【第1部完結】勇者参上!!~東方一の武芸の名門から破門された俺は西方で勇者になって究極奥義無双する!~

Bonzaebon

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第3章 迷宮道中膝栗毛!!

第126話 ウーーーーッ、ワナッ!!

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「お次はどんな場所だ!」


 意を決して次なるダンジョンへとやってきた。さっきと同じで隔離された場所のためか、雰囲気がまるで違っていた。共通してるのはダンジョン内が普通に明るいということぐらいか?


「城の中みたいになってるな。」


 前の場所は洞窟の中の古代遺跡みたいな場所だった。今度は石材を規則正しく組み上げて作った感が漂っていた。前よりは新しく見える。実際はどうかわからんけど。


「さっそく、参るとしよう。」


 お面の人は率先して先を進んでいった。百年もさっきの場所に籠もっていたんだから無理もない。きっと鬱憤を晴らしたいに違いない。


「さてと……、」


 続いて足を踏み出した、そのとき、前にいたお面の人の姿が消えた。


「き、消えた!?」


 何が起きたのか!いきなり消えるなんて何事だ!罠か?敵か?突然のアクシデントに思わず身構えた。


「バカ!よく見ろ!」


 ファルちゃんが注意を促す。お面の人が消えた地点をよく見ると、穴が空いていた。落とし穴か!


「速攻、死んだか?お面の人!」


 思わず穴の側に駆け寄り、のぞき込む。お面の人は何事もなかったかのように立っていた。


「フフ。この程度では死なぬ。」


 こちらを見上げながら、お面の人は言う。ホントに平気なようだが、もしかして、罠はよけるより、受け止めて耐えるタイプなんだろうか?何も気にせずに歩いてたし。


「どうする?上ってこれるのか?」


 結構高さがある。しかも掴まれる様な物はなにもない。でも、一応聞いてみた。


「この先に通路がある。むしろ、それぞれの道を進むのも、また一興とは思わぬか?」


 一興て!楽しんでやがるのか、この野郎!ふてぶてしすぎるぞ、ブドー仮面!


「百年仕込みの根性は大したものだな?」


 ファルちゃんめ、うまいこと言いやがって!籠もってたり、主とかダンジョンそのものを無力化しているあたり、化け物じみている。


「じゃあ、そうするか!」

「お互い、どちらが先に主の居場所に到達出来るか競い合おうではないか。」


 遊びか!生きるか死ぬかの試練でそんなことするハメになるなんて。


「まあ、いいさ。ヤツのお手並みを見せてもらおう。……それに、アイツが俺たちの味方と決まったわけじゃない。」

「……?」


 ファルちゃんは意味深な事を最後に小声で付け足した。うん、まあ、確かにあやしいけど。


「では気を取り直して……、」


 落とし穴を飛び越え着地した瞬間、横から何かをぶつけられ、そのままぶっ飛んだ。しかも、壁に叩きつけられると思ったら、壁がなかった。


「何やってんだ、バカ野郎!」


 ファルちゃんの罵りを聞きながら、俺は下に落下していった。また、落とし穴か……。
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