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三十九、研究所のテスト
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アーリャは、超一流の魔道具師だ。
彼のつくる魔道具は国内だけでなく、海外からも高い評価をえていた。
ーアーリャの魔道具は、魔力が高いだけでなく、使う人の気持ちによりそっているー
道具を使った人達は誰もがそう称賛し、リピータになるのだ。
魔道具で莫大な富を得たアーリャは、何年か前にある島を買い取り、そこに研究所をたてた。
今ではその研究所は、魔法使いの憧れの職場の一つになっている。
「私がアーリャ研究所で働こうなんて、高望みもいいとこだったのよ」
自室の部屋の机の上で、頬杖をついて長いため息をつく。
「まだ結果はでてない。
あきらめるのは早いんじゃないか」
心配して様子を見にきてくれたお兄様が、顔をのそきこむ。
「そうだけど、かなり変わったテストだったのよ。
数学でも化学とかじゃない。
しいていえば、適正検査のようなものだったの」
「なるほどね。アーリャらしいな」
「とてもじゃないけど、受かる気がしないわ」
「そっか。まずはその解答用紙を返却して、のんびり結果をまとう」
そう言うとお兄様は、机上の用紙に目をむける。
「そうね。頭がこんがらがって忘れるとこだったわ」
あわてて用紙を飛行機の形におると、部屋の窓からとばした。
これでアーリャの元まで届くわけだ。
ちなみに問題用紙の方は、一定の時間が過ぎれば自然消滅するしくみになっている。
それからは、試験の結果を考えないように意識して過ごした。
三日がたった時だった。
部屋のソファで、お菓子を食べながら本を読んでいたら、本の上に紙飛行機がポトリと落ちてきたのだ。
「ついに結果がきたわ」
「わあ。たいへん」
近くで編み物をしていたアーサも、顔をこわばらせている。
「見るのはこわいけど、勇気をださないとね」
紙飛行機を手にして、おそるおそる紙をひろげてゆく。
「あっ」
小さく声をあげると、黙りこんでしまう。
「アイリス。今回はダメだったのね。
でも、また次があるから」
「ちがうのよ。アーサ。
奇跡がおこったのよ。
私、合格してたの!」
「きゃあ。やったわ」
アーサが飛び上がった。
「おいおい。
えらく楽しそうじゃないか。
いったい何があったんだい」
タイミングよくお兄様が、扉から顔をだす。
「お兄様。ちょうどよかったわ。
私ね。アーリャ研究所に合格したのよ」
「え。さすがアイリスだ。
本当に本当におめでとう。
こんなに喜しそうなアイリスを見たのは、何年ぶりかなあ」
お兄様は興奮している私を見て、優しく目を細めた。
「あ。それとこれ。アイリスにお城から手紙がきてたよ」
お兄様は、手にしていた上質な白い封筒をさしだした。
いったい何ごとだろう。
不思議に思いながら、封筒の中に綺麗に畳まれた手紙をひらいてみた。
「王様からだわ。
コーエン伯爵逮捕の件で、ご褒美をいただけるみたい」
「そうか。身体をはって捜査に協力した甲斐があったな」
「お兄様。それはちょっとオーバーよ」
クスリと笑う。
今日はビッグニュースが、二つも舞い込んできた。
そして、登城する日が訪れる。
悩んだ末に選んだ清楚なクリーム色のドレスを着て、王家からのお迎え馬車にのりむ。
彼のつくる魔道具は国内だけでなく、海外からも高い評価をえていた。
ーアーリャの魔道具は、魔力が高いだけでなく、使う人の気持ちによりそっているー
道具を使った人達は誰もがそう称賛し、リピータになるのだ。
魔道具で莫大な富を得たアーリャは、何年か前にある島を買い取り、そこに研究所をたてた。
今ではその研究所は、魔法使いの憧れの職場の一つになっている。
「私がアーリャ研究所で働こうなんて、高望みもいいとこだったのよ」
自室の部屋の机の上で、頬杖をついて長いため息をつく。
「まだ結果はでてない。
あきらめるのは早いんじゃないか」
心配して様子を見にきてくれたお兄様が、顔をのそきこむ。
「そうだけど、かなり変わったテストだったのよ。
数学でも化学とかじゃない。
しいていえば、適正検査のようなものだったの」
「なるほどね。アーリャらしいな」
「とてもじゃないけど、受かる気がしないわ」
「そっか。まずはその解答用紙を返却して、のんびり結果をまとう」
そう言うとお兄様は、机上の用紙に目をむける。
「そうね。頭がこんがらがって忘れるとこだったわ」
あわてて用紙を飛行機の形におると、部屋の窓からとばした。
これでアーリャの元まで届くわけだ。
ちなみに問題用紙の方は、一定の時間が過ぎれば自然消滅するしくみになっている。
それからは、試験の結果を考えないように意識して過ごした。
三日がたった時だった。
部屋のソファで、お菓子を食べながら本を読んでいたら、本の上に紙飛行機がポトリと落ちてきたのだ。
「ついに結果がきたわ」
「わあ。たいへん」
近くで編み物をしていたアーサも、顔をこわばらせている。
「見るのはこわいけど、勇気をださないとね」
紙飛行機を手にして、おそるおそる紙をひろげてゆく。
「あっ」
小さく声をあげると、黙りこんでしまう。
「アイリス。今回はダメだったのね。
でも、また次があるから」
「ちがうのよ。アーサ。
奇跡がおこったのよ。
私、合格してたの!」
「きゃあ。やったわ」
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「おいおい。
えらく楽しそうじゃないか。
いったい何があったんだい」
タイミングよくお兄様が、扉から顔をだす。
「お兄様。ちょうどよかったわ。
私ね。アーリャ研究所に合格したのよ」
「え。さすがアイリスだ。
本当に本当におめでとう。
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お兄様は興奮している私を見て、優しく目を細めた。
「あ。それとこれ。アイリスにお城から手紙がきてたよ」
お兄様は、手にしていた上質な白い封筒をさしだした。
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「そうか。身体をはって捜査に協力した甲斐があったな」
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