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56.奪われてなんていない
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「たしかにジョルダリ王家には関係ないかもしれませんけど、
でも姉上の生家なんですよ?
姉上は父上を助けようと思ってくれないのですか?」
「私が助ける?どうして?」
「育てられた恩があるでしょう?
それに、多額の持参金だって」
「あぁ、持参金ね。
それ、慰謝料と手切れ金だったんだけどね」
やっぱり黙っていられなかったのか、ライオネルが口をはさむ。
「慰謝料と手切れ金って……どうして」
「どうして、か。
君はジュリアが嫡子だったことを知っているか?」
「え?あ、はい。姉上は義兄上に求婚されて、
嫡子を下りて嫁いだんですよね?
だから弟の私が嫡子となって……。
もしかして、それで養子になったんですか?」
何も知らないアンディは、そう解釈したようだ。
あの時は三歳を過ぎたくらいだった。
記憶がなくても仕方ないのかもしれない、けれど。
「ははは。幼かった君は悪くないのかもしれない。
だけど、そうなった原因にのんきに言われるのは腹が立つな」
「……違うのでしょうか?」
「違うよ。君が追い出したんだ。
庶子で、侯爵家の戸籍にも入っていなかったのに、
オクレールの屋敷に連れてこられ、散々ジュリアに嫌がらせをした」
「え?私が?姉上に??」
やはり覚えてないんだ。
そうよね。少しでも覚えていたのなら、
こんな風に私に助けてなんてお願いにこないわよね。
「三歳で連れてこられた君は、夫人に可愛がられ、
侯爵に何をしてもいいと言われ育てられた。
自分の言うことを聞かないジュリアを嫌って、
ジュリアの大事なものを奪い、鍵付きの家具を斧で壊させ、
部屋を水浸しにして追い出した」
「そんなことを?信じられません……」
「そうだよな。俺も信じられなかったよ。
肌寒くなってきた時期に、部屋を水浸しにして、
夜中に夜着姿のままのジュリアを屋敷から追い出すなんて」
「は?」
あの時、リーナやヨゼフがいなかったらどうなっていたか。
お父様が何をしようとしていたのか、
ジョルダリに来てしばらくしてから教えてもらった。
「オクレール侯爵はジュリアを殺すつもりだった」
「そ、それは嘘です!」
「証拠もある。破落戸を三組も雇って、
ジュリアをさらわせ殺すつもりだった。
おそらく、ただ殺されるだけではすまなかっただろう。
すべては、君にオクレール家を継がせるためだけに、だ」
「……」
証拠がある、そう言われたら黙るしかないのだろうけど、
納得はしないのかライオネルをにらみつけている。
お父様のことを信じているのか、そこまでのクズじゃないと思いたいのか。
「ジュリアが受け取った持参金は当然のことだ。
本当なら、オクレール家の財産はすべてジュリアのものになっていた。
ジュリアが嫡子を下りなければ、どうやったって庶子の君は養子にできなかった。
だから、オクレール侯爵と取引をした。
今後、二度とジュリアに関わらないように約束をさせ、
慰謝料と手切れ金をもらうことで嫡子を下りた」
「だから……父上は姉上に頼んでも無駄だと……」
「お父様に止められたの?」
「何度も……父上に言ったんです。
姉上に助けてもらいましょうって。
でも、父上は駄目だって言うばかりで理由は教えてくれなくて。
……私が直接頼みにくれば何とかなると思って」
お父様はライオネルと契約したからか、
私に助けてもらう気はなかったらしい。
そのことにほっとする気持ちと、つまらない気もする。
お願いだ、助けてくれと縋りつかれたかったのだろうか。
みっともないお父様の姿を見て、満足したかったのかもしれない。
ほら、だから私を嫡子にした方が良かったでしょう?って。
あきらめたのか、泣きそうになっているアンディを見ても、
助けようなんて気持ちにはならない。
「私はオクレール家やお父様を助ける気はないの。
それに、姉と呼ぶのはやめてほしいわ。
私はあなたの姉ではないのだから」
「……わかりました」
兄弟だとも思いたくないと言ったからか、
うなだれたままアンディは部屋から出て行った。
「これが最後の望みだったんだろう。
オクレール家はもう終わりだ」
「そうね……ねぇ、いったい何をしたの?」
「……ごめん」
私に内緒にしていたことに罪悪感があるのか、
目をそらしたライオネルの両頬を押さえて、私の目を見させた。
「どうしてオクレール領地で精霊石が出たのかしら?」
「……ごめん」
「どうしてって、聞いているのよ?」
「…………カミーユに手伝ってもらった。あと、アランにも」
「ペリシエ侯爵とビオシュ公爵に?」
精霊石が出たというから、ペリシエ侯爵家が関わっているとは思っていたが、
ビオシュ公爵まで関わっていたとは。
「アランの侍従が商人のふりをしてオクレール侯爵に話を持ち掛けて、
カミーユが採掘調査員として精霊石を掘り出したように見せた」
「それって、お父様がその後鉱山として掘り続けて、
破産させるのが目的だったってこと?」
「やっぱりオクレール侯爵とアンディが、
ジュリアから嫡子の立場を奪ったのが許せなくて。
どうにかして報復してやろうって思って……二人に相談した。
もう十年以上前になるけど、言わなかったのはごめん。
ジュリアは優しいから、やりすぎだって怒られるかもしれないと思って」
しょんぼりしたライオネルの額に優しく口づけをする。
こんなにも私のことで怒ってくれる人がいるから、
私は怒らなくてすんでいるだけなのに。
「怒っていないわ。ありがとう」
「うん、内緒にしててごめん」
「それもいいわ。でもね、私は奪われてなんていないわ。
クラリティ王国とオクレール侯爵家を、私が捨てたの」
「……ジュリア」
「そして、ライオネルを、ライオネルの隣にいる喜びと、
シャルロットとレアンドルとの幸せな毎日を手に入れたのよ」
「そっか」
「ええ、だからもういいのよ。
私は何も奪われてなんていないもの」
「ああ、そうだな」
ぎゅっと抱きしめられて、ライオネルの腕の中は変わらずに温かいと思う。
ライオネルがいなかったら、奪われて泣いて終わっていたかもしれない。
悔しさの中で周りを恨んで死んでいたかもしれない。
「あなたがいてくれたから、幸せなの。
ありがとう、ライオネル」
それから半年が過ぎて、クラリティ王家から連絡が来た。
オクレール侯爵家の爵位と領地が返上されたと。
あれだけ必死になって侯爵家のためにアンディを嫡子にしたお父様は、
アンディに継がせる前に侯爵家を失わせることになってしまった。
そのことをどう思っているのかはわからない。
もう、私には関係のないことだから。
でも姉上の生家なんですよ?
姉上は父上を助けようと思ってくれないのですか?」
「私が助ける?どうして?」
「育てられた恩があるでしょう?
それに、多額の持参金だって」
「あぁ、持参金ね。
それ、慰謝料と手切れ金だったんだけどね」
やっぱり黙っていられなかったのか、ライオネルが口をはさむ。
「慰謝料と手切れ金って……どうして」
「どうして、か。
君はジュリアが嫡子だったことを知っているか?」
「え?あ、はい。姉上は義兄上に求婚されて、
嫡子を下りて嫁いだんですよね?
だから弟の私が嫡子となって……。
もしかして、それで養子になったんですか?」
何も知らないアンディは、そう解釈したようだ。
あの時は三歳を過ぎたくらいだった。
記憶がなくても仕方ないのかもしれない、けれど。
「ははは。幼かった君は悪くないのかもしれない。
だけど、そうなった原因にのんきに言われるのは腹が立つな」
「……違うのでしょうか?」
「違うよ。君が追い出したんだ。
庶子で、侯爵家の戸籍にも入っていなかったのに、
オクレールの屋敷に連れてこられ、散々ジュリアに嫌がらせをした」
「え?私が?姉上に??」
やはり覚えてないんだ。
そうよね。少しでも覚えていたのなら、
こんな風に私に助けてなんてお願いにこないわよね。
「三歳で連れてこられた君は、夫人に可愛がられ、
侯爵に何をしてもいいと言われ育てられた。
自分の言うことを聞かないジュリアを嫌って、
ジュリアの大事なものを奪い、鍵付きの家具を斧で壊させ、
部屋を水浸しにして追い出した」
「そんなことを?信じられません……」
「そうだよな。俺も信じられなかったよ。
肌寒くなってきた時期に、部屋を水浸しにして、
夜中に夜着姿のままのジュリアを屋敷から追い出すなんて」
「は?」
あの時、リーナやヨゼフがいなかったらどうなっていたか。
お父様が何をしようとしていたのか、
ジョルダリに来てしばらくしてから教えてもらった。
「オクレール侯爵はジュリアを殺すつもりだった」
「そ、それは嘘です!」
「証拠もある。破落戸を三組も雇って、
ジュリアをさらわせ殺すつもりだった。
おそらく、ただ殺されるだけではすまなかっただろう。
すべては、君にオクレール家を継がせるためだけに、だ」
「……」
証拠がある、そう言われたら黙るしかないのだろうけど、
納得はしないのかライオネルをにらみつけている。
お父様のことを信じているのか、そこまでのクズじゃないと思いたいのか。
「ジュリアが受け取った持参金は当然のことだ。
本当なら、オクレール家の財産はすべてジュリアのものになっていた。
ジュリアが嫡子を下りなければ、どうやったって庶子の君は養子にできなかった。
だから、オクレール侯爵と取引をした。
今後、二度とジュリアに関わらないように約束をさせ、
慰謝料と手切れ金をもらうことで嫡子を下りた」
「だから……父上は姉上に頼んでも無駄だと……」
「お父様に止められたの?」
「何度も……父上に言ったんです。
姉上に助けてもらいましょうって。
でも、父上は駄目だって言うばかりで理由は教えてくれなくて。
……私が直接頼みにくれば何とかなると思って」
お父様はライオネルと契約したからか、
私に助けてもらう気はなかったらしい。
そのことにほっとする気持ちと、つまらない気もする。
お願いだ、助けてくれと縋りつかれたかったのだろうか。
みっともないお父様の姿を見て、満足したかったのかもしれない。
ほら、だから私を嫡子にした方が良かったでしょう?って。
あきらめたのか、泣きそうになっているアンディを見ても、
助けようなんて気持ちにはならない。
「私はオクレール家やお父様を助ける気はないの。
それに、姉と呼ぶのはやめてほしいわ。
私はあなたの姉ではないのだから」
「……わかりました」
兄弟だとも思いたくないと言ったからか、
うなだれたままアンディは部屋から出て行った。
「これが最後の望みだったんだろう。
オクレール家はもう終わりだ」
「そうね……ねぇ、いったい何をしたの?」
「……ごめん」
私に内緒にしていたことに罪悪感があるのか、
目をそらしたライオネルの両頬を押さえて、私の目を見させた。
「どうしてオクレール領地で精霊石が出たのかしら?」
「……ごめん」
「どうしてって、聞いているのよ?」
「…………カミーユに手伝ってもらった。あと、アランにも」
「ペリシエ侯爵とビオシュ公爵に?」
精霊石が出たというから、ペリシエ侯爵家が関わっているとは思っていたが、
ビオシュ公爵まで関わっていたとは。
「アランの侍従が商人のふりをしてオクレール侯爵に話を持ち掛けて、
カミーユが採掘調査員として精霊石を掘り出したように見せた」
「それって、お父様がその後鉱山として掘り続けて、
破産させるのが目的だったってこと?」
「やっぱりオクレール侯爵とアンディが、
ジュリアから嫡子の立場を奪ったのが許せなくて。
どうにかして報復してやろうって思って……二人に相談した。
もう十年以上前になるけど、言わなかったのはごめん。
ジュリアは優しいから、やりすぎだって怒られるかもしれないと思って」
しょんぼりしたライオネルの額に優しく口づけをする。
こんなにも私のことで怒ってくれる人がいるから、
私は怒らなくてすんでいるだけなのに。
「怒っていないわ。ありがとう」
「うん、内緒にしててごめん」
「それもいいわ。でもね、私は奪われてなんていないわ。
クラリティ王国とオクレール侯爵家を、私が捨てたの」
「……ジュリア」
「そして、ライオネルを、ライオネルの隣にいる喜びと、
シャルロットとレアンドルとの幸せな毎日を手に入れたのよ」
「そっか」
「ええ、だからもういいのよ。
私は何も奪われてなんていないもの」
「ああ、そうだな」
ぎゅっと抱きしめられて、ライオネルの腕の中は変わらずに温かいと思う。
ライオネルがいなかったら、奪われて泣いて終わっていたかもしれない。
悔しさの中で周りを恨んで死んでいたかもしれない。
「あなたがいてくれたから、幸せなの。
ありがとう、ライオネル」
それから半年が過ぎて、クラリティ王家から連絡が来た。
オクレール侯爵家の爵位と領地が返上されたと。
あれだけ必死になって侯爵家のためにアンディを嫡子にしたお父様は、
アンディに継がせる前に侯爵家を失わせることになってしまった。
そのことをどう思っているのかはわからない。
もう、私には関係のないことだから。
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