【第1部完結】勇者参上!!~東方一の武芸の名門から破門された俺は西方で勇者になって究極奥義無双する!~

Bonzaebon

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第4章 勇者の剣と剣の巫女

第195話 捜索の手掛かりは?

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「どうじゃった?」


 神殿を出たところでいきなり声を掛けられた。口調と声からして、アイツしかいない。そして気配から察するにエルちゃんもいる。


「剣は作れない。剣の巫女は不在らしい。」

「やはり噂は本当じゃったか。」

「なんだよ。知ってたのか。」

「あくまで噂で聞いておっただけじゃ。」


 情報を知っていて、あえて止めなかったのは俺自身に真実を確かめさせて、現実に直面させるためだったんだろう。確かにあの時の俺は何を言っても聞かなかっただろうし。


「剣を手に入れたい一心で、急いで暴走した結果がこのザマだよ。みっともないったらありゃしねえ。」


 ホントに情けない。やる気が見事に空回りする結果になってしまった。みんなに合わせる顔がない。


「ゴメン、サヨちゃん。俺が悪かった。エルちゃんも心配かけさせて、ごめんよ。」

「気にしないで下さい。私は構いませんから……。」

「これでよくわかったじゃろう?あせっても、何もいいことはない。かえってし損じることもある。そういうことじゃ。今回の件は失った物は何もない。ただで勉強できたと思えば儲けもんじゃ。」

「ああ、そうかもな。そう言ってくれると助かる。今後は同じ事が起きないようにするよ。」


 とにかく反省だ。二度と同じ過ちが起きないように。それはそうとして、今直面している問題を解決しないといけない。


「どうする?剣を作れないんじゃ、どうしようもない。」

「出来ることは探す以外にはない。剣の巫女の足跡をなんとしてでも探し出すのじゃ。」


 手掛かりなんてあるんだろうか?ディーゲさんの話によると、娘さんは突然、家出したんだから、わざわざ探せるような手掛かりを残しているとは思えない。それ以前に……顔すら知らない。


「見たこともない人を探せるのか?そこが一番の難関じゃないの?」


 それでも、サヨちゃんは不適な笑みを浮かべている。何か策があるのか?


「妾を誰だと思っている?」

「なんだよ、急に?」

「妾の秘術を持ってすれば、解決できぬ事はない。顔を知らずとも、巫女の身内から引き出せばよいじゃろう?」


 そっか!忘れてた。この人、他人の記憶を覗けるんだった。それ以外にまだ何か秘策はあるのかもしれない。少しは希望が出てきたぞ。

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