【第1部完結】勇者参上!!~東方一の武芸の名門から破門された俺は西方で勇者になって究極奥義無双する!~

Bonzaebon

文字の大きさ
上 下
70 / 401
第2章 黒騎士と魔王

第70話 だから!邪魔だって言ってるだろ!!

しおりを挟む
「とわっ!……たっ!!」


 俺は必死に避け続けていた。ガイコツ騎士と暗殺者の連係攻撃は非常にやっかいだった。騎士の槍による攻撃は剣で相手をするには不利で、これまで一度も反撃を加えることは出来なかった。反撃のチャンスが巡ってきたと思ったら、暗殺者が鋭い一撃を差し込んでくる。一体どうすりゃいいんだ!


「その調子デす!ジャベリン、スコーピオ!トマホークが味わっタ苦痛を味あわセておやりナさい!」


 幸いなことに屍霊術師は全く加勢してこなかった。それだけ二体の不死戦士を信頼しているって事か?このオッサン、やけに死体に対して肩入れしてるな?敵の俺らはともかく、味方の魔女に対しても塩対応なくせに。やっぱり変態なのだろうか?


「おーっト!でましたヨ!ジャベリンお得意の槍撃波デすよ!」


 ガイコツが急に槍を頭上に構え、ぐるぐると回転させ始めた。屍霊術師の言葉通りなら、何かの技の前振りと考えた方がよさそうだ。


「カカカカッ!!」


 ガイコツ騎士は笑っているかのように、顎骨を上下させて音を鳴らしている。こちらを馬鹿にしているのか?


「カーーッ!」


 鋭い突きが繰り出される。一回だけじゃない。さっきまでの攻撃は本気じゃなかったのかというぐらいの連続攻撃をしてきた。こんなんじゃ、避けきれない。何度か攻撃が体を掠める。クソッ!


「ケケケッ!」


 こんな時に暗殺者の方も隙を窺っているのを気配で感じ取れた。為す術がない。どうする?後ろへ後退しつつ避けるしかなかった。


(ドンッ!)


 後退し続けているうちに、背中に堅い感触を感じた。とうとう、壁際まで追い詰められてしまったようだ。


「おやオや!もウ後がアりませんヨ!チェックメイトでス!」


 言われたとおり、後がない。もう、逃げ場は……、待てよ?壁際には追い詰められてしまったが、逆に考えれば、背中を狙われる危険はなくなる。この方が好都合じゃないか。


「さア、今度こそ止めを刺してオやりナさい!」


 向こうはこれで勝ったつもりでいるようだ。だったら、この状況を利用させて貰おう。見るとさっきと同じように槍を頭上で回転させている。同じ技でくるようだ。


「やれよ。俺はもうお手上げだ。」


 体の力を抜き、攻撃を待つ。一0八計、空隙の陣だ。


「はハっ!随分と諦めがヨろしいようでスね!」


「カーッ!」


 攻撃が来る。ギリギリまで引きつける。そして、体をわずかに横へ反らす。すると槍はその勢いのまま壁に突き刺さる。……狙い通りだ!そのまま勢いよく槍を横から踏みつける。


(バンッ!!)


 槍を踏みつけた衝撃でガイコツ騎士は体勢を崩した。


「一0八計、破竹撃!」


 槍を持つ手を断ち切る。これでもう攻撃は出来ないはずだ。


「さすが骨だね!骨ってのは良く割れる。竹みたいに!」


 その時、背後に鋭い殺気を感じた。暗殺者の方だ。


「落鳳波!」


 振り返りざまに斬撃を飛ばす。暗殺者の体は斜めに切り裂かれ、頭と右腕のある部分はその場にずり落ちた。


「おっと!忘れちゃいけない。こいつらは死体なんだった。」


 二度と復活できないようにあの技で追い打ちを掛ける。


「光裂八刃!!」


 まずは暗殺者、続けてガイコツ騎士。暗殺者は肉片、ガイコツは粉々になった。


「の、ノオオおオオっ!!」


 悲鳴を上げない死体戦士の代わりに変態屍霊術師が叫び声を上げる。ざまあみろ!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

巻き込まれた薬師の日常

白髭
ファンタジー
商人見習いの少年に憑依した薬師の研究・開発日誌です。自分の居場所を見つけたい、認められたい。その心が原動力となり、工夫を凝らしながら商品開発をしていきます。巻き込まれた薬師は、いつの間にか周りを巻き込み、人脈と産業の輪を広げていく。現在3章継続中です。【カクヨムでも掲載しています】レイティングは念の為です。

Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~

味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。 しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。 彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。 故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。 そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。 これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。

俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜

早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。 食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した! しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……? 「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」 そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。 無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

平凡冒険者のスローライフ

上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。 平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。 果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか…… ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。

異世界無宿

ゆきねる
ファンタジー
運転席から見た景色は、異世界だった。 アクション映画への憧れを捨て切れない男、和泉 俊介。 映画の影響で筋トレしてみたり、休日にエアガンを弄りつつ映画を観るのが楽しみな男。 訳あって車を購入する事になった時、偶然通りかかったお店にて運命の出会いをする。 一目惚れで購入した車の納車日。 エンジンをかけて前方に目をやった時、そこは知らない景色(異世界)が広がっていた… 神様の道楽で異世界転移をさせられた男は、愛車の持つ特別な能力を頼りに異世界を駆け抜ける。 アクション有り! ロマンス控えめ! ご都合主義展開あり! ノリと勢いで物語を書いてますので、B級映画を観るような感覚で楽しんでいただければ幸いです。 不定期投稿になります。 投稿する際の時間は11:30(24h表記)となります。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

処理中です...