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第4章 勇者の剣と剣の巫女
第183話 For the king!!
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「Of the king!! By the king!! For the king!!」
我々は起立し、お約束の口上を連呼する。全てはキングのために、と言う名目で決められたスローガンである。確か、ラゴース様の考案だったはずだ。
「ありがとう、諸君!」
キングは我々を労い、着席を促すジェスチャーをした。キングは立ったままでいるが、そのまま会議の開始宣言をするおつもりなのだろう。
「諸君も知っての通り、今一人の仲間が死んだ……。」
牛頭の魔王と人間に畏れられたゴズ・バアル殿の死。それが今回の臨時招集の理由である。しかも、ただの死ではないとのことだった。
「何故だ!?」
キングは怒気を込めて我々に問いかけた。最弱の私からすれば、身が縮こまる思いだった。ただただ、恐ろしかった。
「おバカだからさ!」
私はギョッとした。なんと恐ろしいことを言うのだと思った。心臓を鷲掴みにされたような思いだ。しかも、キングの問いに対して!発言したのは……ラゴース様だった。
「ん?今なんと言ったのかな?」
「おバカって言ったんだよ♪」
更に場の空気が凍り付いてしまった。発言したラゴース様は朗らかな顔をしているし、キングは世にも恐ろしい形相で彼を睨み付けている。
「君という奴は……、」
キングはわなわなと体を震わせ、一層声に怒気を含ませている。キングの怒りは最高潮にまで達しているようだ。
「なんで僕の話の腰を折っちゃうかなあ!」
キングは怒りの顔から一転、茶目っ気のあるふてくされた表情になり、ラゴース様を非難した。これは一体?
「だってさあ、ベタすぎるじゃん?今一人の…うんぬんなんて、使い古されてカビが生えちゃってるぐらいだよ?」
「いやいや、違うんだよ。ベタな流れから、今流行りのパワハラ行為を諸君にしてみようかと思ってたのにさあ……。」
「ホントに君はミーハーだねえ。」
私は唖然とするしかなかった。険悪ムードからの朗らかムードへ変化。会議のたびに毎度見ている、キングとラゴース様のやりとりとはいえ、一向に慣れない。見るたびに寿命が削られる思いだ。……そもそも我々魔王には寿命という概念自体はない、という指摘は無しということでお願いします。
「さて!話は脱線しちゃったけど、話を戻そう。牛君が死んでしまった。一大事だ!」
我々には死という概念はない。寿命もない。かつて人間との戦いで討伐された方もこの中にいる。だがそれは死ではない。あくまで肉体が滅んだだけ。時間をかければいずれ肉体は復活する。我々はデーモン・コアがある限り、永遠に不滅なのである。基本的には。
「何が一大事かって?それは牛君のコアが消滅させられちゃったからなんだよ。」
その一言で会議室にはざわめきが起きる。怒りの声を発する方もいた。私も初めて聞いたときはあり得ない事態が発生したと慌てふためいた。不滅の我らに死を与えるなど、恐怖以外の何者でもない。
「消滅したとは、どういうことでしょうか?不滅の存在たる我々には到底理解が及びませぬ。」
我々の胸中を代弁するかのようにタンブル殿が発言する。
「言葉どおりの意味さ。そんな大それた技を使う奴が現れたのさ。」
「何者なのですか、その者は?」
その問いの答えを聞き逃すまいと会議室は静まりかえった。
「その者の正体は……、勇者だ!」
我々は起立し、お約束の口上を連呼する。全てはキングのために、と言う名目で決められたスローガンである。確か、ラゴース様の考案だったはずだ。
「ありがとう、諸君!」
キングは我々を労い、着席を促すジェスチャーをした。キングは立ったままでいるが、そのまま会議の開始宣言をするおつもりなのだろう。
「諸君も知っての通り、今一人の仲間が死んだ……。」
牛頭の魔王と人間に畏れられたゴズ・バアル殿の死。それが今回の臨時招集の理由である。しかも、ただの死ではないとのことだった。
「何故だ!?」
キングは怒気を込めて我々に問いかけた。最弱の私からすれば、身が縮こまる思いだった。ただただ、恐ろしかった。
「おバカだからさ!」
私はギョッとした。なんと恐ろしいことを言うのだと思った。心臓を鷲掴みにされたような思いだ。しかも、キングの問いに対して!発言したのは……ラゴース様だった。
「ん?今なんと言ったのかな?」
「おバカって言ったんだよ♪」
更に場の空気が凍り付いてしまった。発言したラゴース様は朗らかな顔をしているし、キングは世にも恐ろしい形相で彼を睨み付けている。
「君という奴は……、」
キングはわなわなと体を震わせ、一層声に怒気を含ませている。キングの怒りは最高潮にまで達しているようだ。
「なんで僕の話の腰を折っちゃうかなあ!」
キングは怒りの顔から一転、茶目っ気のあるふてくされた表情になり、ラゴース様を非難した。これは一体?
「だってさあ、ベタすぎるじゃん?今一人の…うんぬんなんて、使い古されてカビが生えちゃってるぐらいだよ?」
「いやいや、違うんだよ。ベタな流れから、今流行りのパワハラ行為を諸君にしてみようかと思ってたのにさあ……。」
「ホントに君はミーハーだねえ。」
私は唖然とするしかなかった。険悪ムードからの朗らかムードへ変化。会議のたびに毎度見ている、キングとラゴース様のやりとりとはいえ、一向に慣れない。見るたびに寿命が削られる思いだ。……そもそも我々魔王には寿命という概念自体はない、という指摘は無しということでお願いします。
「さて!話は脱線しちゃったけど、話を戻そう。牛君が死んでしまった。一大事だ!」
我々には死という概念はない。寿命もない。かつて人間との戦いで討伐された方もこの中にいる。だがそれは死ではない。あくまで肉体が滅んだだけ。時間をかければいずれ肉体は復活する。我々はデーモン・コアがある限り、永遠に不滅なのである。基本的には。
「何が一大事かって?それは牛君のコアが消滅させられちゃったからなんだよ。」
その一言で会議室にはざわめきが起きる。怒りの声を発する方もいた。私も初めて聞いたときはあり得ない事態が発生したと慌てふためいた。不滅の我らに死を与えるなど、恐怖以外の何者でもない。
「消滅したとは、どういうことでしょうか?不滅の存在たる我々には到底理解が及びませぬ。」
我々の胸中を代弁するかのようにタンブル殿が発言する。
「言葉どおりの意味さ。そんな大それた技を使う奴が現れたのさ。」
「何者なのですか、その者は?」
その問いの答えを聞き逃すまいと会議室は静まりかえった。
「その者の正体は……、勇者だ!」
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