195 / 401
第4章 勇者の剣と剣の巫女
第195話 捜索の手掛かりは?
しおりを挟む
「どうじゃった?」
神殿を出たところでいきなり声を掛けられた。口調と声からして、アイツしかいない。そして気配から察するにエルちゃんもいる。
「剣は作れない。剣の巫女は不在らしい。」
「やはり噂は本当じゃったか。」
「なんだよ。知ってたのか。」
「あくまで噂で聞いておっただけじゃ。」
情報を知っていて、あえて止めなかったのは俺自身に真実を確かめさせて、現実に直面させるためだったんだろう。確かにあの時の俺は何を言っても聞かなかっただろうし。
「剣を手に入れたい一心で、急いで暴走した結果がこのザマだよ。みっともないったらありゃしねえ。」
ホントに情けない。やる気が見事に空回りする結果になってしまった。みんなに合わせる顔がない。
「ゴメン、サヨちゃん。俺が悪かった。エルちゃんも心配かけさせて、ごめんよ。」
「気にしないで下さい。私は構いませんから……。」
「これでよくわかったじゃろう?あせっても、何もいいことはない。かえってし損じることもある。そういうことじゃ。今回の件は失った物は何もない。ただで勉強できたと思えば儲けもんじゃ。」
「ああ、そうかもな。そう言ってくれると助かる。今後は同じ事が起きないようにするよ。」
とにかく反省だ。二度と同じ過ちが起きないように。それはそうとして、今直面している問題を解決しないといけない。
「どうする?剣を作れないんじゃ、どうしようもない。」
「出来ることは探す以外にはない。剣の巫女の足跡をなんとしてでも探し出すのじゃ。」
手掛かりなんてあるんだろうか?ディーゲさんの話によると、娘さんは突然、家出したんだから、わざわざ探せるような手掛かりを残しているとは思えない。それ以前に……顔すら知らない。
「見たこともない人を探せるのか?そこが一番の難関じゃないの?」
それでも、サヨちゃんは不適な笑みを浮かべている。何か策があるのか?
「妾を誰だと思っている?」
「なんだよ、急に?」
「妾の秘術を持ってすれば、解決できぬ事はない。顔を知らずとも、巫女の身内から引き出せばよいじゃろう?」
そっか!忘れてた。この人、他人の記憶を覗けるんだった。それ以外にまだ何か秘策はあるのかもしれない。少しは希望が出てきたぞ。
神殿を出たところでいきなり声を掛けられた。口調と声からして、アイツしかいない。そして気配から察するにエルちゃんもいる。
「剣は作れない。剣の巫女は不在らしい。」
「やはり噂は本当じゃったか。」
「なんだよ。知ってたのか。」
「あくまで噂で聞いておっただけじゃ。」
情報を知っていて、あえて止めなかったのは俺自身に真実を確かめさせて、現実に直面させるためだったんだろう。確かにあの時の俺は何を言っても聞かなかっただろうし。
「剣を手に入れたい一心で、急いで暴走した結果がこのザマだよ。みっともないったらありゃしねえ。」
ホントに情けない。やる気が見事に空回りする結果になってしまった。みんなに合わせる顔がない。
「ゴメン、サヨちゃん。俺が悪かった。エルちゃんも心配かけさせて、ごめんよ。」
「気にしないで下さい。私は構いませんから……。」
「これでよくわかったじゃろう?あせっても、何もいいことはない。かえってし損じることもある。そういうことじゃ。今回の件は失った物は何もない。ただで勉強できたと思えば儲けもんじゃ。」
「ああ、そうかもな。そう言ってくれると助かる。今後は同じ事が起きないようにするよ。」
とにかく反省だ。二度と同じ過ちが起きないように。それはそうとして、今直面している問題を解決しないといけない。
「どうする?剣を作れないんじゃ、どうしようもない。」
「出来ることは探す以外にはない。剣の巫女の足跡をなんとしてでも探し出すのじゃ。」
手掛かりなんてあるんだろうか?ディーゲさんの話によると、娘さんは突然、家出したんだから、わざわざ探せるような手掛かりを残しているとは思えない。それ以前に……顔すら知らない。
「見たこともない人を探せるのか?そこが一番の難関じゃないの?」
それでも、サヨちゃんは不適な笑みを浮かべている。何か策があるのか?
「妾を誰だと思っている?」
「なんだよ、急に?」
「妾の秘術を持ってすれば、解決できぬ事はない。顔を知らずとも、巫女の身内から引き出せばよいじゃろう?」
そっか!忘れてた。この人、他人の記憶を覗けるんだった。それ以外にまだ何か秘策はあるのかもしれない。少しは希望が出てきたぞ。
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説

望んでいないのに転生してしまいました。
ナギサ コウガ
ファンタジー
長年病院に入院していた僕が気づいたら転生していました。
折角寝たきりから健康な体を貰ったんだから新しい人生を楽しみたい。
・・と、思っていたんだけど。
そう上手くはいかないもんだね。

巻き込まれた薬師の日常
白髭
ファンタジー
商人見習いの少年に憑依した薬師の研究・開発日誌です。自分の居場所を見つけたい、認められたい。その心が原動力となり、工夫を凝らしながら商品開発をしていきます。巻き込まれた薬師は、いつの間にか周りを巻き込み、人脈と産業の輪を広げていく。現在3章継続中です。【カクヨムでも掲載しています】レイティングは念の為です。
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
ガチャからは99.7%パンが出るけど、世界で一番の素質を持ってるので今日もがんばります
ベルピー
ファンタジー
幼い頃にラッキーは迷子になっている少女を助けた。助けた少女は神様だった。今まで誰にも恩恵を授けなかった少女はラッキーに自分の恩恵を授けるのだが。。。
今まで誰も発現したことの無い素質に、初めは周りから期待されるラッキーだったが、ラッキーの授かった素質は周りに理解される事はなかった。そして、ラッキーの事を受け入れる事ができず冷遇。親はそんなラッキーを追放してしまう。
追放されたラッキーはそんな世の中を見返す為に旅を続けるのだが。。。
ラッキーのざまぁ冒険譚と、それを見守る神様の笑いと苦悩の物語。
恩恵はガチャスキルだが99.7%はパンが出ます!
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる