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第3章 迷宮道中膝栗毛!!

第100話 どんなチートを使いやがったんだ!?

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「ヘヘヘ!勝てるとでも思ってんの、勇者様?」 


 ほーう?余裕こいちゃって?甘い、甘いぞ、君たち!俺を初見から勇者と認識するヤツはだいたい弱い。額冠の力が及ぶってことは弱いってコト。つまり強さの判定器としても機能するのだ。便利だねえ!


「あーそう?勇者が負けるとでも思ってんの?」


 同じ言い方で煽ってやった。ヤツラ、見るからに顔が真っ赤になってきている。煽り耐性なさ過ぎでしょ。


「とりあえず、死んどけよ、テメエ!!」


 いいねえ!今時なかなかいないよ?こんなわかりやすい悪役。さあ、どう来る!……どんなことしても勝てない現実を見せてやろう!


「まずは俺からだ。行くぞ!」


 大きな盾と槍を持ったヤツが前に出てきた。盾を構えながら、槍を繰り出してきた。しかし、なんとへっぺり腰な攻撃なことか。


「うわー、どうしよう。攻撃できないやあ!」


 わざとらしく棒読みで言ってみた。


「ふはは!見よ!必殺の盾チク戦法だ!」


 こんなのが必殺とか!アホらしいにも程がある。そろそろ、こっちも行くか?


「おっと!足が滑った!」

(バン!)

「はうう!?」


 へっぴり槍を思い切り上から踏みつけてやった。この前、ガイコツ騎士相手に使った奇策だ。今回のヤツは生身の人間でも明らかに格下で雑魚だけど。


「ほい!破竹撃!」

(パカン!)

「た、盾がああ!?」


 盾を割ってやった。それはもう見事に真っ二つになった。そのまま、コイツは腰を抜かして尻餅をついた。ある意味盾が本体だったのかも。


「チクショウ!卑怯な手を使いやがって!剣士なのに足を使いやがった!」

「剣なんかで盾が割れるはずがない!どんなチートを使いやがったんだ!?」


 足を使っていけないなんてルールがあるのか?おまけに破竹撃をイカサマ扱いするとは身の程知らずなやつらめ!すると、そのとき、背後に気配を感じた。


「バカめ!隙だらけだぜ!」

(ブンッ!)

「な、なに!?消えた?」

「おやおや?お背中がお留守ですよ。空隙の陣!」 


 俺は攻撃を誘い、逆に背後に回り返し、峰打ちを喰らわせてやった。ケツにはケツだ。ケツ掘り合戦を制す者は戦いを制す!


「卑怯だ!ありえねえよ!そんな戦い方!出待ちじゃねえか!」


 ほーらまた言い始めた。自分の戦法が通じなくなったら、卑怯とか言う。ホント、何しても同じ事言いそう。


「クソ、クソ!おぼえてろよ、クソ野郎!!」


 リーダーは小悪党のお約束の台詞を吐き捨て逃げ始めた。


「……と見せかけて、シャッ!」


 隠し持っていた弩をこちらに向けて矢を撃ってきた。また、不意打ちか。そんなん無駄だぞ。


「落鳳波!」

(パシッ!……バキャッ!)


 飛んできた矢、ヤツが持っている弩を飛ばした斬撃でまとめて斬ってやった。


「ヒイイイィ!?俺のクロスボウがああぁ!?」

「安心しな!命まで取らねえよ!勇者様だからな!」


 感謝するがいい。この前、同じコトしてきた奴は首が胴体から離れてしまったんだぜ。


「うひへへへっ!姉ぇちゃんよ~!」


 成敗して満足していると、聞き覚えのある声でエルちゃんに迫るヤツがいた。
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