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本編
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頭のおかしいストーカー男に監禁され始めて1週間が経った。
毎日毎日気持ち悪い愛の言葉を囁かれて、食事も入浴も排泄も、全部この男の手を借りなきゃいけないのが屈辱的で、日々精神が疲弊していく。自分が自分ではなくなっていくような気がする。
男はふと、私に大きな車のような機械を見せてくる。いつもは布を被せてあるから、こんな外観をしているとは知らなかった。
「流石に退屈してきたでしょ?気分転換に未来にでも行ってみる?」
たしかに、男の部屋には色んな機械や専門書が置いてあって、何かしらの研究をしていることは知っていた。でも、「未来に行ってみる?」なんて、とうとう気が狂ったとしか思えない。
「僕ね、実はタイムマシーンを作るのに成功したんだよね。まだ公には発表してないけど、何度も実際に使ってみて安全性は確認できたし、ちゃんと元の時代にも帰れるからさ、使ってみなよ」
不安しかなかった。それでも、運良く未来に行ければ、この男から逃れられると思った。だから私は、タイムマシーンに乗った。
タイムマシーンに乗った時に、気を失っていたらしい。
目を開けてすぐ、カレンダーが目に入る。そこには、2025年と書かれている。
本当に未来に来たんだ……。
驚いて部屋の中を見渡すと、ベッドの上で抱き合っている男女の姿が目に入る。
「もっ……いかしぇてくらひゃい……」
「まだイっちゃダメって言ってるよね?君は待てもできないの?」
男は服を着たまま涼しげな顔をしているのに、女の方は全裸で目には涙を浮かべて頬を紅潮させている。一目で、女は男に支配されていて、女も男に支配されることに悦びを感じていることが分かる。
「あっ……」
男は私と目が合うと気まずそうな顔をする。顔立ちから、未来のあいつだと分かる。
そして、そんな奴に抱かれて蕩けきった顔をしているのは……髪型や雰囲気が変わっていても分かる……。
未来の……私だ……。
「ひっ……」
「情事の最中に入ってこられると流石に恥ずかしいな……。もしかして過去の僕がタイムマシーンでも使ったのかな?」
未来のあいつは過去の私が現れたことに特に驚きもせずに笑う。そのまま私に向かって話を続ける。
「驚いてる?受け入れたくない?でも君は将来、こうなるんだよ?」
「あっ……あっ……」
嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ。私がこんな風になるなんて信じない。
私は思わず、その場にへたり込んでしまった。
未来のあいつがそんな私を心配するように、駆けつけようとしてくるけど、未来の私がそれを引き止める。
「やだ……。ほかのおんなのこのことなんてみないで……」
「彼女は過去の君なのに?」
「それでもやなの……。なんでもするからぁっ……。おねがい……」
「何でもしてくれるの?」
そう言って未来のあいつは未来の私に、ありえないくらい恥ずかしい要求をしている。
未来の私は、全く躊躇わずに未来のあいつの言いなりになっている。
鎖なんかないのに、あいつから離れない。いや、むしろあいつに自分から密着している。
何の強制力もないのに、少しでもあいつに構ってもらうためだけに、必死に媚びを売っている。
本当に、あいつなしじゃ生きていけなくなっているようだ。
「まあ、こんな感じで彼女がやきもち妬いちゃうからさ、本当は君のことも可愛がってあげたかったけど無理みたい。その代わり、過去の僕に可愛がってもらってね」
耐えられずに、走って部屋から出ようとする。それでも何故か扉は開かない。
「君はこの家から出られないようになってるから。僕はね、そういうこともできるんだ。だから君は、この部屋でずーっと、僕のことが大好きになっちゃった君を見続けるか、元の時代に戻るしかないんだよ?まあ、元の時代に戻っても、過去の僕がいるわけだけど……」
追い討ちをかけるような言葉に、私はすっかり絶望してしまう。
必死に耳を塞いでも、未来の私の甘えきった喘ぎ声が聞こえる。
ここにいると、頭がおかしくなりそうだ。
祈るようにタイムマシーンの行き先を確認する。タイムマシーンが指し示す日付は、私がタイムマシーンに乗った時間とほとんど同じだった。
私は、あいつのいる現在に帰るしかないのだ。
「おかえり。未来の君はどうだった?」
現在に帰ると、あいつは嬉しそうに私の元に駆け寄る。
そして、信じたくない未来を見て、泣きながら過呼吸を起こしている私をそっと抱き寄せる。
「怖かったのかな?でも君はね、これからあんな風になるんだよ。僕にいっぱい教育されちゃって、僕なしじゃ生きていけなくなるんだ」
「かひゅっ……やだっ……やだっ……」
「怖がらなくていいんだよ。未来の君は、幸せそうだったでしょ?」
そして私をベッドに押し倒して、未来の私と同じように服を全部脱がせて、似たようなポーズを取らせる。
「記念すべき君との初めてだね♡これから、僕と幸せになろうね♡」
未来の世界で見た光景が頭に浮かぶ。
ああ、私はこの男に壊されるんだ……。
泣いても誰も助けてくれなくて、代わりに慰めるように男に抱きしめられる。
嫌なのに、怖いのに、男があまりにも優しく私の弱いところを探り当てて責めてくるから、未来の私が出していたみたいな自分でも信じたくないくらいに甘い声が漏れてしまう。
「やっと繋がれたね♡」
男の身体の一部が私の身体の中に入ってくる。
どうして自分の身体なのに、好きでもない男に大切な初めてを奪われるしかないの……?
「泣いてるの?初めてだからやっぱり怖いのかな……?でも安心して。僕もその……初めてだから……。一緒に慣らしていこうね♡」
私にはどうすることもできないんだ。だって私は無力だから。そういう未来なんだって決められてるから、仕方がない。
そのまま何時間もかけて責められ続ける。とっくに限界なのに、何度お願いしてもやめてくれない。
「もっ……やめてっ……。おねがいっ……」
「うーん。じゃあ君が僕のことを好きって言ってくれたらいいよ」
未来なんか見てなくても限界だった。だから、未来が決まってるからって言い訳ができて、むしろ良かったのかもしれない。
「しゅきでしゅ……!だいしゅきでしゅ……!あいしてましゅ……!だかりゃ……もうゆるひてくりゃひゃいっ……」
「よく言えたね。じゃあ、あと1時間したらやめてあげる」
「ふぇっ……」
「何で驚いた顔してるの?特別にやめてあげるのに、お礼はないの?」
「あっ……ありあとうございまひゅっ……!ありあとうごじゃいまひゅっ……!」
心が壊れていく音がする。自分を保ったままだと、今の状況があまりにも惨めで耐えられない。
「イキ過ぎて流石に可哀想だから、僕のこと大好きって言い続けるなら、早めにやめてあげようかな」
未来の私は幸せそうだったな。
私も早く、あんな風にならないと。
「あっ……ありあとうございまひゅっ……!だいしゅき……!だいしゅきぃっ……♡」
自分の心を守るためには、少しでも早く、この環境に適応するしかなかった。
毎日毎日気持ち悪い愛の言葉を囁かれて、食事も入浴も排泄も、全部この男の手を借りなきゃいけないのが屈辱的で、日々精神が疲弊していく。自分が自分ではなくなっていくような気がする。
男はふと、私に大きな車のような機械を見せてくる。いつもは布を被せてあるから、こんな外観をしているとは知らなかった。
「流石に退屈してきたでしょ?気分転換に未来にでも行ってみる?」
たしかに、男の部屋には色んな機械や専門書が置いてあって、何かしらの研究をしていることは知っていた。でも、「未来に行ってみる?」なんて、とうとう気が狂ったとしか思えない。
「僕ね、実はタイムマシーンを作るのに成功したんだよね。まだ公には発表してないけど、何度も実際に使ってみて安全性は確認できたし、ちゃんと元の時代にも帰れるからさ、使ってみなよ」
不安しかなかった。それでも、運良く未来に行ければ、この男から逃れられると思った。だから私は、タイムマシーンに乗った。
タイムマシーンに乗った時に、気を失っていたらしい。
目を開けてすぐ、カレンダーが目に入る。そこには、2025年と書かれている。
本当に未来に来たんだ……。
驚いて部屋の中を見渡すと、ベッドの上で抱き合っている男女の姿が目に入る。
「もっ……いかしぇてくらひゃい……」
「まだイっちゃダメって言ってるよね?君は待てもできないの?」
男は服を着たまま涼しげな顔をしているのに、女の方は全裸で目には涙を浮かべて頬を紅潮させている。一目で、女は男に支配されていて、女も男に支配されることに悦びを感じていることが分かる。
「あっ……」
男は私と目が合うと気まずそうな顔をする。顔立ちから、未来のあいつだと分かる。
そして、そんな奴に抱かれて蕩けきった顔をしているのは……髪型や雰囲気が変わっていても分かる……。
未来の……私だ……。
「ひっ……」
「情事の最中に入ってこられると流石に恥ずかしいな……。もしかして過去の僕がタイムマシーンでも使ったのかな?」
未来のあいつは過去の私が現れたことに特に驚きもせずに笑う。そのまま私に向かって話を続ける。
「驚いてる?受け入れたくない?でも君は将来、こうなるんだよ?」
「あっ……あっ……」
嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ。私がこんな風になるなんて信じない。
私は思わず、その場にへたり込んでしまった。
未来のあいつがそんな私を心配するように、駆けつけようとしてくるけど、未来の私がそれを引き止める。
「やだ……。ほかのおんなのこのことなんてみないで……」
「彼女は過去の君なのに?」
「それでもやなの……。なんでもするからぁっ……。おねがい……」
「何でもしてくれるの?」
そう言って未来のあいつは未来の私に、ありえないくらい恥ずかしい要求をしている。
未来の私は、全く躊躇わずに未来のあいつの言いなりになっている。
鎖なんかないのに、あいつから離れない。いや、むしろあいつに自分から密着している。
何の強制力もないのに、少しでもあいつに構ってもらうためだけに、必死に媚びを売っている。
本当に、あいつなしじゃ生きていけなくなっているようだ。
「まあ、こんな感じで彼女がやきもち妬いちゃうからさ、本当は君のことも可愛がってあげたかったけど無理みたい。その代わり、過去の僕に可愛がってもらってね」
耐えられずに、走って部屋から出ようとする。それでも何故か扉は開かない。
「君はこの家から出られないようになってるから。僕はね、そういうこともできるんだ。だから君は、この部屋でずーっと、僕のことが大好きになっちゃった君を見続けるか、元の時代に戻るしかないんだよ?まあ、元の時代に戻っても、過去の僕がいるわけだけど……」
追い討ちをかけるような言葉に、私はすっかり絶望してしまう。
必死に耳を塞いでも、未来の私の甘えきった喘ぎ声が聞こえる。
ここにいると、頭がおかしくなりそうだ。
祈るようにタイムマシーンの行き先を確認する。タイムマシーンが指し示す日付は、私がタイムマシーンに乗った時間とほとんど同じだった。
私は、あいつのいる現在に帰るしかないのだ。
「おかえり。未来の君はどうだった?」
現在に帰ると、あいつは嬉しそうに私の元に駆け寄る。
そして、信じたくない未来を見て、泣きながら過呼吸を起こしている私をそっと抱き寄せる。
「怖かったのかな?でも君はね、これからあんな風になるんだよ。僕にいっぱい教育されちゃって、僕なしじゃ生きていけなくなるんだ」
「かひゅっ……やだっ……やだっ……」
「怖がらなくていいんだよ。未来の君は、幸せそうだったでしょ?」
そして私をベッドに押し倒して、未来の私と同じように服を全部脱がせて、似たようなポーズを取らせる。
「記念すべき君との初めてだね♡これから、僕と幸せになろうね♡」
未来の世界で見た光景が頭に浮かぶ。
ああ、私はこの男に壊されるんだ……。
泣いても誰も助けてくれなくて、代わりに慰めるように男に抱きしめられる。
嫌なのに、怖いのに、男があまりにも優しく私の弱いところを探り当てて責めてくるから、未来の私が出していたみたいな自分でも信じたくないくらいに甘い声が漏れてしまう。
「やっと繋がれたね♡」
男の身体の一部が私の身体の中に入ってくる。
どうして自分の身体なのに、好きでもない男に大切な初めてを奪われるしかないの……?
「泣いてるの?初めてだからやっぱり怖いのかな……?でも安心して。僕もその……初めてだから……。一緒に慣らしていこうね♡」
私にはどうすることもできないんだ。だって私は無力だから。そういう未来なんだって決められてるから、仕方がない。
そのまま何時間もかけて責められ続ける。とっくに限界なのに、何度お願いしてもやめてくれない。
「もっ……やめてっ……。おねがいっ……」
「うーん。じゃあ君が僕のことを好きって言ってくれたらいいよ」
未来なんか見てなくても限界だった。だから、未来が決まってるからって言い訳ができて、むしろ良かったのかもしれない。
「しゅきでしゅ……!だいしゅきでしゅ……!あいしてましゅ……!だかりゃ……もうゆるひてくりゃひゃいっ……」
「よく言えたね。じゃあ、あと1時間したらやめてあげる」
「ふぇっ……」
「何で驚いた顔してるの?特別にやめてあげるのに、お礼はないの?」
「あっ……ありあとうございまひゅっ……!ありあとうごじゃいまひゅっ……!」
心が壊れていく音がする。自分を保ったままだと、今の状況があまりにも惨めで耐えられない。
「イキ過ぎて流石に可哀想だから、僕のこと大好きって言い続けるなら、早めにやめてあげようかな」
未来の私は幸せそうだったな。
私も早く、あんな風にならないと。
「あっ……ありあとうございまひゅっ……!だいしゅき……!だいしゅきぃっ……♡」
自分の心を守るためには、少しでも早く、この環境に適応するしかなかった。
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