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第3章 迷宮道中膝栗毛!!
第175話 旅は道連れ世は情け
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俺たちは宿に帰ってきた。もちろん旅支度をするためだ。
「ああ!まさか、トレ坊先生に会えるなんて、夢にも思いませんでした!」
「よかったねえ。」
エルちゃんは心底嬉しそうだった。よっぽどファンだったんだろうな。嬉しそうでなによりだ。
「エル坊よ、それぐらいにしておけ。此奴、寂しがっておるぞ。妬いておるようじゃ。」
「ファッ!?」
な、何を言うんだ!急にヘンな事を言うから、変な声が出てしまったじゃないか!
「そうなんですか!?ごめんなさい!」
「いや、別にいいから!エルちゃんが楽しかったら、それでいいんやで!」
「正直に言え!初めっから、そなたは何か拗ねた様な態度じゃったぞ。エル坊に構って欲しいんじゃろ?」
「何言うんだ!いいかげんにしろ!」
ちがう!断じてちがう!俺はかまってちゃんじゃないやい!
「ちょいと、邪魔すんで!」
ノックと共に聞き覚えのある声が聞こえてきた。おっちゃんだ。
「邪魔すんのやったら、帰って~!」
「あいよ~!……って、なんでやねん!」
おっちゃんは構わず入ってきた。タニシもいっしょにいる。
「兄ィちゃん、ワシのノリがようわかってきたみたいやなあ!ええセンスや!」
うん、なんとなくわかってきた。こういうときはこう!みたいな。
「なんじゃ?別れの挨拶か?わざわざ来んでもこっちから出向くつもりじゃったのだが?」
「実は頼みたいことがあるんや。」
「頼みたいこと?」
果たして頼みたい事とは?おっちゃんが俺たちに何を望むのだろう。逆に何か色々教えてもらいたいことはたくさんあるのだが。
「頼みたいことっちゅうのはな……、」
と言って、横にいたタニシの背中を押して前に立たせた。タニシはキョトンとしていた。何も聞かされていないのだろうか?それを見た俺たちもキョトンとするしかなかった。
「コイツも連れて行ってくれへんか?」
「え……!?」
「エ……!?」
タニシと俺は思わず、顔を見合わせ、同じリアクションをした。今、何て言った?
「何故じゃ?社員が減ったらそなたが忙しくなるのではないか?」
「そうでヤンス!あっしという逸材抜きでうまくいくんでヤンスか?」
「別にワシ一人でなんとかなるレベルやで。ちょっと忙しなるだけや。」
「ガーン!?でヤンス!」
タニシ戦力外通告された。……この流れは最近流行りの追放物か?タニシが加わればウチのパーティーには三人の追放者がいることになってしまう。
「ワシはな、コイツにもっと広い世界を見てきて欲しいと思うとるんや。コイツの見とる世界は狭すぎるんや。もっと成長させなアカンと思うねん。」
「要するに丁稚奉公というわけじゃな。」
「まあ、そういうことですわ。ワシのとこにおるのもそういう意味ですねん。コイツはボンボン育ちやさかい、勉強さすために親から預けられとるっちゅう話ですわ。」
ああ、よくある帝王学の一環で、みたいな?でも、タニシを見てるとホントにそれが身になっているのか疑問に思えてくる。
「あうあうあわわ!?追放!?島流し!?あっしはいずれ行き倒れになって死ぬ未来が見えてしまったでヤンス!」
タニシは混乱している!あまりの混乱にヘンなことを言い始めた。しかも余計な幻覚まで見えているようだ。
「まあ、よいわ。連れて行ってやらんでもない。じゃが……、怪我で再起不能になったり、凶暴なモンスターに食われたり、謎の変態魔術師に人体実験されてしまうかもしれんぞ?」
「はうへうあぁぁ!?……キュウっ!?」
メンタルダメージがオーバーフローして、気絶してしまったようだ。サヨちゃん、オーバーキルが過ぎるぞ。
「ああ!まさか、トレ坊先生に会えるなんて、夢にも思いませんでした!」
「よかったねえ。」
エルちゃんは心底嬉しそうだった。よっぽどファンだったんだろうな。嬉しそうでなによりだ。
「エル坊よ、それぐらいにしておけ。此奴、寂しがっておるぞ。妬いておるようじゃ。」
「ファッ!?」
な、何を言うんだ!急にヘンな事を言うから、変な声が出てしまったじゃないか!
「そうなんですか!?ごめんなさい!」
「いや、別にいいから!エルちゃんが楽しかったら、それでいいんやで!」
「正直に言え!初めっから、そなたは何か拗ねた様な態度じゃったぞ。エル坊に構って欲しいんじゃろ?」
「何言うんだ!いいかげんにしろ!」
ちがう!断じてちがう!俺はかまってちゃんじゃないやい!
「ちょいと、邪魔すんで!」
ノックと共に聞き覚えのある声が聞こえてきた。おっちゃんだ。
「邪魔すんのやったら、帰って~!」
「あいよ~!……って、なんでやねん!」
おっちゃんは構わず入ってきた。タニシもいっしょにいる。
「兄ィちゃん、ワシのノリがようわかってきたみたいやなあ!ええセンスや!」
うん、なんとなくわかってきた。こういうときはこう!みたいな。
「なんじゃ?別れの挨拶か?わざわざ来んでもこっちから出向くつもりじゃったのだが?」
「実は頼みたいことがあるんや。」
「頼みたいこと?」
果たして頼みたい事とは?おっちゃんが俺たちに何を望むのだろう。逆に何か色々教えてもらいたいことはたくさんあるのだが。
「頼みたいことっちゅうのはな……、」
と言って、横にいたタニシの背中を押して前に立たせた。タニシはキョトンとしていた。何も聞かされていないのだろうか?それを見た俺たちもキョトンとするしかなかった。
「コイツも連れて行ってくれへんか?」
「え……!?」
「エ……!?」
タニシと俺は思わず、顔を見合わせ、同じリアクションをした。今、何て言った?
「何故じゃ?社員が減ったらそなたが忙しくなるのではないか?」
「そうでヤンス!あっしという逸材抜きでうまくいくんでヤンスか?」
「別にワシ一人でなんとかなるレベルやで。ちょっと忙しなるだけや。」
「ガーン!?でヤンス!」
タニシ戦力外通告された。……この流れは最近流行りの追放物か?タニシが加わればウチのパーティーには三人の追放者がいることになってしまう。
「ワシはな、コイツにもっと広い世界を見てきて欲しいと思うとるんや。コイツの見とる世界は狭すぎるんや。もっと成長させなアカンと思うねん。」
「要するに丁稚奉公というわけじゃな。」
「まあ、そういうことですわ。ワシのとこにおるのもそういう意味ですねん。コイツはボンボン育ちやさかい、勉強さすために親から預けられとるっちゅう話ですわ。」
ああ、よくある帝王学の一環で、みたいな?でも、タニシを見てるとホントにそれが身になっているのか疑問に思えてくる。
「あうあうあわわ!?追放!?島流し!?あっしはいずれ行き倒れになって死ぬ未来が見えてしまったでヤンス!」
タニシは混乱している!あまりの混乱にヘンなことを言い始めた。しかも余計な幻覚まで見えているようだ。
「まあ、よいわ。連れて行ってやらんでもない。じゃが……、怪我で再起不能になったり、凶暴なモンスターに食われたり、謎の変態魔術師に人体実験されてしまうかもしれんぞ?」
「はうへうあぁぁ!?……キュウっ!?」
メンタルダメージがオーバーフローして、気絶してしまったようだ。サヨちゃん、オーバーキルが過ぎるぞ。
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