ドジっ子鷹華ちゃんのウェイトレス奮闘記

これから

閉店時間となり、一日の仕事を終えてくたくたになった鷹華は、事務室の椅子に腰かけて休憩を取っていた。
「鷹華、今日いちにちお疲れ様」
レジの清算を終えたマネージャーが事務室へ入って来た。
「マネージャーさんこそ、お疲れさまでした」
鷹華は答えた。
マネージャーは空いている椅子に腰かけて、話し始めた。
「さて、ウェイトレスとしての君の今日一日の仕事ぶりを見ていたんだが……」
「……」
その場に緊張が走った。
「……思った以上によくやってくれてたよ」
「そうですか、良かった～」
鷹華の表情が一気に明るくなった。
「あの、マネージャー、ちょっといいですか？」
「ん、どうかしたのか」
「実は、私……」
鷹華はマネージャーに本当の事を言っておこうと思った。
「……君、人と話すのが苦手なんだろ？」
「ギクッ」
鷹華は図星を突かれて唖然とした。
マネージャーには全て見抜かれてたのだ。
「……どうしてそれが分かったんですか！？」
「毎日いろんな人と接する仕事をしていると、分かるようになるんだよ。そんな事は、君と初めて会った時からお見通しだったさ」
「そうですか」
「でも、だからこそ、それを克服して欲しいから、君にウェイトレスの仕事を任せてみる事にしたんだよ」
「そうだったんですか！」
「なぁ、鷹華」
マネージャーは鷹華に声をかけた。
「何でしょうか」
「明日からもうちの店でウェイトレスとして働いてくれるね？」
マネージャーは鷹華に質問した。
「はいっ、もちろんです。鷹華、頑張ります！」
鷹華は満面の笑顔で返事をした。