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ジョージアという魔術師
10.ガルハッタ公爵家
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ガルハッタ公爵家に着くと、レイフィアだけじゃなくレオンハルト殿も在宅だった。
どうやらレイフィアとお腹の中の子たちを任せるのに、
任せても大丈夫な医術士か見極めたかったようだ。
俺がマリー嬢を紹介して図書室での話もすると、だいぶ警戒は緩んだ気がする。
レイフィアへの治療は悪阻が始まるころまでは診察だけだろう。
それまでに信頼関係が築ければいいんじゃないだろうか。
少なくともレイフィアはマリー嬢が気に入ったようで、楽しそうに話している。
だけど話題が学園時代の俺のことなのは、ちょっとやめてほしい。
「それじゃあ、お兄様はずっと行事にも参加してなかったんですか?」
「ええ、そうなんです。ジョージア様は学園時代から有名でしたので、
行事に一緒に参加したいもしくは夜会でエスコートしてほしい、
そうお願いする令嬢も多かったんです。
それなのに、いつも図書室にばかりいて。
何度か図書室まで追いかけてきた令嬢に、冷風あててましたよ。
あの時は同じ部屋にいる私も寒くて…それ以来膝掛を持ち歩くようになりました。」
「…お兄様?」
「いや、出してるつもりは無かったんだけど、思わず出ちゃったというか。
ごめんね、マリー嬢。被害が出てるとは思ってなかった。」
「大丈夫ですよ。あのままあのうるさい令嬢たちに図書室内にいられたら、
私が切れてたかもしれませんでした。ホントしつこくって。
冷風ぶつけられても仕方ありません。」
「ふふふ。お兄様意外と女性にもててたんですね。」
「いや、ジョージア殿はもてると思うよ?笑うとレイフィアとそっくりだし。
綺麗な顔してるだけじゃなく、魔術実技では伝説だと言われるくらい優秀。
問題行動や粗暴なことはなく礼儀作法もしっかりしている。
学園時代は伯爵家の嫡男だし、令嬢たちもほっとかないだろう。」
「そう言われればそうですね。お兄様、良いところしかありませんね。」
「いや、そう言われても。結婚する気も伯爵家継ぐ気も無かったからね。
当時は魔術研究所に入るために勉強するだけで手一杯だったんだ。
…マリー嬢もそうだっただろう?」
「…そうですね。どうしても働きに出たくて。
私には医術系の魔術しか使えませんし、医術院に行くのが一番でした。」
「マリー様が医術士になってくれて良かったです。
この子たちが無事に産まれてくるまで、よろしくお願いしますね。」
「ええ!全力で頑張りますね!」
レイフィアの答えは出たようだ。
このままマリー嬢が医術士として担当してもらうことになるだろう。
とりあえず初期の今は週に一度ガルハッタ公爵家に来て、レイフィアを診察して帰る。
それに俺が護衛として行き帰りつくことになった。
マリー嬢は遠慮しようとしていたが、レオンハルト殿から
「ガルハッタ公爵家には敵が多い。レイフィアが身ごもっていることがわかれば、
間違いなくねらって来るだろう。それだけ危険なんだ。
マリー嬢が防御魔術も使えないというなら、命の危険性もある。
遠慮とかしてる場合じゃないから、ジョージア殿に守られていてほしい。」
そう説明されたら頷くしかなかったようだ。
襲撃される可能性は十分というか、間違いなくあるわけで。
王宮医術士内の問題もあるし、しばらくはマリー嬢から離れない方が良さそうだな。
どうやらレイフィアとお腹の中の子たちを任せるのに、
任せても大丈夫な医術士か見極めたかったようだ。
俺がマリー嬢を紹介して図書室での話もすると、だいぶ警戒は緩んだ気がする。
レイフィアへの治療は悪阻が始まるころまでは診察だけだろう。
それまでに信頼関係が築ければいいんじゃないだろうか。
少なくともレイフィアはマリー嬢が気に入ったようで、楽しそうに話している。
だけど話題が学園時代の俺のことなのは、ちょっとやめてほしい。
「それじゃあ、お兄様はずっと行事にも参加してなかったんですか?」
「ええ、そうなんです。ジョージア様は学園時代から有名でしたので、
行事に一緒に参加したいもしくは夜会でエスコートしてほしい、
そうお願いする令嬢も多かったんです。
それなのに、いつも図書室にばかりいて。
何度か図書室まで追いかけてきた令嬢に、冷風あててましたよ。
あの時は同じ部屋にいる私も寒くて…それ以来膝掛を持ち歩くようになりました。」
「…お兄様?」
「いや、出してるつもりは無かったんだけど、思わず出ちゃったというか。
ごめんね、マリー嬢。被害が出てるとは思ってなかった。」
「大丈夫ですよ。あのままあのうるさい令嬢たちに図書室内にいられたら、
私が切れてたかもしれませんでした。ホントしつこくって。
冷風ぶつけられても仕方ありません。」
「ふふふ。お兄様意外と女性にもててたんですね。」
「いや、ジョージア殿はもてると思うよ?笑うとレイフィアとそっくりだし。
綺麗な顔してるだけじゃなく、魔術実技では伝説だと言われるくらい優秀。
問題行動や粗暴なことはなく礼儀作法もしっかりしている。
学園時代は伯爵家の嫡男だし、令嬢たちもほっとかないだろう。」
「そう言われればそうですね。お兄様、良いところしかありませんね。」
「いや、そう言われても。結婚する気も伯爵家継ぐ気も無かったからね。
当時は魔術研究所に入るために勉強するだけで手一杯だったんだ。
…マリー嬢もそうだっただろう?」
「…そうですね。どうしても働きに出たくて。
私には医術系の魔術しか使えませんし、医術院に行くのが一番でした。」
「マリー様が医術士になってくれて良かったです。
この子たちが無事に産まれてくるまで、よろしくお願いしますね。」
「ええ!全力で頑張りますね!」
レイフィアの答えは出たようだ。
このままマリー嬢が医術士として担当してもらうことになるだろう。
とりあえず初期の今は週に一度ガルハッタ公爵家に来て、レイフィアを診察して帰る。
それに俺が護衛として行き帰りつくことになった。
マリー嬢は遠慮しようとしていたが、レオンハルト殿から
「ガルハッタ公爵家には敵が多い。レイフィアが身ごもっていることがわかれば、
間違いなくねらって来るだろう。それだけ危険なんだ。
マリー嬢が防御魔術も使えないというなら、命の危険性もある。
遠慮とかしてる場合じゃないから、ジョージア殿に守られていてほしい。」
そう説明されたら頷くしかなかったようだ。
襲撃される可能性は十分というか、間違いなくあるわけで。
王宮医術士内の問題もあるし、しばらくはマリー嬢から離れない方が良さそうだな。
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