【第1部完結】勇者参上!!~東方一の武芸の名門から破門された俺は西方で勇者になって究極奥義無双する!~

Bonzaebon

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第3章 迷宮道中膝栗毛!!

第172話 ゆうしゃのつるぎ

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「ボリボリキャベツ3つ、お願いしま~す!


 あのままダンジョンで話したいことはたくさんあった。しかし、疲れているのに立ち話をするのはどうなんだ、ということになり外に出てタル屋にやってきた。


「またかよ!とりあえず生中みたいに。」

「定番でヤンスよ!」


 定番て!それはお前だけの話だろ。


「それよりお前、カリカリのデーモンにやられるとか言ってたのはどうなったんだよ?」

「カリカリのデーモンはお亡くなりになったでヤンス!」

「は!?」


 まさかの急展開!デーモンよ、何があったのだ。どうしてこうなった!


「カリカリのデーモンは正義のヒーロー、チュルチュルマンに成敗されたでヤンス!」

「誰やねん!」


 ゲンコツのおっちゃんと同時に突っ込んでしまった。つい口調まで同じになっちゃった。


「いつまでワン公の馬鹿話に付き合うつもりじゃ?みんなしらけとるぞ。」

「なんかつまんな~い!」


 好きで話に付き合ってるわけでは……。というか今気付いたけど、遊び人までちゃっかり付いてきてるし。なんなの、この子。


「料理ができるまで、今後、どうするか考えよう。」


 今後、と言ってもまずやることは決まっているけど。


「まずは、剣を直さないと。」


 先代の大切な物を壊してしまった。先代どころか代々引き継がれている物かもしれないし。


「結論から言うとじゃな……、それは修理することは出来んぞ。」

「エェ!?なんでよ?」


 素材にレアな物を使っているとでも?他には職人さんがいないとか?


「それはあくまで一品物じゃ。正確には勇者カレル専用の剣じゃ。基本的には本来の持ち主が死なぬ限りは決して折れたりはせぬ。じゃが、カレルが死んだ以上は二度と復元出来んのじゃ。」

「おいおい、ってことは俺はなんてことをしてしまったんだ。」


 取り返しが付かない。ただでさえ罪悪感を感じていたのに、さらに大きくなってしまった。


「気に病む必要はないぞ。カレル自身もそれは想定しておったはずじゃ。先代の剣を引き継いで使うこと自体は珍しい話ではない。自分専用の剣を作るまでの繋ぎとして使うことは慣例じゃからの。」

「自分専用の剣……?」


 作る必要ができたのか。そうなれば、本格的に勇者としての箔が付くってもんだ。


「そもそも、勇者の剣が何で出来ておるか知っているか?」

「材質には詳しくないからわからない。」


 やっぱレア物質が使われてるんだろう。


「材質ではなく、ある物を使って作られておる。それは……初代勇者、勇者王の剣を使って作られておる。」

「初代勇者の剣!?」


 どういうこと!じゃあ、カレルの剣もそれを使ってるのか!代々受け継がれてるというのも間違いではないのかな?


「正確には勇者王の剣の一部から作られておる。……本物の勇者王の剣を見たらきっとたまげるぞ。想像以上の外見をしておるから楽しみにしておくがよい。」


 どういうことだ?たまげる?想像を絶する?剣自体に驚く要素があるんだろうか?


「楽しみにってどういうこと?」

「決まっておるじゃろ。実際に勇者王の剣の元へ行くのじゃ。カレルの剣も返納せねばならんしのう。次の目的地はそこじゃ。」


 次の目的は“剣”か。一体、何が待ち受けているんだろう?そこでふと、カレルの剣を見てみた。……ん?なんか微妙に光り輝いているような?こんな現象は今まで見たことがない。不思議だ。


「ワンちゃん、その調子!つぎ、4個目いっちゃえ!」

「ウオオオォォォン!あっしは人間風車でヤンス!まだまだいけるでヤンスよぉ!」

「タニちゃん、慌てちゃダメだよ!喉に詰まるから!」

「ンガ、んんっ!!」


 何やってるんだアイツら。人の話全く聞いてなかっただろ。こっちは真剣な話してんのに。
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