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クリスマスヤンデレ
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サンタさんはいない。
そんな真実に辿り着いたのは、去年のクリスマス後のことだった。
「悪い子のところにはサンタさんは来ない」
その言葉通り、周りから悪い子扱いされるようになった数年前から、僕のところにサンタさんは来なくなった。
だから、去年は彼女が欲しいというお願いを叶えてもらうために、ちゃんと良い子にしてみた。それなのに、彼女は手に入らなかった。
疑問に思って調べてみたら、どうやらいわゆるサンタさんは空想上の存在で、実際は親がクリスマスプレゼントを届けているらしいと知った。
彼女を無理矢理手に入れるよりも、サンタさんに届けてもらった方が安全かと思っていたけど、サンタさんがいないなら仕方ない。
彼女を手に入れるためには、自分でどうにかしなきゃいけなかったんだ。
一年かけて準備をした。きっと上手く行くはず。
僕は合鍵を使って入った彼女の部屋のクローゼットの中で息を潜める。
彼女は僕の姿を見たら驚いてくれるかな?
彼女が帰宅してきた。緊張するけど、僕と彼女の未来のために頑張ろう。
「メリークリスマス!」
「さっ……三田くん…………!?なんでいるの!?」
「僕は三田じゃないよ。サンタクロースだよ」
僕がクローゼットから顔を出すと、彼女は震え出す。
「何しに来たの……!?もう二度と私につきまとわないって……警察と約束したでしょ……!?」
「だからサンタだってば。三田って人が君のことをクリスマスプレゼントに欲しいって言ってるからさ、ついてきてよ」
そう説明しても、彼女の耳には届いていないようだ。
「引っ越せば安全だって……もう三田くんは追ってこないって……」
「酷いなぁ。三田くんの愛をそんなに軽い物だと思ってたの?高校時代から付き合ってたのに?」
「付き合ってない!あなたはただのストーカーでしょ!」
あんなにラブラブだったのに、ストーカーなんて酷いなぁ……。
「高1で同じクラスになってすぐの時さ、君が笑顔で話しかけてくれて、すごく嬉しかったよ。それから仲良くなって両想いになったのに、君が浮気してさ……。僕がいつもそばにいてあげてなかったから、不安にさせちゃってたのかな?とか、君のことを理解しきれてなかったからかな?とか、すごく反省した……。それからは、親とか警察とかが邪魔してきたけど、いつでも君のことを見守れるように頑張ってきたことは、君も知ってるよね?でもそれが悪いことって言われて、親にも殴られたし、サンタさんも来なくなるしで、本当に悪いことだったのかもしれないなとも思って。だから去年は、サンタさんに君をプレゼントしてもらえるようにって、頑張って君と関わらないようにしてみたけどさ……。サンタさんがいないなら、無理していわゆる良い子でいる必要もないなって。……って、これじゃ僕がサンタじゃなくて三田だって白状してるようなものだね……」
わざわざサンタ服を着て、白いひげまでつける必要もなかったかな。
まあ、その方がクリスマスらしくて良かったよね?
「まあ、三田もサンタもあんまり響きは変わらないし、別に良いよね!」
僕は泣きながら110番をしようとする彼女の口をハンカチで塞ぐ。
すると、彼女は抵抗も虚しく、眠りに落ちる。
やっと彼女が僕の物になってくれる。
クリスマスが記念日だなんて、すごくロマンチックだよね!
そんな真実に辿り着いたのは、去年のクリスマス後のことだった。
「悪い子のところにはサンタさんは来ない」
その言葉通り、周りから悪い子扱いされるようになった数年前から、僕のところにサンタさんは来なくなった。
だから、去年は彼女が欲しいというお願いを叶えてもらうために、ちゃんと良い子にしてみた。それなのに、彼女は手に入らなかった。
疑問に思って調べてみたら、どうやらいわゆるサンタさんは空想上の存在で、実際は親がクリスマスプレゼントを届けているらしいと知った。
彼女を無理矢理手に入れるよりも、サンタさんに届けてもらった方が安全かと思っていたけど、サンタさんがいないなら仕方ない。
彼女を手に入れるためには、自分でどうにかしなきゃいけなかったんだ。
一年かけて準備をした。きっと上手く行くはず。
僕は合鍵を使って入った彼女の部屋のクローゼットの中で息を潜める。
彼女は僕の姿を見たら驚いてくれるかな?
彼女が帰宅してきた。緊張するけど、僕と彼女の未来のために頑張ろう。
「メリークリスマス!」
「さっ……三田くん…………!?なんでいるの!?」
「僕は三田じゃないよ。サンタクロースだよ」
僕がクローゼットから顔を出すと、彼女は震え出す。
「何しに来たの……!?もう二度と私につきまとわないって……警察と約束したでしょ……!?」
「だからサンタだってば。三田って人が君のことをクリスマスプレゼントに欲しいって言ってるからさ、ついてきてよ」
そう説明しても、彼女の耳には届いていないようだ。
「引っ越せば安全だって……もう三田くんは追ってこないって……」
「酷いなぁ。三田くんの愛をそんなに軽い物だと思ってたの?高校時代から付き合ってたのに?」
「付き合ってない!あなたはただのストーカーでしょ!」
あんなにラブラブだったのに、ストーカーなんて酷いなぁ……。
「高1で同じクラスになってすぐの時さ、君が笑顔で話しかけてくれて、すごく嬉しかったよ。それから仲良くなって両想いになったのに、君が浮気してさ……。僕がいつもそばにいてあげてなかったから、不安にさせちゃってたのかな?とか、君のことを理解しきれてなかったからかな?とか、すごく反省した……。それからは、親とか警察とかが邪魔してきたけど、いつでも君のことを見守れるように頑張ってきたことは、君も知ってるよね?でもそれが悪いことって言われて、親にも殴られたし、サンタさんも来なくなるしで、本当に悪いことだったのかもしれないなとも思って。だから去年は、サンタさんに君をプレゼントしてもらえるようにって、頑張って君と関わらないようにしてみたけどさ……。サンタさんがいないなら、無理していわゆる良い子でいる必要もないなって。……って、これじゃ僕がサンタじゃなくて三田だって白状してるようなものだね……」
わざわざサンタ服を着て、白いひげまでつける必要もなかったかな。
まあ、その方がクリスマスらしくて良かったよね?
「まあ、三田もサンタもあんまり響きは変わらないし、別に良いよね!」
僕は泣きながら110番をしようとする彼女の口をハンカチで塞ぐ。
すると、彼女は抵抗も虚しく、眠りに落ちる。
やっと彼女が僕の物になってくれる。
クリスマスが記念日だなんて、すごくロマンチックだよね!
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