【第1部完結】勇者参上!!~東方一の武芸の名門から破門された俺は西方で勇者になって究極奥義無双する!~

Bonzaebon

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第3章 迷宮道中膝栗毛!!

第95話 ケッコウ・ヨリミチ・タノシイ、略してK・Y・T!

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「教習用のダンジョンに行く前にCFMを行うでヤンス!」


 C・F・M?ナニソレ?また、ワケワカラン専門用語が出てきたぞ。


「え?何? チョット・フリダシ・モドルとかの略?」

「な、ナンデヤネン…でヤンス!違うでヤンス!キャンプ・ファイアー・ミーティングの略でヤンス!」


 キャンプファイヤー?キャンプで焚き火でもすんの?面白おかしく歌ったり、踊ったり、飯でも食べたりするんかな?


「何で、キャンプファイヤー?」

「違うでヤンスぅ!ファイ、“アー”でヤンス!間違ってはいけないでヤンス!下手をすると、くびをはねられるでヤンス!クリティカルされるでヤンス!」


 なんだよそれ……。ヤーでもアーでもどっちでもいいじゃないか。結局、KFMって略してるのに。どうでもいいけど、くびをはねられるって何よ?


「ホントに素人でヤンスね。このままだと労災発生間違いなしでヤンス!」


 だってしょうがないじゃないか。ダンジョンは初めてなんだから。ついでに勇者もつい最近始めたばかりなんだが?


「話が脱線してしまったでヤンス。もとに戻してCFMを始めるでヤンス!想定される危険の感受性を養うトレーニングでヤンスよ!」


 犬の人は何やら絵が描かれた板を取り出して、テーブルの上に置いた。兜をかぶった猫の絵が描かれている。


「さて!この状況ではどんな危険が予測されるでしょうか?」

「……?」


 その絵は猫が宝箱を空けようとしている所が描かれていた。こんなので危険とか言われても……?首をかしげるしかない。


「うーん?鍵が間違ってたとか?」

「ち、違うでヤンス!そういう根本的な部分は考えないでもいいでヤンス!」

「あ、そうか!鎧を着ていない?そういうこと?」

「だから、それも違うでヤンスぅ!この絵の猫さんはそういうキャラクターだから、突っ込まなくていいでヤンス!」


 なんか犬の人は困っている。どっちも不正解だったのか。


「え、と、箱を開けると罠が発動するとか?」

「そうでヤンス!そういうのをお願いしたいでヤンス!」


 エルちゃんは遠慮がちに意見を出したが、そう言う意図で正しかったようだ。なんだよはじめっからそう言ってくれよ!犬の人!ワカランじゃないか!そして、さすがのエルちゃんである。


「じゃあ、俺も一つ!箱を開けて、お宝を取り出したときに、お宝で怪我をするとか?」

「そんなレアケースはどうでもいいでヤンス!それはただ単にドジなだけでヤンス!」

「ええ~?違うの?」


 チクショウ!俺の渾身の答えが違っているとは!いったい、どうすればいいんだ!


「ええい!これでどうだ!箱を開けようとしたときに後ろから攻撃される!」

「え、えーと?」


 犬の人はちょっと考えている。どっちなんだ?アリなのかナシなのか?


「ギリでありでヤンス。昔だったらアウトでヤンスけど。最近この手の被害が増えてるでヤンスからセーフにするでヤンス。」


 え?実際あるの?なにそれコワイ。


「あー、もう次のラウンドに行くでヤンス!その危険に対して考えられる対策を挙げて欲しいでヤンス!」


 対策って。対策なら一番いいのがあるじゃないか。


「宝箱を開けない!」

「それだと、KFM全否定でヤンスよう!」

「じゃあ、ダンジョンに入らないとか?」

「同じでヤンスよう!」


 え?対策って、そう言う意味じゃないの?触らぬ神に祟りなしって言うじゃない?ダメ?


「勇者様のケースだと、箱を開ける前に周囲をよく確認するとかで、どうでしょう?」

「そうそう!そういうのが欲しかったでヤンス!こちらのお嬢さんの方が物わかりがいいでヤンス!」


 悪かったな、物わかりが悪くて!


「じゃあ、エルちゃんの方の対策で、箱を開けるときに罠にかからないようにする!」

「だーかーらー!違うでヤンスぅ!そうじゃなくて、かからないようにするための対策を考えるでヤンスよう!」


 犬の人の全力のツッコミが事務所内にこだました。まるでソレは犬の遠吠えの様だった。……まあ、ホントに犬だけど。
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