らりぱっぱっぱっぱ

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エピローグ×紺野向葵

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「うう……」
 日差しが目にしみる。頭がズキズキ痛んで、胃がムカムカとした。これが二日酔いというやつか、と案外冷静な頭は思った。身にまとっているのは制服のワイシャツだけで、しかもはだけてしまっているから、いっそ脱いだ。
 灯はと言うと、全裸で丸くうずくまるように眠っている。
「うっぐ……」
 急にこみ上げた吐き気にトイレに駆け込んだ。ゲボゲボと吐きながら昨夜のことを思い出す。
 昨日はすごい夜だった。あまり多くのことは覚えていないけれど、楽しくて幸せな時間を過ごしたように思う。
 なにより灯が可愛かった。泣きながら悶えてる姿なんて、どうしようも昂ぶる。もっとあんな顔をさせたいと、思わないこともない。
「うわ……」
 あらかた吐き終わって、ふと見ると股間が盛り上がっている事に気付く。ただの朝勃ちなのか、それとも灯のことを考えたからなのかはわからないけど。
 灯にしゃぶって欲しいなあ、とほんのり思う。昨日ちょっとしゃぶってもらえたような気がした。
 せっかくのフェラを思い出そうとすると頭がズキンと痛んだ。まるで漫画やドラマの、大事な記憶を思い出そうとすると頭が痛くなる主人公のようだ。そんなカッコイイものではなく、ただの二日酔いだからしょうもないけど。
「んー、あかり……くっさ」
 部屋に戻ると、色んなものが混じり合った酷い臭いに、思わずその場で吐くかと思った。なんとか踏み止まりつつ、窓を全開にする。
 その間も、灯は目覚めずぐっすり眠っている。
「全然起きないな」
 ベッドに腰かけ、眠っている灯に触れた。頬を撫でると乾燥してるのかカサついているし、髪もバサバサだった。
 セックスした翌朝、可愛い彼女と……というシチュエーションにはほど遠い。
 でも、起きたらいなくなってた、よりは全然マシだ。そう思うと嬉しくなる。
「灯、起きないの?」
 眠ったままの灯に声をかけてもつまらない。それよりちょっとだけムラムラしてきてて、エッチな事をこっそりしたくなる。
「灯」
 これで起きたら諦めよう。そう決めて声をかけても、やっぱり起きる気配はない。
 じゃあ、いいよね。と、灯を仰向けにさせ、唇を重ねた。カサついた唇同士を何度か合わせて、舌を入れる。触れた舌先を絡めても、目覚めのキスにはならないらしい。
「は、あ……」
 ゆるく勃ち上がった性器はすっかり硬くなっていた。自分で擦るのも何だから、脱力している灯の手を取り握らせる。
「ん……」
 自分で灯の手を動かす他なかったけれど、それで十分だった。眠ってる灯に扱かせる、そんなシチュエーションに興奮する。
「あっ、あっあっあ、あ、っ」
 擦りながら、灯が起きてくれたらいいのに、と思った。でも、やっぱり起きない。
「イくっ、イくイくーー……」
 灯の手の中に果てて、その手を握らせた。起きた時に手がぐちゃぐちゃだったら怒るかな。いや、灯が怒るって想像出来ない。
「灯……」
 もう一回キスする。一瞬、まさか死んでるのかと疑ったがちゃんと呼吸していた。
「……俺のちんちんぺろぺろして」
 口にして顔が赤くなる。なんとなく覚えていた言葉を言ったけれど、俺はなんて恥ずかしい事を言ったんだろう。
 でも、一度タガが外れたからだろうか、こんな事をしても目覚めない灯にそれでもしゃぶって貰おうと、そう思った。
「起きない灯が悪い」
 眠る灯の唇に自身を擦り付ける。二、三度なぞって、それから口の中にねじ込んだ。
 がぽがぽと音をさせながら灯の口内を犯す。
 しゃぶって貰うというよりたしかに、犯すと言う方がしっくり来た。
 灯の事犯してる。そろそろ起きないと、本当に犯してしまいそう。
「あ、あっ、気持ちいい、灯、灯っ……」
「んっぐっぐふっごほっ」
 舌が押し返してきたから、奥まで突き入れる。喉を突いたらしく、灯はむせている。
「起きた? ごめんね、イくまで、まって」
 今ここで止めるなんて出来ない。灯の頭を膝で挟んで腰を振る。もう少し、あと少し。
「イくっイくイイっ……」
 ドクッドク。灯の口の中に射精した。
「ぐふっごふっうっうっ」
 苦しそうにむせる灯の鼻から精液らしい白い液体が吹き出す。それでも灯の口の中から自身を抜かないのは、俺の精子を出来るだけ飲みこんで欲しいからだ。
 目端から苦しくて溢れた涙が伝い落ちている。そんな顔を見たら、また勃ちそう。
「げほっげほ、ばかっ、死ぬっから、げほっ」
 どんと突き飛ばされ、灯がむせながら言う。
「ねえ、全部飲んだ?」
「はあ? 最初から喉の奥に出されたから否が応でもだろ」
「ごめん、だって灯起きないから」
「今度逆だったら喉で感じるまで犯すからな」
 半分本気で怒ってる灯なのに、俺は思わず笑みがこみ上げた。また、今度があるのなら嬉しいからだ。
「何笑ってんだよ。あー喉がやべえ」
「あ、お腹空いたんだけど食べ物ないの?」
「無いな。シャワー浴びて食いに行くか」


 灯とはその日以降二度と会えなかった。
 誰にも言えない行為を胸の奥にしまったまま過ごす。他の誰と出会っても、あのたった二回の行為を超えることは出来なかった。
 灯という人間に今でも恋してるのは、インモラルなセックスだけが原因なのだろうか。
 きっとそれだけじゃないと願いながら、一人自分を慰めた。
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