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第3章 迷宮道中膝栗毛!!

第114話 数の暴力VS?ぶき

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「なんだそりゃ!?オモチャかよ!」


 ヤツらの言う通り、そんな風にも見えなくはない。少なくとも武器には見えない。刃がついているみたいだけど、どうやって使うのかさっぱりわからなかった。


「妖刀食い意地丸や!ミンチにされとうなかったら、あやまるのは今のうちやで?」


 言い終わると同時に、その珍妙な武器?の先端部分が高速回転し始めた。何か、想像してたのと違う!機械仕掛けとは!


「どんな武器だろうが構うもんか!やっちまえ!数ならこっちの方が圧倒的に上だ!」


 ヤツらは言葉通り数にまかせて、一斉に襲いかかってきた。数が多いのはやっかいだが、所詮は素人の集団だ。前と同じように返り討ちにしてやる。


「数の暴力!数の暴力ゥ!」


 相変わらず、卑怯臭い戦法をこれでもかというくらい繰り出してきた。数人のガン盾野郎共が槍で牽制するうちに、軽装のヤツが背後から一刺し狙ってくる。


「しゃらくせえ。まとめて吹っ飛んじまいな!」 


 その声と共に突風が巻き起こり、ガン盾野郎共は吹き飛ばされた。ファルちゃんか!


「なんだよ。俺の活躍を奪ってくれちゃってさあ!」


 俺は文句を言いつつ、残った一刺し野郎を失神させた。


「うるさい。少しは俺にも出番をよこせ。準備運動ぐらいはさせろ。お前はもう、豚相手に十分やっただろ。」

「へいへい。」


 豚相手の時は狭い通路での戦いだったので、魔法は使いづらい状況だった。今みたいに広い場所なら効果的に使えるのだろう。


「ほれほれ!どないした?ワシらを倒すんやなかったんか?」


 おっちゃんに任せていた残り半分のヤツらはみんな軒並み、すくみ上がっている。おっちゃんに手が出せないようだ。


「ちょ!お前行けよ!」

「お前の方こそ!」


 誰が前に出るかで揉めていた。ヤツらの盾をよく見ると、不自然な穴が何個か空いていた。これはもしかして……。


「はよせな、お前らの盾と同じ目にあうで?」


 あの妖刀なんとか丸の仕業であるようだ。盾にあんな大穴を開けるとは!常識外れの威力だ。


「ほな、行くで!」

「ひいいい!?」


 おっちゃんはヤツらに飛びかかっていった。一人、また一人となぎ倒していく。だが、さっきまでのおっちゃんの言葉とは裏腹に穴を開けられたり、ミンチにされているヤツは一人もいなかった。


「安心せい。峰打ちや!」


 峰打ち?あの武器の峰に相当する部分はどこなんだろう?……まさか!持っている拳の部分で殴っているのか?それって、その武器持ったままやらなくてもいいのでは……。


「きゃああああ!いやーっ!」


 何!広場の入り口付近で待機していたエルちゃんとメイちゃんの悲鳴が聞こえてきた。
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