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45.公爵令嬢
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次の日、早めに昼食を済ませ、学園長室へと向かう。
長いひげの学園長に迎え入れられ、奥の部屋へと案内された。
「ここの小さな窓から学園長室の中が見えます。
観葉植物が邪魔で見えにくいと思いますが」
「あぁ、このくらいなら大丈夫」
学園長室に置いてある観葉植物の裏側にのぞき窓があるらしい。
のぞいてみたら観葉植物が邪魔ではあるが、ソファのあたりは良く見える。
ここに座る公爵令嬢を見るには困らないと思う。
「午前中に王都に着いたと連絡が来ました。
あと三十分もすれば学園に到着すると思います」
「あと三十分か。このままここで待たせてもらってかまわないか?」
「ええ、問題ありません」
隠し部屋と言ってたが、護衛を待機させるためなのかそれなりに広さはあった。
私とライオネル様、ジニーが椅子に座っても十分な余裕がある。
「この前のブランカ様は見えなかったけど、今回は見えそうね」
「ん?見たかったのか?」
「一応は。令嬢なら見た目も大事でしょう?」
「ああ、そういう争いもあるのか」
ライオネル様も言われて納得したようだが、
婚約者として争うなら、容姿も大事な問題になる。
私は胸を張って美人だと言えるほど綺麗ではないし、
誇れるほど魅力的な身体だとも言えない。
容姿だけが大事だとは思っていないけれど、
あきらかに負けていると対抗しにくいのも事実。
そんなことを考えて少し落ち込んでいたら、
ライオネル様に両頬をつかまれ、むにゅっとされる。
「こら、何を勝手に落ち込んでいるんだ」
「だって……そこまで容姿には自信がないから」
「はぁ……あの馬鹿親が褒めないのが原因だろうけど、
ジュリアは綺麗だよ」
「そんなこと言われても」
「俺を信じられない?」
「そうじゃないけど……」
「ジュリアは綺麗だよ。俺にとっては誰よりも。
だから、そんな心配はしなくていい」
「……うん」
少し怒ったようなライオネル様に見つめられ、
半分だけ信じてみようと思った。
ライオネル様が綺麗だって言ってくれるのなら、
そう思っていてもいいのかもしれない。
「あぁ、ほら、来たようだ」
廊下の方からたくさんの人が歩く音が聞こえる。
学園長はドアを開けて、呆れたように迎え入れた。
「さすがにその人数は入りませんな。
護衛と侍女二人以外は廊下で待たせてください」
「……仕方ないわね」
まさか全員で入るつもりだったの?
ざわざわしているのを聞く限り、
ジョルダリから来た護衛と侍女全員を連れてきたようだ。
少しして、銀髪の令嬢が部屋に入ってくる。
ジョルダリ国の王族や高位貴族は銀髪が多い。
公爵令嬢だけがソファに座り、護衛と侍女は後ろに立ったようだ。
残念だけど、後ろの二人の顔は見えない。
公爵令嬢は目鼻立ちがはっきりした美人だけど……化粧が濃いかも。
そういえば、ライオネル様がブランカ様のことを化粧が濃いって言ってた。
二人は同じような感じって言ってたものね。
似合ってはいるんだけど、ここが学園だってこともあって、
ちょっと残念な感じに思うのかもしれない。
「ジョルダリ国ビオシュ公爵家のルミリアよ。
この学園に留学しようと思ってきたの」
「留学ですか?目的を聞かせてもらえますか?」
「嫁ぎ先を探すためよ」
「嫁ぎ先、ですか?」
「ええ、ジョルダリ国の侯爵家以上の令息は全員が婚約したから。
クラリティ王国で嫁ぎ先を探そうと思って」
えええ?嫁ぎ先を探して?
同じように学園長も不思議に思ったのか、首をかしげている。
「どうかして?」
「クラリティ王国の侯爵家以上で婚約していないのは、
第二王子と三大侯爵家ですが、
第二王子以外は年齢が合わないと思いますよ?」
「年齢?」
「クルーゾー家は十四歳ですが、
双子のため、まだどちらが嫡子か決まっていません」
「十四……」
「ディバリー家の嫡子は十三歳です」
「十三……」
「最後、オクレール家ですが、最近養子になった嫡子は三歳です……」
「……三歳」
そうなんだよね。
三大侯爵家の嫡子って、まだ誰も学園に入学していない。
そういえば、ルミリア様って何歳なんだろう。
「ルミリア様って何歳なの?」
「十七だ。俺たちの一つ下だよ」
大人びた顔をしているけど、十七歳か。
ディバリー家なら三つ下と思ったけど、あの家は嫡子が決まっていない。
もともとは長子が継ぐはずだったのに王太子妃になったこともあって、
嫡子教育が遅れているからだと聞いている。
「第二王子はもうすでに卒業していますから、
あまり留学してくる意味はないと思いますが」
「……そ、そうね」
「それに、留学するにはジョルダリ国の許可と、
クラリティ王国の許可がいります。
その目的では許可は下りないと思います」
「そう……残念だわ」
意外にもルミリア様はあっさりと引き下がった。
あれ?どうしても留学したかったってわけじゃないのかな。
「では、この学園に通っているライオネル様にご挨拶したら帰るわ」
「ライオネル様に?」
「ええ、ここまで来たのに挨拶もなく帰るのは失礼でしょう?」
「そうですか……ですが急に言われても、
ライオネル様はもう帰ってしまったのではないですかな。
三学年の午後の授業は自習でしたから」
「そう……では、明日また来ますわ」
「え?」
「明日ならライオネル様はいらっしゃるのでしょう?」
「……わかりました。お伝えしておきます。
もちろん、約束はできませんが」
「ふふ。それでいいわ」
はぁぁぁとライオネル様が大きくため息を吐いた。
気持ちはわかる。
留学だとか言ってたけど、結局はライオネル様に会いに来たんだよね……。
ルミリア様たちが出て行った後、少し待ってから学園長室へと戻る。
申し訳なさそうな顔した学園長がライオネル様へと頭を下げる。
「申し訳ありません。穏便に追い返そうと思ったのですが」
「いや、あれでいいよ。こちらこそ、申し訳ない。
ジョルダリの貴族が迷惑をかけた」
「いいえ、それは大丈夫です」
二人が話している間、窓の外を見ていると、
ルミリア様の集団が校舎から出ていくのが見えた。
本当に全員でここまで来たんだ。
三十人はいないけど、二十人はいそう。
その集団の中に金髪の女性がいるのが見えた。
……あれ。
心の中がざわりとする。
あの後ろ姿、見間違えたりはしない。
「ジュリア、どうした?」
「あれ、あそこにいるの、……アマンダ様だと思う」
「はぁ?」
聞こえるわけはないのに、その女性は振り返って校舎を見上げた。
そして、にやりと笑う。
視線は合わなかったけれど、顔ははっきりと見えた。
アマンダ様だ……どうしてここに?
どうして、ルミリア様のそばにいるんだろう。
長いひげの学園長に迎え入れられ、奥の部屋へと案内された。
「ここの小さな窓から学園長室の中が見えます。
観葉植物が邪魔で見えにくいと思いますが」
「あぁ、このくらいなら大丈夫」
学園長室に置いてある観葉植物の裏側にのぞき窓があるらしい。
のぞいてみたら観葉植物が邪魔ではあるが、ソファのあたりは良く見える。
ここに座る公爵令嬢を見るには困らないと思う。
「午前中に王都に着いたと連絡が来ました。
あと三十分もすれば学園に到着すると思います」
「あと三十分か。このままここで待たせてもらってかまわないか?」
「ええ、問題ありません」
隠し部屋と言ってたが、護衛を待機させるためなのかそれなりに広さはあった。
私とライオネル様、ジニーが椅子に座っても十分な余裕がある。
「この前のブランカ様は見えなかったけど、今回は見えそうね」
「ん?見たかったのか?」
「一応は。令嬢なら見た目も大事でしょう?」
「ああ、そういう争いもあるのか」
ライオネル様も言われて納得したようだが、
婚約者として争うなら、容姿も大事な問題になる。
私は胸を張って美人だと言えるほど綺麗ではないし、
誇れるほど魅力的な身体だとも言えない。
容姿だけが大事だとは思っていないけれど、
あきらかに負けていると対抗しにくいのも事実。
そんなことを考えて少し落ち込んでいたら、
ライオネル様に両頬をつかまれ、むにゅっとされる。
「こら、何を勝手に落ち込んでいるんだ」
「だって……そこまで容姿には自信がないから」
「はぁ……あの馬鹿親が褒めないのが原因だろうけど、
ジュリアは綺麗だよ」
「そんなこと言われても」
「俺を信じられない?」
「そうじゃないけど……」
「ジュリアは綺麗だよ。俺にとっては誰よりも。
だから、そんな心配はしなくていい」
「……うん」
少し怒ったようなライオネル様に見つめられ、
半分だけ信じてみようと思った。
ライオネル様が綺麗だって言ってくれるのなら、
そう思っていてもいいのかもしれない。
「あぁ、ほら、来たようだ」
廊下の方からたくさんの人が歩く音が聞こえる。
学園長はドアを開けて、呆れたように迎え入れた。
「さすがにその人数は入りませんな。
護衛と侍女二人以外は廊下で待たせてください」
「……仕方ないわね」
まさか全員で入るつもりだったの?
ざわざわしているのを聞く限り、
ジョルダリから来た護衛と侍女全員を連れてきたようだ。
少しして、銀髪の令嬢が部屋に入ってくる。
ジョルダリ国の王族や高位貴族は銀髪が多い。
公爵令嬢だけがソファに座り、護衛と侍女は後ろに立ったようだ。
残念だけど、後ろの二人の顔は見えない。
公爵令嬢は目鼻立ちがはっきりした美人だけど……化粧が濃いかも。
そういえば、ライオネル様がブランカ様のことを化粧が濃いって言ってた。
二人は同じような感じって言ってたものね。
似合ってはいるんだけど、ここが学園だってこともあって、
ちょっと残念な感じに思うのかもしれない。
「ジョルダリ国ビオシュ公爵家のルミリアよ。
この学園に留学しようと思ってきたの」
「留学ですか?目的を聞かせてもらえますか?」
「嫁ぎ先を探すためよ」
「嫁ぎ先、ですか?」
「ええ、ジョルダリ国の侯爵家以上の令息は全員が婚約したから。
クラリティ王国で嫁ぎ先を探そうと思って」
えええ?嫁ぎ先を探して?
同じように学園長も不思議に思ったのか、首をかしげている。
「どうかして?」
「クラリティ王国の侯爵家以上で婚約していないのは、
第二王子と三大侯爵家ですが、
第二王子以外は年齢が合わないと思いますよ?」
「年齢?」
「クルーゾー家は十四歳ですが、
双子のため、まだどちらが嫡子か決まっていません」
「十四……」
「ディバリー家の嫡子は十三歳です」
「十三……」
「最後、オクレール家ですが、最近養子になった嫡子は三歳です……」
「……三歳」
そうなんだよね。
三大侯爵家の嫡子って、まだ誰も学園に入学していない。
そういえば、ルミリア様って何歳なんだろう。
「ルミリア様って何歳なの?」
「十七だ。俺たちの一つ下だよ」
大人びた顔をしているけど、十七歳か。
ディバリー家なら三つ下と思ったけど、あの家は嫡子が決まっていない。
もともとは長子が継ぐはずだったのに王太子妃になったこともあって、
嫡子教育が遅れているからだと聞いている。
「第二王子はもうすでに卒業していますから、
あまり留学してくる意味はないと思いますが」
「……そ、そうね」
「それに、留学するにはジョルダリ国の許可と、
クラリティ王国の許可がいります。
その目的では許可は下りないと思います」
「そう……残念だわ」
意外にもルミリア様はあっさりと引き下がった。
あれ?どうしても留学したかったってわけじゃないのかな。
「では、この学園に通っているライオネル様にご挨拶したら帰るわ」
「ライオネル様に?」
「ええ、ここまで来たのに挨拶もなく帰るのは失礼でしょう?」
「そうですか……ですが急に言われても、
ライオネル様はもう帰ってしまったのではないですかな。
三学年の午後の授業は自習でしたから」
「そう……では、明日また来ますわ」
「え?」
「明日ならライオネル様はいらっしゃるのでしょう?」
「……わかりました。お伝えしておきます。
もちろん、約束はできませんが」
「ふふ。それでいいわ」
はぁぁぁとライオネル様が大きくため息を吐いた。
気持ちはわかる。
留学だとか言ってたけど、結局はライオネル様に会いに来たんだよね……。
ルミリア様たちが出て行った後、少し待ってから学園長室へと戻る。
申し訳なさそうな顔した学園長がライオネル様へと頭を下げる。
「申し訳ありません。穏便に追い返そうと思ったのですが」
「いや、あれでいいよ。こちらこそ、申し訳ない。
ジョルダリの貴族が迷惑をかけた」
「いいえ、それは大丈夫です」
二人が話している間、窓の外を見ていると、
ルミリア様の集団が校舎から出ていくのが見えた。
本当に全員でここまで来たんだ。
三十人はいないけど、二十人はいそう。
その集団の中に金髪の女性がいるのが見えた。
……あれ。
心の中がざわりとする。
あの後ろ姿、見間違えたりはしない。
「ジュリア、どうした?」
「あれ、あそこにいるの、……アマンダ様だと思う」
「はぁ?」
聞こえるわけはないのに、その女性は振り返って校舎を見上げた。
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