【第1部完結】勇者参上!!~東方一の武芸の名門から破門された俺は西方で勇者になって究極奥義無双する!~

Bonzaebon

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第3章 迷宮道中膝栗毛!!

第113話 ボス部屋かな?

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「ふう。なんとか収まってきたようだな。」


 進むたびに出現する豚共の勢いはしばらく続いたが、それも次第に数が少なくなってきた。


「それにしても、おかしいとは思わないか。」


 ファルちゃんがこの事態に疑問を持っているようだ。確かに階段を下りてきたところから、ずっと襲撃は止まなかった。


「せや。これは常軌を逸しとる。なんかよからぬことでも起きとるんやないか?」

「エエ……!?物騒なこと言わないでよ。」


 迷宮に入ってしばらく経ったとはいえ、まだ地下二階だ。アクシデントが起きるのには早すぎるんじゃない?そんなに進行を巻いても何もいいことないよ?


「この先、広い空間があんねん。下手したら何か待ち構えとるかもしれん。覚悟しといた方がええで。」

「ボス豚が待ち構えてなんかいたりして?」

「そんな程度で済めばいいけどな?」


 広い空間につながっていると思われる入り口に、慎重に近付いていった。どんな敵や罠が来てもいいように。


「よし、入り口付近には罠自体はないみたいやな。」


 おっちゃんは念入りに罠の有無を確認した。その上で、何もないということは大丈夫なのだろう。あくまでも仕掛け的な罠はない、という意味では。


「準備はええか?ほな、突入するで。」


 敵の気配はするといえばする。さっきまでの豚共かもしれない。多数を倒したとはいえ、まだ潜んでいるかもしれないし、他の魔物もいるかもしれない。


「突入!」


 俺は思いきって飛び込んだ。すると、いきなり周囲が明るくなった。元々、ダンジョン内は魔法の灯りがついているが、この明るさは不自然だった。


「ハハッ!初心者ザマァでお馴染みの初心者狩りでーす!」


 広場を見渡すと品のない冒険者、というより山賊とか盗賊団みたいな連中が多数いた。さっき倒してきた豚共より数が多い。魔術師もいるみたいなので明るくしたのはコイツらの仕業だろう。


「勇者様ご一行ごあんなーい!俺らの仲間の恨み思い知るがいい!」


 昨日のヤツらの仲間のようだ。わざわざ仕返しに来るとはなかなか執念深いな。そんなエネルギーがあるならボランティアとか人の役に立つことに使えばいいのに。


「しゃあない。蹴散らすで!」

「ちがう!ちがう!蹴散らされるのはお前らだからー!」


 おふざけ全快でヤツらは煽ってくる。ムカツクなあ。成敗してやる!


「自分ら、笑うたり、泣いたりできへんようになっても知らんで?」

「うっせーよ!豚!」

「さよか。じゃあ、遠慮なしに蹴散らしたるわ!」


 おっちゃんはどこからともなく、奇妙な武器を取り出した。……え?ナニコレ?武器なの?
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