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4章 王妃と側妃

13.王宮からの報告

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「王宮が他国のことに巻き込まれているようだよ。」

昼下がりに冷たいお茶を飲みたくて準備をしていると、
王宮からの報告書を読んだレオがため息をついた。
つい二週間ほど前に軍を正常化させに行ったばかりなのに、
もう違うことに巻き込まれているとは。
陛下が真面目に仕事をしていると聞いて安心したけど、大丈夫なのかしら。

「それはロードンナ?」

「いや、レンメール国のほう。
 王女と公爵家2人と侯爵家令息が留学しに来ているらしい。
 王女は妃候補として来ているそうだが、
 形だけの王妃にしてほしいと言っているようだ。」

「形だけって何?」

「あぁ、レンメール国には白い結婚っていうのがあってね。
 結婚前に性交渉をしないって契約で決めて結婚するんだ。
 めったにないことではあるけど、
 その契約があると離婚後にすぐ再婚することができる。
 お腹に子どもがいない証明になるからね。
 でも、この国は白い結婚ってないからな…難しいだろうな。」

「…この国の王族は初夜の確認があるものね。
 私の時はシーナが魔術師として確認したからいいけど、
 今の王宮は男性の医術士しかいないわよね。でも、するのよね?
 純潔の確認と床入りの確認…。」

「王妃なら間違いなくするだろう。
 嫌だろうけど、それがないと婚姻は認められない。」

「そうだよね…
 もし、私の時にシーナじゃダメって言われたらどうする気だったの?」

「ん?俺がリリーの裸を他の男に見せるわけ無いだろう?
 俺が魔術師だから自分で確認するって言っただろうな。
 それがダメなら、先に王族から抜ければいいしと思ってたよ。
 王族じゃなければ初夜の確認いらないからね。」

「そっか。もう終わったことだけど、最初に言われた時は怖かったわ。
 王女様も説明されたら驚くでしょうね…。」

「ああ。もう説明されて絶句していたらしい。
 しかも、形だけの結婚を求めた理由が、侍従と恋人だからという理由らしいよ。
 兄貴と話した時にも同席させていたらしい。
 身分が伯爵だから降嫁は無理なんだと。
 で、兄貴は初夜の説明をして、よく考えろって言ったようだね。
 王妃の仕事は出来そうな人らしいから残念だけど、
 このままだと王妃にするのは無理かもな。」

「王妃候補を探すのも大変ね…お茶入ったわ。」

冷たく冷やしたお茶にミルク氷を浮かべてレオの前に置く。
蜂蜜は容器ごと置いて、好きなだけ入れてもらう。
意外とシオンが蜂蜜大量に入れるのよね…。レオは入れない時もあるけど。

「それで、巻き込まれているっていうのは?
 王女のことだけでそんな顔しないわよね?」

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