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幕間
決まりごと
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「ねえ、おかあさん。〝きゅうこうしゃ〟ってなあに?」
キッチンの入り口からひょっこりと顔を出した娘の問いに、夕食の支度をしていた村松恵理子は「んー?」と答えながら包丁を握る手を止めた。
(なんだっけ……何か言わなきゃいけないことがあったような……)
〝きゅうこうしゃ〟という音には聞き覚えがある。それもただの単語としてだけでなく、何かしらの情報も付随していたはずだ。
(ああ、そうだ)
記憶を辿っていくと、恵理子の脳裏には数ヶ月前のことが蘇った。
ちらほらと雪が降る中行った、小学校の入学説明会。そこで想定通りの内容が話された後、学校側から他の小学校にはないであろう補足をされたのだ。
『来る途中にご覧になられた方もいらっしゃるかもしれませんが、この校舎の近くには昭和の終わりまで使われていた木造の旧校舎があります。老朽化により大変危険なため、お子様には決して旧校舎には入ってはいけないとご家庭でも厳しくご指導をお願いいたします』
旧校舎――これまでの人生でそう呼ばれる建物のある学校に通ったことのない恵理子にとって、その響きは新鮮だった。この学校には旧校舎があるのかと物珍しさはあったものの、担当者の説明には別段気になるところはなかった。恐らく子供が入らないよう対策はされているのだろうが、子供相手に絶対は有り得ない。彼らは時に大人が思いもよらぬ方法で目的を遂げてしまうこともあるのだ、学校からだけでなく親からも厳しく言っておけというのは何ら不思議なことではなかった。
(でも……)
担当者がこの話をしだした時、室内にいた保護者の一部が異様な雰囲気を漂わせたことが恵理子には気にかかった。
最初に気付いたのは前に座る女性の肩がびくりと揺れたこと。それだけだったら気にしなかったが、後ろの方から「あのことちゃんと教えなきゃね」とコソコソと話をする声が聞こえてきて、恵理子は何かあるのでは、と眉を顰めた。
恵理子は一月ほど前に夫の仕事の都合でこの地に越してきたばかりなのだ。夫婦とも縁もゆかりもない土地で、やっと新しい生活に慣れてきたところと言ってもいいだろう。
そのため地域の子を持つ親同士の間でのみやり取りされるような情報を恵理子はあまり知らない。娘のためにこの一ヶ月間できるだけ他の親とコミュニケーションを取って良好な関係性を作る努力はしてきたが、何を知らないのかすら分からないのだから大事なことを聞きそびれている可能性がある。
『あの、すみません。さっきの旧校舎の話なんですけど――』
だから恵理子は説明会が終わった後、先程肩を揺らしていた女性に声をかけた。
「――おかあさん?」
不思議そうな娘の声で、恵理子ははっと意識を戻した。
「ああ、ごめんね。旧校舎だよね?」
包丁をまな板に置き、娘へと顔を向ける。
「そう! りっちゃんがあした〝きゅうこうしゃ〟みてみようって!」
娘の無邪気な発言に恵理子は困ったような表情を作ると、「うーん、それはお母さんが一緒の時にしてほしいな」と視線を合わせるようにして屈み込んだ。
「小学校の近くに古い建物あるでしょ? 前に祐奈が『お化け出そう』って言ってたとこ」
「うん、はいっちゃだめなとこでしょ?」
「そう。あれが旧校舎なの」
恵理子が言うと、娘――祐奈は驚いたように目をまんまるに見開いた。
「じゃありっちゃん、だめなことしようとしてるの?」
「うーんと……遠くから見るだけならいいんだけど、怖いところだから大人が一緒じゃない時はできるだけ近くに行かないで欲しいの」
「こわいって?」
こてんと首を傾げた祐奈に、恵理子はどうしたものか、と思考を巡らせた。
入学説明会の後に件の女性に聞いた話では、あの旧校舎ではかつて殺人事件があったらしい。それを正直に小学校に上がったばかりの娘に言う気にもなれず、恵理子は少し考えてから、「あそこに入っちゃうとね……――」と祐奈の耳元に口を寄せた。
「――もう帰ってこれなくなっちゃうの!」
ばっと祐奈の両肩を掴みながら言えば、「きゃー!」と期待通りの反応が返ってくる。恵理子は「行かなきゃ大丈夫だよ」と娘を宥めながら、改めて顔を向き合わせた。
「あとね、あそこには絶対に一人で隠れちゃ駄目」
「かくれる? はいっちゃだめなのに?」
「そうだね、祐奈は入らないって約束守れるから関係ないかも。でももしお友達であそこに隠れようとしている子がいたら、ちゃんと祐奈が『一人で隠れちゃ駄目だよ』って止めてあげてね」
「ゆうながいっしょにかくれればいいの?」
「それは祐奈が旧校舎に入っちゃうってこと?」
少し意地悪な言い方をすれば、母の発言の意味に気付いた祐奈ははっとしたように口を開けた。
「あっ……はいっちゃだめ!」
「そうそう。祐奈は偉いからお母さんとの約束守れるね?」
「うん!」
素直な我が子を見ながら、恵理子はふうと胸を撫で下ろした。
『あの旧校舎に一人で隠れちゃいけないの――それをお子さんにも必ず教えてあげて』
自分が旧校舎のことを尋ねた時、少し困惑しながらも色々と教えてくれた女性。彼女は最後にそう付け加えたが、恵理子にはその意味がよく分からなかった。
分からなかったが、大事なことだというのは相手の雰囲気から察することができた。『入っちゃいけないってことじゃなくて?』という自分の確認に、彼女ははっきりと『一人で隠れちゃ駄目ってこと』と同じ答えを返したのだ。理由を尋ねてもはぐらかされたが、その有無を言わせぬ空気は冗談を言っているようには思えなかった。それどころか、たとえ自分には意味が分からなくともその言葉自体に意味があるのだろうと思わされるほどに鬼気迫るものがあったのだ。
さらに恵理子は念の為祐奈が小学校に入学するまでの間に複数の親に聞いてみたが、それを知っている親たちは全員口を揃えて『一人で隠れてはいけない』と言っていた。入学説明会での彼女のような凄みはなかったが、誰一人として冗談だと考えているようには見えなかった。
となれば、自分もそれに倣うべきだ、と恵理子が考えるのは当然のことだろう。このあたりはそこまで田舎ではないが、こういった地域のルールというのは守っておいた方がいい。母親の自分が下手なことをして、娘ごと一家が地域の爪弾きにされてしまうのだけは避けたかった。
「あしたりっちゃんにもおしえてあげなきゃ」
「うん、よろしくね」
(今度りっちゃんのお母さんと話さないと……)
娘の友人の親はこのあたりの出身ではないのだろうか。まだそこまで踏み込んだ会話をしたことはなかったが、もし自分のように他県から来たのであれば知らなくても無理はない。
(それに……)
漠然とした予感だが、これは我が子の安全に関わることのような気がする――そう思いながら、恵理子は夕食の支度を再開した。
キッチンの入り口からひょっこりと顔を出した娘の問いに、夕食の支度をしていた村松恵理子は「んー?」と答えながら包丁を握る手を止めた。
(なんだっけ……何か言わなきゃいけないことがあったような……)
〝きゅうこうしゃ〟という音には聞き覚えがある。それもただの単語としてだけでなく、何かしらの情報も付随していたはずだ。
(ああ、そうだ)
記憶を辿っていくと、恵理子の脳裏には数ヶ月前のことが蘇った。
ちらほらと雪が降る中行った、小学校の入学説明会。そこで想定通りの内容が話された後、学校側から他の小学校にはないであろう補足をされたのだ。
『来る途中にご覧になられた方もいらっしゃるかもしれませんが、この校舎の近くには昭和の終わりまで使われていた木造の旧校舎があります。老朽化により大変危険なため、お子様には決して旧校舎には入ってはいけないとご家庭でも厳しくご指導をお願いいたします』
旧校舎――これまでの人生でそう呼ばれる建物のある学校に通ったことのない恵理子にとって、その響きは新鮮だった。この学校には旧校舎があるのかと物珍しさはあったものの、担当者の説明には別段気になるところはなかった。恐らく子供が入らないよう対策はされているのだろうが、子供相手に絶対は有り得ない。彼らは時に大人が思いもよらぬ方法で目的を遂げてしまうこともあるのだ、学校からだけでなく親からも厳しく言っておけというのは何ら不思議なことではなかった。
(でも……)
担当者がこの話をしだした時、室内にいた保護者の一部が異様な雰囲気を漂わせたことが恵理子には気にかかった。
最初に気付いたのは前に座る女性の肩がびくりと揺れたこと。それだけだったら気にしなかったが、後ろの方から「あのことちゃんと教えなきゃね」とコソコソと話をする声が聞こえてきて、恵理子は何かあるのでは、と眉を顰めた。
恵理子は一月ほど前に夫の仕事の都合でこの地に越してきたばかりなのだ。夫婦とも縁もゆかりもない土地で、やっと新しい生活に慣れてきたところと言ってもいいだろう。
そのため地域の子を持つ親同士の間でのみやり取りされるような情報を恵理子はあまり知らない。娘のためにこの一ヶ月間できるだけ他の親とコミュニケーションを取って良好な関係性を作る努力はしてきたが、何を知らないのかすら分からないのだから大事なことを聞きそびれている可能性がある。
『あの、すみません。さっきの旧校舎の話なんですけど――』
だから恵理子は説明会が終わった後、先程肩を揺らしていた女性に声をかけた。
「――おかあさん?」
不思議そうな娘の声で、恵理子ははっと意識を戻した。
「ああ、ごめんね。旧校舎だよね?」
包丁をまな板に置き、娘へと顔を向ける。
「そう! りっちゃんがあした〝きゅうこうしゃ〟みてみようって!」
娘の無邪気な発言に恵理子は困ったような表情を作ると、「うーん、それはお母さんが一緒の時にしてほしいな」と視線を合わせるようにして屈み込んだ。
「小学校の近くに古い建物あるでしょ? 前に祐奈が『お化け出そう』って言ってたとこ」
「うん、はいっちゃだめなとこでしょ?」
「そう。あれが旧校舎なの」
恵理子が言うと、娘――祐奈は驚いたように目をまんまるに見開いた。
「じゃありっちゃん、だめなことしようとしてるの?」
「うーんと……遠くから見るだけならいいんだけど、怖いところだから大人が一緒じゃない時はできるだけ近くに行かないで欲しいの」
「こわいって?」
こてんと首を傾げた祐奈に、恵理子はどうしたものか、と思考を巡らせた。
入学説明会の後に件の女性に聞いた話では、あの旧校舎ではかつて殺人事件があったらしい。それを正直に小学校に上がったばかりの娘に言う気にもなれず、恵理子は少し考えてから、「あそこに入っちゃうとね……――」と祐奈の耳元に口を寄せた。
「――もう帰ってこれなくなっちゃうの!」
ばっと祐奈の両肩を掴みながら言えば、「きゃー!」と期待通りの反応が返ってくる。恵理子は「行かなきゃ大丈夫だよ」と娘を宥めながら、改めて顔を向き合わせた。
「あとね、あそこには絶対に一人で隠れちゃ駄目」
「かくれる? はいっちゃだめなのに?」
「そうだね、祐奈は入らないって約束守れるから関係ないかも。でももしお友達であそこに隠れようとしている子がいたら、ちゃんと祐奈が『一人で隠れちゃ駄目だよ』って止めてあげてね」
「ゆうながいっしょにかくれればいいの?」
「それは祐奈が旧校舎に入っちゃうってこと?」
少し意地悪な言い方をすれば、母の発言の意味に気付いた祐奈ははっとしたように口を開けた。
「あっ……はいっちゃだめ!」
「そうそう。祐奈は偉いからお母さんとの約束守れるね?」
「うん!」
素直な我が子を見ながら、恵理子はふうと胸を撫で下ろした。
『あの旧校舎に一人で隠れちゃいけないの――それをお子さんにも必ず教えてあげて』
自分が旧校舎のことを尋ねた時、少し困惑しながらも色々と教えてくれた女性。彼女は最後にそう付け加えたが、恵理子にはその意味がよく分からなかった。
分からなかったが、大事なことだというのは相手の雰囲気から察することができた。『入っちゃいけないってことじゃなくて?』という自分の確認に、彼女ははっきりと『一人で隠れちゃ駄目ってこと』と同じ答えを返したのだ。理由を尋ねてもはぐらかされたが、その有無を言わせぬ空気は冗談を言っているようには思えなかった。それどころか、たとえ自分には意味が分からなくともその言葉自体に意味があるのだろうと思わされるほどに鬼気迫るものがあったのだ。
さらに恵理子は念の為祐奈が小学校に入学するまでの間に複数の親に聞いてみたが、それを知っている親たちは全員口を揃えて『一人で隠れてはいけない』と言っていた。入学説明会での彼女のような凄みはなかったが、誰一人として冗談だと考えているようには見えなかった。
となれば、自分もそれに倣うべきだ、と恵理子が考えるのは当然のことだろう。このあたりはそこまで田舎ではないが、こういった地域のルールというのは守っておいた方がいい。母親の自分が下手なことをして、娘ごと一家が地域の爪弾きにされてしまうのだけは避けたかった。
「あしたりっちゃんにもおしえてあげなきゃ」
「うん、よろしくね」
(今度りっちゃんのお母さんと話さないと……)
娘の友人の親はこのあたりの出身ではないのだろうか。まだそこまで踏み込んだ会話をしたことはなかったが、もし自分のように他県から来たのであれば知らなくても無理はない。
(それに……)
漠然とした予感だが、これは我が子の安全に関わることのような気がする――そう思いながら、恵理子は夕食の支度を再開した。
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