151 / 401
第3章 迷宮道中膝栗毛!!
第151話 ……倒すことと見つけたり。
しおりを挟む
破壊した鎧の右腕部分は瞬く間に再生した。砂で出来てるんだもんな。オマケに魔法で自作してるんだから、魔力がつきない限りはいくらでも再生可能ってことか。
「ちょっと、それ、反則過ぎない?」
「この鎧の事を申しておるのか?……それだけ拙者がお主の技を警戒しておる、とでも言っておこう。」
まさか、八刃の本質を見抜いたか?だけど見抜いたところで対処できるものなのか?八刃は当たりさえすれば確実に効果はある。斬ろうと思えば、どんなものでも斬ることができる。必殺剣だ。不可能はない。
「それほど、お主の必殺剣が危険であるということ!」
「当ててみせるさ、絶対に!」
俺たちは再び戦いに身を投じた。第二ラウンドだ。
「地磊震!」
(ゴギィィィン!)
侍は力強い踏み込みで重い一撃を入れてきた。さっきの砂のナンチャラとは対照的だ。受け止めることはできたが、手に痺れがきた。
「地磊震、二連!」
(ゴギィィィン!!)
もう一度同じ技が来た。反撃の隙を与えないほどの速さだった。これも受けることはできたけど、手の痺れがさらに増した。手の感覚が無くなってきた。
「二度あることは三度あるものだ!三連!」
(ゴギィィィン!!!)
やばい!三撃目がきた!避けることも間に合わず、剣で受けるしかなかった。でも、痺れて握力をなくした腕では受けきれない。思わず剣を落としてしまった。
「命運尽きたな!覚悟!」
「グローイング・フラッシュ!」
「ぐぬっ!」
意表を突くつもりで、目くらましの魔法を使った。その隙に落とした剣を拾い、俺は攻撃を加えた。手に力が入らないが技は使えるはずだ。
「霽月八刃!」
(ボガァ!!……ザバァァァァ!!)
侍はとっさに腕で庇い、さっきと同じように斬った部分が砂に変わって崩れた。
「今だ!プロミネンス・バースト!」
相変わらず、小さな火の玉しか出せなかったが、それで十分だ。火の玉は侍の元に飛んでいき、砂煙に引火して爆発が起きた。
(ドガァァァァン!!!!)
「おわっ!」
飛び退いて爆発から逃れたので、俺は巻き込まれずに済んだ。思ったより大きな爆発が起きてビックリした。
「鉱山で塵に引火して爆発が起きたって話は本当だったみたいだな。砂で一か八か試してみる価値はあったぜ。」
昔聞きかじった知識と、敵の意表を突くために練習しておいた魔法が役に立った。とはいえ、アイツがこれで死ぬわけがない。
「ダメ押しの霽月八刃だ!」
気配は確かにそこにあった。爆発の塵と煙ではっきりとは見えないが、それだけでも居場所は確認できた。
(ザンッ!!)
斬った。これで終わりだ。……でも、何だろう?さっきと同じ違和感を感じる。
「雷破音速拳!」
気付くのが遅かった。侍の拳が俺の腹に食い込んでいた。
「粉塵爆発とは面白いことをする。魔法も使うとは。」
「何で…だ?気配は…そ…こに…?」
「地縛傀儡術と残心の法を組み合わせて、拙者が残心の法で気配を残し、砂の鎧を操作して、あの場にいると見せかけたのだ。」
見事に化かされた。気配を鎧に移して、自分の気配を消していたってのか?妙な違和感の正体はこれだったんだ。
「ちく…しょう……。」
「卑怯とは言うまいな?拙者はどうしても先に行かねばならぬのだ。許せ。」
その言葉を聞いてから、俺の意識は遠のいていった。
「ちょっと、それ、反則過ぎない?」
「この鎧の事を申しておるのか?……それだけ拙者がお主の技を警戒しておる、とでも言っておこう。」
まさか、八刃の本質を見抜いたか?だけど見抜いたところで対処できるものなのか?八刃は当たりさえすれば確実に効果はある。斬ろうと思えば、どんなものでも斬ることができる。必殺剣だ。不可能はない。
「それほど、お主の必殺剣が危険であるということ!」
「当ててみせるさ、絶対に!」
俺たちは再び戦いに身を投じた。第二ラウンドだ。
「地磊震!」
(ゴギィィィン!)
侍は力強い踏み込みで重い一撃を入れてきた。さっきの砂のナンチャラとは対照的だ。受け止めることはできたが、手に痺れがきた。
「地磊震、二連!」
(ゴギィィィン!!)
もう一度同じ技が来た。反撃の隙を与えないほどの速さだった。これも受けることはできたけど、手の痺れがさらに増した。手の感覚が無くなってきた。
「二度あることは三度あるものだ!三連!」
(ゴギィィィン!!!)
やばい!三撃目がきた!避けることも間に合わず、剣で受けるしかなかった。でも、痺れて握力をなくした腕では受けきれない。思わず剣を落としてしまった。
「命運尽きたな!覚悟!」
「グローイング・フラッシュ!」
「ぐぬっ!」
意表を突くつもりで、目くらましの魔法を使った。その隙に落とした剣を拾い、俺は攻撃を加えた。手に力が入らないが技は使えるはずだ。
「霽月八刃!」
(ボガァ!!……ザバァァァァ!!)
侍はとっさに腕で庇い、さっきと同じように斬った部分が砂に変わって崩れた。
「今だ!プロミネンス・バースト!」
相変わらず、小さな火の玉しか出せなかったが、それで十分だ。火の玉は侍の元に飛んでいき、砂煙に引火して爆発が起きた。
(ドガァァァァン!!!!)
「おわっ!」
飛び退いて爆発から逃れたので、俺は巻き込まれずに済んだ。思ったより大きな爆発が起きてビックリした。
「鉱山で塵に引火して爆発が起きたって話は本当だったみたいだな。砂で一か八か試してみる価値はあったぜ。」
昔聞きかじった知識と、敵の意表を突くために練習しておいた魔法が役に立った。とはいえ、アイツがこれで死ぬわけがない。
「ダメ押しの霽月八刃だ!」
気配は確かにそこにあった。爆発の塵と煙ではっきりとは見えないが、それだけでも居場所は確認できた。
(ザンッ!!)
斬った。これで終わりだ。……でも、何だろう?さっきと同じ違和感を感じる。
「雷破音速拳!」
気付くのが遅かった。侍の拳が俺の腹に食い込んでいた。
「粉塵爆発とは面白いことをする。魔法も使うとは。」
「何で…だ?気配は…そ…こに…?」
「地縛傀儡術と残心の法を組み合わせて、拙者が残心の法で気配を残し、砂の鎧を操作して、あの場にいると見せかけたのだ。」
見事に化かされた。気配を鎧に移して、自分の気配を消していたってのか?妙な違和感の正体はこれだったんだ。
「ちく…しょう……。」
「卑怯とは言うまいな?拙者はどうしても先に行かねばならぬのだ。許せ。」
その言葉を聞いてから、俺の意識は遠のいていった。
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

巻き込まれた薬師の日常
白髭
ファンタジー
商人見習いの少年に憑依した薬師の研究・開発日誌です。自分の居場所を見つけたい、認められたい。その心が原動力となり、工夫を凝らしながら商品開発をしていきます。巻き込まれた薬師は、いつの間にか周りを巻き込み、人脈と産業の輪を広げていく。現在3章継続中です。【カクヨムでも掲載しています】レイティングは念の為です。

Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~
味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。
しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。
彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。
故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。
そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。
これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる