2 / 4
2話 パンは草から出来るって
しおりを挟む
「イアン、こんなところにいた」
さわさわと揺らめく桜の木。その枝の上に寝そべるイアンは、本を閉じて声の方を見やる。呆れた様子で見上げたサミュエルは、木刀を担ぎ直した。
「神父様、また怒ってるよ。悪戯っ子が出たって」
「ふふん、トカゲが苦手なのがいけないんだ」
舌を出して見せれば、「イアン」と窘める声が聞こえる。
出会いから早くも五年。
サミュエルが王信仰にのめり込むのと相反して、イアンは自らを抑えることをやめた。優等生イアンはいつしか悪戯っ子イアンへと変わり、対するサミュエルは変人から天才へ。
ひとえにこれは策略であった。障害となる優等生の地位を下げることで、サミュエルの地位を上げる。イアンへと集まっていた羨望の視線は無垢な少年へと移り、イアンは晴れて自由の身――そういう魂胆であった。
我ながら行き当たりばったりな策略ではあるが、人間らしいことだと余所の目には映っているだろう。そう信じるばかりだ。
ふとサミュエルの手元に視線を落とすと、そこには紫の花があった。花弁の反り返る小さな花を無数につけた束は、サミュエルに毒々しく怪しい魅力を滲《にじ》ませる。昔話で語られる呪いの宝石とは、きっとこのような見た目なのだろう。
「それ、イミリンドウ?」
「うん、お茶にするからって。訓練が終わったら飲もうって話をしてたんだけど……イアン、聞いてなかったの?」
五十度以上の水温で煎じると普通の茶として飲むことが可能だが、冷えると途端に毒性を発するようになる。
奇怪な特徴こそ持っているものの、野草でありながら甘く芳ばしい茶を煮出すこの花は、金のないダージリン教会では嗜好品として尊ばれている。
「おれはパス。そんな毒物、飲む気になれないよ。それに訓練だって参加してないし」
「……昔は真面目だったのに」
「昔と言ったって、出会ったばかりの頃のことでしょう? 何年前だと思ってるの。いいんだよ、それなりに戦えれば。遠征に支障は出ないから」
カップランドには『遠征』という制度がある。孤児や戦闘職の家系に生まれた子供は、物心ついた頃から訓練を始め、成人を迎える十三の年にカップランドを出ていく。
目標はたった一つ。『プレイヤー』と呼ばれる人物の捜索である。
「遠征には前向きなんだね」
「そりゃあね。結構楽しみにしてるんだよ、これでも」
「壁の外を見たいから?」
「世界を見たいから」
希望はとうの昔に失った。そう思い込んでいたが、どうやら神はイアンを見捨てなかったようである。
教会の隣に建つ、大きな図書館。人っ子一人立ち入らず、今にも倒れてしまいそうな様相を呈《てい》しているが、中には膨大な知識が詰まっていた。ホコリを払い、紙魚の這った跡のあるページを捲り、舞い上がるホコリにくしゃみをする。
知れば知るほど、知らないことが出て来る。それは非常に不思議な感覚だった。同時に世界に希望を見出した瞬間だった。世界は自分の範疇に収まらない、それを知ってようやく世界が『生きている』ように感じたのだ。
「知る度に、知らないことが増えていく――案外おれって学者気質なのかもね?」
「少なくとも、僕よりはそうだと思うよ」
「座学苦手だもんなぁ、サミューは」
「授業を受けない人よりはマシだよ」
「復習したって意味ないし。文句なら神父様に言って」
身を起して、少しきつい靴を木から降ろす。すると早く降りろと言わんばかりにサミュエルがイアンの足を引っ張った。
「……神父様から、早くパートナーを選べって言われた」
「へえ?」
「僕に“余りもの”を宛がうのは王の意志に反するって」
ついに来たか。イアンは目を細める。
遠征においては二人一組が基本である。来たるべき日に備えて、イアンも相棒の品定めをしていた。それに際して重視するのは己が隠れられること、つまり相方が『目立つこと』であった。
「おれが一緒に行ってあげようか」
「えっ」
「弓矢を持って突っ込む馬鹿を扱えるの、おれくらいでしょ?」
サミュエルは才も美も両方を兼ね備える。
一年と掛からず剣の技を習得したにも関わらず今度は弓を鍛錬し、しかもその腕前と言えば、さながらタカのようである。短気なところがあるのが玉に瑕だが、戦闘能力も容姿も人の御業とは思えないくらいに抜きん出ている。
願ってもない申し出であった。いつ切り出してやろうか、イアンも機を窺っていたのである。サミュエルならば断わるまい。それどころかその美しい容貌を綻ばせて頷く筈――そう、思っていたのだが。
「……本当に、僕でいいの」
彼の口から飛び出したのは、迷いだった。
「妥協で死出の旅の相棒を選んだりしないよ」
「死出の旅だなんて不謹慎な……」
ひらりとイアンは桜の木から飛び降りる。サミュエルの横に着地すると、少しだけ高くなったサミュエルの目がくるりと見下ろす。色素の薄い髪が睫毛に掛かり、影を落とした。
「イアンはいつも『今』を見ていないだろう? ずっとずっと先のことを考えている。『今』で精一杯な僕じゃなくて、もっと頭がいい人を相棒に選ぶべき……だと思う」
「へえ、サミューはおれが頭悪いって言いたいんだ?」
「なっ、なんでそうなるんだよ!」
目尻を吊り上げたサミュエルが声を張る。その必死の形相に、イアンは思わず噴き出した。
「サミューがおれを『賢い』と思うなら、黙っておれの言うことを聞いておくべきじゃない? 言ったろ、おれは妥協で選ばない。おれがサミューを相棒に選ぶこと、これは何よりも最善の選択だ。他の奴等じゃ務まらない」
「本当に?」
「本当だって。何で今日に限ってそんなに疑り深いのかな~」
つん、と皺《しわ》の寄った眉間を突く。
「おれが今まで嘘を吐いたこと、ある?」
「この前パンは草から出来るって言った」
「あれは本当のことだよ」
「パンが成ってる草なんて見たことない」
「そりゃそうでしょうよ。そんな夢のような植物があったら、こっちが見てみたいよ!」
「あと小麦粉も草って――」
「だーかーらー、それも本当! 全く……一度農家に連れて行かないと治らないかな、この馬鹿は。それとも粉曳き小屋?」
こめかみを揉み、気持ちを落ち着ける。するとどこからか、くすくすと笑みの零れる音が聞こえてきた。サミュエルだ。細身を折り曲げて肩を震わせている。
久し振りだった、サミュエルがここまで笑うのは。
「何がそんなに面白いのさ」
「ふふ……いや、悩んでいた僕が馬鹿みたいで。いつも通りで安心した」
サミュエルはサミュエルなりに考えていたのだろう。サミュエルがイアンと組む時、イアンにどのような損失があるか。自らの所為で、イアンが我慢をしてしまわないか。
少年がダージリン教会に出入りするようになってからというもの、イアンの世界は色づいた。無垢という雫は、瞳を濁す黒い灰を拭い落としたのであった。しかし同時に、それは『優等生イアン』の死を意味していた。
イアンが『優等生』たる所以は、それ以外に自分の身を守る術がなかった、ということにある。
神父に気に入られれば食事時間外にこっそりお菓子をもらえるし、遠征に際してはパートナーを選択する権利が与えられる。優等生を演じることで、悪戯っ子を宥めていたのである。
しかしサミュエルが来てからはどうだろうか。サミュエルは才能の塊である。イアンが被る優等生の皮では補えなかった武術の習得を優にやってみせた。しかもイアンとの仲も悪くない。
イアンは利用したのだった。サミュエルを、才色に富んだ無地の獣を。
「……ああ、馬鹿だよ。本当に」
全部、イアンの思い通りだとも知らずに。
ひとしきり笑い終わった後、二人は顔を見合わせる。サミュエルの宝石のような目に、迷いはなかった。
「どうか死ぬまで――よろしく頼むよ、相棒」
「もちろん。王の願いを叶える為に」
信念の異なる二人の少年、イアンとサミュエル。同胞と両親にそれぞれ見送られ、壁の外へと旅立った。
齢十三の夏のことだった。
さわさわと揺らめく桜の木。その枝の上に寝そべるイアンは、本を閉じて声の方を見やる。呆れた様子で見上げたサミュエルは、木刀を担ぎ直した。
「神父様、また怒ってるよ。悪戯っ子が出たって」
「ふふん、トカゲが苦手なのがいけないんだ」
舌を出して見せれば、「イアン」と窘める声が聞こえる。
出会いから早くも五年。
サミュエルが王信仰にのめり込むのと相反して、イアンは自らを抑えることをやめた。優等生イアンはいつしか悪戯っ子イアンへと変わり、対するサミュエルは変人から天才へ。
ひとえにこれは策略であった。障害となる優等生の地位を下げることで、サミュエルの地位を上げる。イアンへと集まっていた羨望の視線は無垢な少年へと移り、イアンは晴れて自由の身――そういう魂胆であった。
我ながら行き当たりばったりな策略ではあるが、人間らしいことだと余所の目には映っているだろう。そう信じるばかりだ。
ふとサミュエルの手元に視線を落とすと、そこには紫の花があった。花弁の反り返る小さな花を無数につけた束は、サミュエルに毒々しく怪しい魅力を滲《にじ》ませる。昔話で語られる呪いの宝石とは、きっとこのような見た目なのだろう。
「それ、イミリンドウ?」
「うん、お茶にするからって。訓練が終わったら飲もうって話をしてたんだけど……イアン、聞いてなかったの?」
五十度以上の水温で煎じると普通の茶として飲むことが可能だが、冷えると途端に毒性を発するようになる。
奇怪な特徴こそ持っているものの、野草でありながら甘く芳ばしい茶を煮出すこの花は、金のないダージリン教会では嗜好品として尊ばれている。
「おれはパス。そんな毒物、飲む気になれないよ。それに訓練だって参加してないし」
「……昔は真面目だったのに」
「昔と言ったって、出会ったばかりの頃のことでしょう? 何年前だと思ってるの。いいんだよ、それなりに戦えれば。遠征に支障は出ないから」
カップランドには『遠征』という制度がある。孤児や戦闘職の家系に生まれた子供は、物心ついた頃から訓練を始め、成人を迎える十三の年にカップランドを出ていく。
目標はたった一つ。『プレイヤー』と呼ばれる人物の捜索である。
「遠征には前向きなんだね」
「そりゃあね。結構楽しみにしてるんだよ、これでも」
「壁の外を見たいから?」
「世界を見たいから」
希望はとうの昔に失った。そう思い込んでいたが、どうやら神はイアンを見捨てなかったようである。
教会の隣に建つ、大きな図書館。人っ子一人立ち入らず、今にも倒れてしまいそうな様相を呈《てい》しているが、中には膨大な知識が詰まっていた。ホコリを払い、紙魚の這った跡のあるページを捲り、舞い上がるホコリにくしゃみをする。
知れば知るほど、知らないことが出て来る。それは非常に不思議な感覚だった。同時に世界に希望を見出した瞬間だった。世界は自分の範疇に収まらない、それを知ってようやく世界が『生きている』ように感じたのだ。
「知る度に、知らないことが増えていく――案外おれって学者気質なのかもね?」
「少なくとも、僕よりはそうだと思うよ」
「座学苦手だもんなぁ、サミューは」
「授業を受けない人よりはマシだよ」
「復習したって意味ないし。文句なら神父様に言って」
身を起して、少しきつい靴を木から降ろす。すると早く降りろと言わんばかりにサミュエルがイアンの足を引っ張った。
「……神父様から、早くパートナーを選べって言われた」
「へえ?」
「僕に“余りもの”を宛がうのは王の意志に反するって」
ついに来たか。イアンは目を細める。
遠征においては二人一組が基本である。来たるべき日に備えて、イアンも相棒の品定めをしていた。それに際して重視するのは己が隠れられること、つまり相方が『目立つこと』であった。
「おれが一緒に行ってあげようか」
「えっ」
「弓矢を持って突っ込む馬鹿を扱えるの、おれくらいでしょ?」
サミュエルは才も美も両方を兼ね備える。
一年と掛からず剣の技を習得したにも関わらず今度は弓を鍛錬し、しかもその腕前と言えば、さながらタカのようである。短気なところがあるのが玉に瑕だが、戦闘能力も容姿も人の御業とは思えないくらいに抜きん出ている。
願ってもない申し出であった。いつ切り出してやろうか、イアンも機を窺っていたのである。サミュエルならば断わるまい。それどころかその美しい容貌を綻ばせて頷く筈――そう、思っていたのだが。
「……本当に、僕でいいの」
彼の口から飛び出したのは、迷いだった。
「妥協で死出の旅の相棒を選んだりしないよ」
「死出の旅だなんて不謹慎な……」
ひらりとイアンは桜の木から飛び降りる。サミュエルの横に着地すると、少しだけ高くなったサミュエルの目がくるりと見下ろす。色素の薄い髪が睫毛に掛かり、影を落とした。
「イアンはいつも『今』を見ていないだろう? ずっとずっと先のことを考えている。『今』で精一杯な僕じゃなくて、もっと頭がいい人を相棒に選ぶべき……だと思う」
「へえ、サミューはおれが頭悪いって言いたいんだ?」
「なっ、なんでそうなるんだよ!」
目尻を吊り上げたサミュエルが声を張る。その必死の形相に、イアンは思わず噴き出した。
「サミューがおれを『賢い』と思うなら、黙っておれの言うことを聞いておくべきじゃない? 言ったろ、おれは妥協で選ばない。おれがサミューを相棒に選ぶこと、これは何よりも最善の選択だ。他の奴等じゃ務まらない」
「本当に?」
「本当だって。何で今日に限ってそんなに疑り深いのかな~」
つん、と皺《しわ》の寄った眉間を突く。
「おれが今まで嘘を吐いたこと、ある?」
「この前パンは草から出来るって言った」
「あれは本当のことだよ」
「パンが成ってる草なんて見たことない」
「そりゃそうでしょうよ。そんな夢のような植物があったら、こっちが見てみたいよ!」
「あと小麦粉も草って――」
「だーかーらー、それも本当! 全く……一度農家に連れて行かないと治らないかな、この馬鹿は。それとも粉曳き小屋?」
こめかみを揉み、気持ちを落ち着ける。するとどこからか、くすくすと笑みの零れる音が聞こえてきた。サミュエルだ。細身を折り曲げて肩を震わせている。
久し振りだった、サミュエルがここまで笑うのは。
「何がそんなに面白いのさ」
「ふふ……いや、悩んでいた僕が馬鹿みたいで。いつも通りで安心した」
サミュエルはサミュエルなりに考えていたのだろう。サミュエルがイアンと組む時、イアンにどのような損失があるか。自らの所為で、イアンが我慢をしてしまわないか。
少年がダージリン教会に出入りするようになってからというもの、イアンの世界は色づいた。無垢という雫は、瞳を濁す黒い灰を拭い落としたのであった。しかし同時に、それは『優等生イアン』の死を意味していた。
イアンが『優等生』たる所以は、それ以外に自分の身を守る術がなかった、ということにある。
神父に気に入られれば食事時間外にこっそりお菓子をもらえるし、遠征に際してはパートナーを選択する権利が与えられる。優等生を演じることで、悪戯っ子を宥めていたのである。
しかしサミュエルが来てからはどうだろうか。サミュエルは才能の塊である。イアンが被る優等生の皮では補えなかった武術の習得を優にやってみせた。しかもイアンとの仲も悪くない。
イアンは利用したのだった。サミュエルを、才色に富んだ無地の獣を。
「……ああ、馬鹿だよ。本当に」
全部、イアンの思い通りだとも知らずに。
ひとしきり笑い終わった後、二人は顔を見合わせる。サミュエルの宝石のような目に、迷いはなかった。
「どうか死ぬまで――よろしく頼むよ、相棒」
「もちろん。王の願いを叶える為に」
信念の異なる二人の少年、イアンとサミュエル。同胞と両親にそれぞれ見送られ、壁の外へと旅立った。
齢十三の夏のことだった。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】毒を飲めと言われたので飲みました。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。
国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。
悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
【完結】小さな元大賢者の幸せ騎士団大作戦〜ひとりは寂しいからみんなで幸せ目指します〜
るあか
ファンタジー
僕はフィル・ガーネット5歳。田舎のガーネット領の領主の息子だ。
でも、ただの5歳児ではない。前世は別の世界で“大賢者”という称号を持つ大魔道士。そのまた前世は日本という島国で“独身貴族”の称号を持つ者だった。
どちらも決して不自由な生活ではなかったのだが、特に大賢者はその力が強すぎたために側に寄る者は誰もおらず、寂しく孤独死をした。
そんな僕はメイドのレベッカと近所の森を散歩中に“根無し草の鬼族のおじさん”を拾う。彼との出会いをきっかけに、ガーネット領にはなかった“騎士団”の結成を目指す事に。
家族や領民のみんなで幸せになる事を夢見て、元大賢者の5歳の僕の幸せ騎士団大作戦が幕を開ける。

夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
その他、多数投稿しています!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる