142 / 401
第3章 迷宮道中膝栗毛!!
第142話 迷宮の謎についての考察
しおりを挟む
「ええっ!あの人達は転送罠を使って迷宮を出入りしていたんですか?」
私やメイちゃんをテレポーターの罠で転送した人たちの事を聞いていた。転送制御のマジックアイテムを持っていたなんて。作るのには相当な技術が必要なはず。
「そういうことじゃ。裏で彼奴らに協力している者がおるのじゃ。あの、ドラゴンズ・ヘブンが関与しておる。」
迷宮にまで手を伸ばしていた?この迷宮にはやっぱり何か秘密があるのは間違いなさそう。
「おそらく、そなたの手にしておる、それも狙っておったようじゃ。まさか、そなたが先に手にしてしまうとはな。じゃが、問題はそれ以外にある。」
ヘイフゥさんの言っていた、迷宮の奥底にある謎と関係あるのかな。
「古代の遺産が迷宮に隠されている、いや、この迷宮自体がその入り口になっている可能性がある。」
それはこの迷宮の存在が囮とかダミーのような役割をしている?まさか魔王ですら、そのことに利用されていた?
「ここへ来る前にいくつか古い文献を漁ってみた。それらによると、魔王が現れる前は修練の迷宮と呼ばれていたそうじゃ。」
「修練の迷宮?」
その場にいた何人かが、同じ声を上げた。他の人には話していなかったのかな。
「古くから、この迷宮は冒険者の腕試しに使われておった。今よりも多種多様な魔物に加え、様々なトラップ、珍しい財宝等、おのれの腕を試すにはもってこいの場所じゃった。」
「ワシも聞いたことあるわ。ノウザン・ウェルがでっかくなったんはこのダンジョンのおかげやったらしいな。他のダンジョンはオマケ程度の価値やったいうこっちゃ。」
この迷宮の様子が今と昔では違っていたなんて。魔王が現れる前は迷宮のイメージも悪くなかったんだ。
「肝心の本題はここからじゃ。熟練の冒険者の間で、ある噂が流れ始めた。表向きは地下10Fまでじゃが、実は地下11Fまであるとな。しかも、話はそれだけでは終わらぬ。その先に修練の間なる迷宮があるそうじゃ。」
地下11Fが隠されている?もしかしたら、勇者様達はそこにいるのかな。でも、宝箱の転送罠との関係性がわからないよ。
「それについてはこの後、探せば良い。宝箱の転送罠についてもわかったことがある。あれが作られたのはおそらく、80~100年程前じゃ。そして、仕掛けられた転送魔法は……おそらく古代魔法じゃ。」
「作られたのが100年前程度なのに、古代魔法が使われているんでしょうか?」
「作った者が古代魔法の使い手じゃ。おそらく迷宮の主で、今もまだ健在なのじゃろう。転送魔法には相手の強さに応じて転送先を変更する細工がしてあった。そなたらとロア達とで転送先が異なるのはそういう仕組みじゃ。これは決して偶然の産物ではない。」
「転送罠って普通は転送先の指定なんてしてへんのやけどな。罠ごときに手間かけてられへんっていう理由もあるやろうけど、できるんやったら、全部石の中にしとくやろうしな。」
「熟練の魔術師でも時間と魔力を消費するのじゃ。こんな物を作れるのは膨大な魔力を持て余した、偏屈者じゃろう。」
「いったい、何者なんでしょうか?」
「妾が生まれる前の時代の者なのは確実じゃ。古代魔法は妾の生まれた時代ですら、古代の遺物じゃったからのう。当然、迷宮の主の正体には見当がついておらぬ。」
「姐さんがそんなん言うんやったら、神話とかおとぎ話に出てくるようなヤツがおるんかもしれんなあ。候補やったら、魔法王とか金剛石の王、狂気の王、あげだしたらキリがあらへん。」
途方もない話だった。そんなとんでもない人がいるなんて思いもしなかった。そんな話を聞いていたら、勇者様が無事かどうか不安になってきた。どうか、本当に無事でいてほしい……。
私やメイちゃんをテレポーターの罠で転送した人たちの事を聞いていた。転送制御のマジックアイテムを持っていたなんて。作るのには相当な技術が必要なはず。
「そういうことじゃ。裏で彼奴らに協力している者がおるのじゃ。あの、ドラゴンズ・ヘブンが関与しておる。」
迷宮にまで手を伸ばしていた?この迷宮にはやっぱり何か秘密があるのは間違いなさそう。
「おそらく、そなたの手にしておる、それも狙っておったようじゃ。まさか、そなたが先に手にしてしまうとはな。じゃが、問題はそれ以外にある。」
ヘイフゥさんの言っていた、迷宮の奥底にある謎と関係あるのかな。
「古代の遺産が迷宮に隠されている、いや、この迷宮自体がその入り口になっている可能性がある。」
それはこの迷宮の存在が囮とかダミーのような役割をしている?まさか魔王ですら、そのことに利用されていた?
「ここへ来る前にいくつか古い文献を漁ってみた。それらによると、魔王が現れる前は修練の迷宮と呼ばれていたそうじゃ。」
「修練の迷宮?」
その場にいた何人かが、同じ声を上げた。他の人には話していなかったのかな。
「古くから、この迷宮は冒険者の腕試しに使われておった。今よりも多種多様な魔物に加え、様々なトラップ、珍しい財宝等、おのれの腕を試すにはもってこいの場所じゃった。」
「ワシも聞いたことあるわ。ノウザン・ウェルがでっかくなったんはこのダンジョンのおかげやったらしいな。他のダンジョンはオマケ程度の価値やったいうこっちゃ。」
この迷宮の様子が今と昔では違っていたなんて。魔王が現れる前は迷宮のイメージも悪くなかったんだ。
「肝心の本題はここからじゃ。熟練の冒険者の間で、ある噂が流れ始めた。表向きは地下10Fまでじゃが、実は地下11Fまであるとな。しかも、話はそれだけでは終わらぬ。その先に修練の間なる迷宮があるそうじゃ。」
地下11Fが隠されている?もしかしたら、勇者様達はそこにいるのかな。でも、宝箱の転送罠との関係性がわからないよ。
「それについてはこの後、探せば良い。宝箱の転送罠についてもわかったことがある。あれが作られたのはおそらく、80~100年程前じゃ。そして、仕掛けられた転送魔法は……おそらく古代魔法じゃ。」
「作られたのが100年前程度なのに、古代魔法が使われているんでしょうか?」
「作った者が古代魔法の使い手じゃ。おそらく迷宮の主で、今もまだ健在なのじゃろう。転送魔法には相手の強さに応じて転送先を変更する細工がしてあった。そなたらとロア達とで転送先が異なるのはそういう仕組みじゃ。これは決して偶然の産物ではない。」
「転送罠って普通は転送先の指定なんてしてへんのやけどな。罠ごときに手間かけてられへんっていう理由もあるやろうけど、できるんやったら、全部石の中にしとくやろうしな。」
「熟練の魔術師でも時間と魔力を消費するのじゃ。こんな物を作れるのは膨大な魔力を持て余した、偏屈者じゃろう。」
「いったい、何者なんでしょうか?」
「妾が生まれる前の時代の者なのは確実じゃ。古代魔法は妾の生まれた時代ですら、古代の遺物じゃったからのう。当然、迷宮の主の正体には見当がついておらぬ。」
「姐さんがそんなん言うんやったら、神話とかおとぎ話に出てくるようなヤツがおるんかもしれんなあ。候補やったら、魔法王とか金剛石の王、狂気の王、あげだしたらキリがあらへん。」
途方もない話だった。そんなとんでもない人がいるなんて思いもしなかった。そんな話を聞いていたら、勇者様が無事かどうか不安になってきた。どうか、本当に無事でいてほしい……。
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

巻き込まれた薬師の日常
白髭
ファンタジー
商人見習いの少年に憑依した薬師の研究・開発日誌です。自分の居場所を見つけたい、認められたい。その心が原動力となり、工夫を凝らしながら商品開発をしていきます。巻き込まれた薬師は、いつの間にか周りを巻き込み、人脈と産業の輪を広げていく。現在3章継続中です。【カクヨムでも掲載しています】レイティングは念の為です。

Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~
味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。
しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。
彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。
故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。
そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。
これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。

異世界無宿
ゆきねる
ファンタジー
運転席から見た景色は、異世界だった。
アクション映画への憧れを捨て切れない男、和泉 俊介。
映画の影響で筋トレしてみたり、休日にエアガンを弄りつつ映画を観るのが楽しみな男。
訳あって車を購入する事になった時、偶然通りかかったお店にて運命の出会いをする。
一目惚れで購入した車の納車日。
エンジンをかけて前方に目をやった時、そこは知らない景色(異世界)が広がっていた…
神様の道楽で異世界転移をさせられた男は、愛車の持つ特別な能力を頼りに異世界を駆け抜ける。
アクション有り!
ロマンス控えめ!
ご都合主義展開あり!
ノリと勢いで物語を書いてますので、B級映画を観るような感覚で楽しんでいただければ幸いです。
不定期投稿になります。
投稿する際の時間は11:30(24h表記)となります。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる