオジサン扱いされてしまった!オジサン呼ばわりされない自信はあったのに!
「よかったではないか。そなたも大人の仲間入りじゃ。」
サヨちゃんがニヤニヤしながら言う。
「それ、なんかちがう……。」
そういう意味じゃないだろ。子供にはお兄さんではなく、オッサンに見えるということだ。くやしい!
「本当にゃ。こんなところで再会するとは思わなかったニャ。迷子になったアールを見つけてくれるにゃんて、キミは本物のヒーローにゃ!」
「え?あ、うん。まあ偶然に偶然が重なっただけというか……、まあ、いいや、見つかったんだし。」
なんかヘンな勘違いされているような。別に勇者は迷子を見つけるチート能力なんて持ってませんよ?
「おお!勇者様にお会いできるとは!どうですか本宿に宿泊しませんか?福引きの結果次第でもっとお得になりますよ!」
福引き?やってみようかな?遊び人の探した宿はいまいち信用できなさそうだし、いっちょ、やってみるか?
「じゃあ、やります!」
「それではこちらのハンドルを回して下さい!」
福引きの……なんて言うんだっけ?回るヤツのハンドルを回してみた!特等、出ろ!出てくれ!
(カラン、コロン!)
玉が出てきた。色は……なにこれ?何色?後ろに貼ってある賞の一覧にも載っていない。玉が虹の様に光り輝いてやがる!
「これ何等なの?」
「……!?ちょ、ちょっと、お待ちください!」
宿の人は建物の中に慌てて入っていった。想定外の物が出てしまったんだろうか?なんか、この展開、前にもあったような……。とりあえず、こういうときは……、
「あれぇ!?また、俺、なんかやっちゃいました?」
「それっぽい、とか言われても?どれっぽいのかわからないのに、わかるわけないでヤンス。」
「ああー、そうだよなあ……。」
「阿呆か、そなたは。」
そうだよなあ。近くにいたとしても、顔がわからないんじゃなあ。そこはさっき話していたように、ディーゲさんの記憶を探らせてもらうしかないな。
「じゃあ、ディーゲさんの所に行こう!巫女がどっかに行ってしまわない内に!」
「今からか?もうやめて明日にしておけ。顔がわかったとて、今からでは探すのは困難になるぞ。もうじき、日が暮れる。明日にするのじゃ。それに子猫の親を探さねばならぬじゃろう?」
「ああ~、ちくしょう。近くにいるっていうのに、くやしいなあ。」
渋々、受け入れるしかなかった。町中とはいえ、暗い夜に人捜しをするわけにもいかない。巫女にしたって、これから町を離れるとは思えない。可能性がないとは言い切れないけど、常識的に考えたら、そうなる。そうだということにしておこう。
「では、行くぞ。宿に。今日は巫女のことは忘れて、今日はしっかり休むのじゃ。」
俺達は宿がある方向へ向かった。遊び人が宿の予約を代行したようだが本当に大丈夫だろうか?
宿の付近にやってきたが、タニシと俺達は別行動を取ることにした。タニシは遊び人と待ち合わせしているし、俺達はジェイを探す必要があったからだ。
「あの~、この辺で猫っぽい人を見かけませんでしたか?この子の親を探してるんです。」
「んー?そういえば、向こうで猫人を見かけたような気がします。」
「ホント?ありがとう、助かります。」
「それより、お客さん?勇者様ですよね?今夜はウチで宿泊しませんか?特別にお安くさせて頂きますよ!」
「いやー、一応、あてはあるんで遠慮しときます。じゃ!」
ふー、危ない、危ない!客引きに捕まるところだった。やっぱ、場所が場所だけにちゃっかりしてるなあ。油断も隙もありゃしない。
「にゃ、ニャアー!?お得だニャー!?」
「そうでしょう、そうでしょう?特等に当たらなくても、二等、三等でもお得になる福引きサービスなのでございます。」
「い、いたー!!」
言ってる側から発見してしまった。あの見覚えのある風貌は間違いない。間違えるはずがない。ジェイだ!猫の人だ!
「あっ、パパ!」
エルちゃんに手を引かれて歩いていた子猫がジェイに気付いて走り寄る。
「アール!?良かったニャ!どこに行ってたのニャ?」
「ゆうしゃのおぢちゃんたちといっしょにいたの!」
「おじちゃん!!」
ガーン!タニシと同じくオジサン扱いされてしまった!オジサン呼ばわりされない自信はあったのに!
「よかったではないか。そなたも大人の仲間入りじゃ。」
サヨちゃんがニヤニヤしながら言う。
「それ、なんかちがう……。」
そういう意味じゃないだろ。子供にはお兄さんではなく、オッサンに見えるということだ。くやしい!
「本当にゃ。こんなところで再会するとは思わなかったニャ。迷子になったアールを見つけてくれるにゃんて、キミは本物のヒーローにゃ!」
「え?あ、うん。まあ偶然に偶然が重なっただけというか……、まあ、いいや、見つかったんだし。」
なんかヘンな勘違いされているような。別に勇者は迷子を見つけるチート能力なんて持ってませんよ?
「おお!勇者様にお会いできるとは!どうですか本宿に宿泊しませんか?福引きの結果次第でもっとお得になりますよ!」
福引き?やってみようかな?遊び人の探した宿はいまいち信用できなさそうだし、いっちょ、やってみるか?
「じゃあ、やります!」
「それではこちらのハンドルを回して下さい!」
福引きの……なんて言うんだっけ?回るヤツのハンドルを回してみた!特等、出ろ!出てくれ!
(カラン、コロン!)
玉が出てきた。色は……なにこれ?何色?後ろに貼ってある賞の一覧にも載っていない。玉が虹の様に光り輝いてやがる!
「これ何等なの?」
「……!?ちょ、ちょっと、お待ちください!」
宿の人は建物の中に慌てて入っていった。想定外の物が出てしまったんだろうか?なんか、この展開、前にもあったような……。とりあえず、こういうときは……、
「あれぇ!?また、俺、なんかやっちゃいました?」
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