ドジっ子鷹華ちゃんのウェイトレス奮闘記

いちや

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最後のチャンス

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学校の授業が終業になった後、鷹華はアルバイト先のレストランに向かった。
鷹華は昨日の夜からずっと憂鬱な気分が抜けなかった。
人と話すのが苦手なのに、場の勢いで、あろうことかウェイトレスを志願してしまったからだ。
「このままアルバイトに行かず、逃げちゃおうかな」
鷹華の頭の中を色々な考えがよぎるものの、勤務先のレストランに到着した。
「いや、そんな訳にはいかない。お仕事を任せてもらった以上、精いっぱい頑張らなきゃ」
鷹華は覚悟を決めると、ドアを開けて店に入った。
「おはようございまーす」
鷹華はマネージャーにあいさつした。
「おはよう、鷹華。それじゃ、昨日言った通り、ウェイトレスの仕事を頼むよ」
「はい」
鷹華は更衣室へ行き、ユニフォームに着替えた。
「マネージャー、準備できました」
「よし。早速お客様がお呼びだから、ご注文を聞いて」
「わ、分かりました……」
鷹華は手を挙げているお客のところへ向かい、勇気を振り絞って、オーダーを待っているお客に声をかけた。
「……あの、えーと。ご、ご注文をお、おおおおお伺いいたします……」
どちらかと言うと陰キャで人と話すのに慣れていない鷹華は、緊張してしまった。
「ビーフシチューのBセット、それにハンバーグステーキのサラダセット。ドリンクはオレンジジュースとコーラで」
鷹華は聞き洩らさないよう、必死でメモを取った。
「はい、えーと、あの……ご注文はビーフシチューのBセット、それにハンバーグステーキのサラダセット、お飲み物はオレンジジュースとコーラででよろしいですか?」
「うん、間違いないよ」
お客さんからの答えを聞いて、ほっと一安心する鷹華。
「ひょっとして、今日初めてのウェイトレスさん?」
お客さんは何の気なしに鷹華に訊いた。
図星。
鷹華の心臓はバクバクだった。
「は、はい、そそそそそうなんですよ……」
お客さんの質問に答える鷹華。
「ふぅん、お仕事頑張ってね」
「……ありがとうございますっ!」
鷹華はお客さんにお礼を言った後、急いで調理場に行き、オーダーをコックに伝えた。
「やった、何とか出来た!この調子ならいけるかも」
そっけない励ましの言葉だったが、鷹華はお客さんに声をかけてもらった事で自信をつけた。
鷹華はその後もお客さんからオーダーを必死で取り、料理を運び、ウェイトレスとしての仕事を必死でこなした。
途中、オーダーを聞き間違えたり、持って行く座席を間違えたり、料理を落としそうになったものの、何とか無事に一日の仕事を終える事が出来た。
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