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第4章 勇者の剣と剣の巫女
第181話 うなれ!必殺タニシアン・ルーレット!!
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「あうあわわ!何事でヤンスか!」
おやつタイムを堪能していたタニシは慌てふためいている。俺は最初から賊に気付いていたが、コイツは気付いていなかったようだ。お前、鼻が効くんじゃなかったのかよ。
「楽しい略奪ショーの始まりだニャア!」
「ヒャッハー!!」
うわあ、わかりやすい悪役だ。ダンジョンの初心者狩り集団よりは強そうだけど、典型的な雑魚キャラっぽい。それじゃ、当初の予定通り蹴散らしてやるか。
「あっしも戦うでヤンス!」
おっ?めずらしくタニシがやる気になっている。風呂敷から武器を取り出した。その武器には棒の先に分銅が付いていて鎖でつながっている。たしか、フレイルとかいう武器だ。ヌンチャクによく似た武器だな。
「ノウザン・ウェルの台風の目と言われた、あっしに出会ったのが運の尽きでヤンスよ!」
なんだ、その異名は!初めて聞いたぞ!タニシはフレイルをヒュンヒュン回し始めた。……まさか、それが台風のつもりじゃなかろうな?
「台風だぁ?そんなモン、扇風機にもなりゃしないニャア!」
「くふふ!舐めると痛い目を見るでヤンスよ!恐ろしくなるのはこれからでヤンス!」
フレイルの回転速度が上がっていく。こっからどうするつもりなんだ?これで敵をなぎ倒す絵面が想像できない。しょぼい。
「これが必殺、タニシアン・ルーレットでヤンス!誰に当たるかわからない!当たったら確実に即死するでヤンス!」
ルーレット?なんか賭博場にあるとかいうヤツ?知らんけど。ともかく、技にギャンブル的な要素が入るのは如何なものか?
「うおりゃ!!」
タニシがかけ声と共に敵に向かっていこうとした瞬間、フレイルの先端がタニシの後頭部に命中した。
(ゴン!)
「くっふふ!この技の恐ろしいところは自分もその対象になってしまうことでヤンス!……キュウッ!」
「ああっ!?タニシさんしっかり!」
自分にも当たるんかい!バカだろ!とんだ茶番だった。
「バカにゃ。」
「所詮、飼い犬だったニャ。」
「まだまだ子犬よ。」
あーあ。敵にもバカにされてるし……。しょうがない。やっぱりここは俺の出番だな。
「ちくしょう!よくもタニシをやってくれたな!」
「自分で自滅しただけニャア。」
いいんだよ。口実ができたから、これでいいのだ!
(スチャ!)
俺は勢いよく剣を抜いた。でも、様子がおかしい。猫共がニヤニヤ笑っている。そういえば剣が軽いような……、
「剣折れてるの忘れてたあ!?」
ミスった。タニシに続く失態を犯してしまった。なんか喜劇みたいになってきたな。
おやつタイムを堪能していたタニシは慌てふためいている。俺は最初から賊に気付いていたが、コイツは気付いていなかったようだ。お前、鼻が効くんじゃなかったのかよ。
「楽しい略奪ショーの始まりだニャア!」
「ヒャッハー!!」
うわあ、わかりやすい悪役だ。ダンジョンの初心者狩り集団よりは強そうだけど、典型的な雑魚キャラっぽい。それじゃ、当初の予定通り蹴散らしてやるか。
「あっしも戦うでヤンス!」
おっ?めずらしくタニシがやる気になっている。風呂敷から武器を取り出した。その武器には棒の先に分銅が付いていて鎖でつながっている。たしか、フレイルとかいう武器だ。ヌンチャクによく似た武器だな。
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なんだ、その異名は!初めて聞いたぞ!タニシはフレイルをヒュンヒュン回し始めた。……まさか、それが台風のつもりじゃなかろうな?
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「うおりゃ!!」
タニシがかけ声と共に敵に向かっていこうとした瞬間、フレイルの先端がタニシの後頭部に命中した。
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「ああっ!?タニシさんしっかり!」
自分にも当たるんかい!バカだろ!とんだ茶番だった。
「バカにゃ。」
「所詮、飼い犬だったニャ。」
「まだまだ子犬よ。」
あーあ。敵にもバカにされてるし……。しょうがない。やっぱりここは俺の出番だな。
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「自分で自滅しただけニャア。」
いいんだよ。口実ができたから、これでいいのだ!
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俺は勢いよく剣を抜いた。でも、様子がおかしい。猫共がニヤニヤ笑っている。そういえば剣が軽いような……、
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ミスった。タニシに続く失態を犯してしまった。なんか喜劇みたいになってきたな。
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