28 / 56
28.つまらない(アマンダ)
しおりを挟む
さすがに午後の授業を受ける気分にならなくて、
そのまま屋敷に帰った。
「まったく何なのよ。途中でブリュノはいなくなってるし。
本当に使えない男ね!エレン!」
「はい!アマンダ様!」
「商会の副会長を呼んで!」
「副会長?ロベルト様をですか?」
「そうよ!今すぐ!」
「はい!かしこまりました!」
うちの商会の副会長を呼べと命じたら、
侍女のエレンは不思議そうな顔をした。
なぜ忙しい副会長を呼ぶのかとでも思ったのだろうが、
そんなことは侍女が考えることではない。
私に命令されたら、そのまま応じるのが侍女の仕事だ。
それから二時間も待って副会長はやってきた。
長い金髪を一つに束ね眼鏡をかけた細見の男は、
あいかわらず飄々としていてつかみどころがない。
もう三十をこえたはずだが、ここ数年は変わらないように見える。
「アマンダ様、私を呼んだと聞きましたが?
めずらしいですね。何か用事でもあったんですか?」
「ええ、欲しいものがあるの。
ジョルダリ国でしか流通していない精霊石を手に入れたいの」
「ジョルダリの精霊石ですか……無理でしょうね」
「どうしてよ。うちの商会はジョルダリでも有数なはずでしょう?」
うちの商会はこの国だけじゃなく、ジョルダリでも店を構えている。
貴族の顧客も多く、それなりに力があるはずだ。
宝石の一つや二つ、簡単に手に入るはずなのに。
「他のものならともかく、精霊石は無理です。
ジョルダリの貴族ですら手に入れることができません」
「そういえば、ライオネル様が言っていたような。
側妃の生家が管理しているとかなんとか」
「ええ、その通りです。第一側妃の生家、
ペリシエ侯爵家が代々管理していると聞いています」
「じゃあ、そのペリシエ家に売らせればいいんじゃないの?」
「何を馬鹿なことを言ってるんですか?」
「馬鹿って何よ!」
この副会長ロベルトは従兄弟でもあるので、私に遠慮がない。
商会長はお父様ではあるが、忙しくて商会を運営するのが難しいため、
実質商会を動かしているのはこの副会長だ。
精霊石を扱っているのがペリシエ家だけなら、
その家から買えばいいと思うのは普通のことだろうに。
なのに、馬鹿って。
「あいかわらず成績が良い割には頭が悪いですよね。
ペリシエ家がどういう家なのか知らないのですか?」
「ジョルダリの貴族家なんて知らないわよ」
「はぁ。当主になるつもりがあるなら、このくらい知っておいてください。
ペルシエ家は侯爵家ではありますが、ジョルダリで一番の貴族家です」
「は?ジョルダリって公爵家もあったじゃない」
「ありますよ。公爵家が二家。でも、それよりも歴史があるんです。
ジョルダリの初代王家が誕生した時の正妃の生家で、
今でも一番権力があると言われている貴族家です。
第二王子なのにライオネル様を王太子にという声があるくらいですから」
ライオネル様が王太子に?じゃあ、妃になったら王太子妃?将来の王妃?
そんなの聞いたらますますライオネル様が欲しくなった。
「どうしても精霊石が欲しいんだけど。
そういう伝手はないの?」
「はぁぁ。また欲しがり病ですか。いいかげんにしてください。
ペリシエ家だけが管理して、王族だけが持つことを許されている宝石なんて、
手に入れた時点で商会がつぶされますよ」
商会がつぶされる?うちが?そんなわけない。
「うちをつぶしたら、王家が黙ってないでしょう。
さすがにジョルダリで一番の権力があっても無理じゃない?」
「甘いですね、本当に甘い。
……当主になっても、商会長にはならないでくださいね」
「はぁ?私が継ぐに決まってるじゃない。
そんなことばかり言っていると、私が継いだ後にクビにするわよ!」
「できるのなら、どうぞ」
呆れたようにつぶやいて、副会長は出て行った。
本当に腹が立つ。結局、精霊石は手に入らなそうだし、役立たずめ。
こうなったら、お父様にお願いして、
ジョルダリ国に直接おねだりしてもらうしかない。
どうしてもあのブローチの石が欲しいと思った。
奪えなかったからだけじゃなく、とても貴重なものだとわかったから。
そんな貴重な宝石は私が持つべきだもの。
でも、そうだ。王族なら購入できるって言ってた。
じゃあ、ライオネル様と仲良くなってから、
ライオネル様に贈ってもらえばいいんじゃないだろうか。
今日はあんな風に怒らせてしまったけれど、
ここから仲良くなるためにはどうすればいいだろうか。
お詫びに商会から何か贈るのはどうだろうか。
ジョルダリでは手に入りにくいものも取り扱っているはずだ。
早いうちに商会の店舗に顔を出して、
ライオネル様への贈り物を用意しよう。
そして、ライオネル様が滞在している屋敷を訪ねて行って、
ジュリアに邪魔されないうちに仲良くなれたら。
今はジュリアの隣にいるから、ジュリアをかばうのであって、
あの手の人間は私と仲良くなれば私をかばってくれる。
……その時、ジュリアが裏切られたと悲しむのが想像できて、
声に出して笑ってしまった。
「あの……アマンダ様」
「なによ、エレン」
「旦那様が王宮から呼ばれて慌てて出て行ったそうなのですが、
何かあったのでしょうか?」
「いつの話?」
「さきほど、ロベルト様がおかえりになる時に、
旦那様は王宮に呼ばれていったから帰りは遅くなるだろうと」
「ふうん。私にはわからないわ」
お父様が王宮から呼ばれて?なんだろう。
これが学園からの呼び出しだったのなら私のことかと思うけれど、
王宮なら領地のことなんだろう。
その日、結局お父様は帰って来なかった。
次の日になって学園に行くか迷った結果、やめておくことにした。
商会の店舗に行ってライオネル様への贈り物を探していると、
私が来たことを知った副会長が出てきた。
「これはこれは。何をお探しで?
まさか精霊石ではないでしょうね?」
「探したって、店にはないんでしょう?
いいから、放っておいて」
「昨日、伯爵様が王宮に呼ばれたまま戻らないんですが、
今度はいったい何をしたんですか?」
「どうして私のせいになるのよ」
「王宮からの呼び出し状を読んで真っ青な顔をしていたんで。
何かやらかすとしたら、伯爵じゃなくてアマンダ様だろうと」
「私は何もしてないわよ」
「本当に?じゃあ、どうして精霊石だなんて欲しがるのですか?
まさか、王族から奪おうとしたんじゃないでしょうね?」
「してないわよ!」
失礼な男だ。私が何かしたと思い込んでいる。
話が終わってもつきまとうので、嫌になって何も買わずに帰ってきてしまった。
本当は買い物をした後、ライオネル様の屋敷に訪ねる予定だったのに。
ライオネル様が滞在している屋敷はまだ調べてないけれど、
商会に聞けばわかるはずだと思っていた。
ライオネル様が留学するにあたって、
使用人や護衛などたくさん連れてきている。
その人数分の食料など、どこかの店が屋敷に届けているはずだから、
そういう情報は入ってきているはずだ。
計画が台無しになって、私室に戻った後、エレンに当たる。
そうでもないと、いらいらして止まらない。
「何よ、このお茶。まずいわね。
せっかくの茶葉なのにおいしく入れられないわけ?」
「……申し訳ありません」
「ほら、早く入れなおして。
失敗した分だけ、お給料から引かせるわよ」
「はい、すぐに!」
青ざめて入れなおそうとするが、それを邪魔しては、
美味しくないと入れなおさせる。
泣きそうな顔になるエレンを見て、少しすっきりする。
はぁ……ジュリアのこんな顔を見たら、楽しいだろうに。
最近はジュリアの怒った顔しか見ていない。
つまらないわ。怒った顔なんて。
十数回目のお茶を飲んで、一口でやめる。
もうお茶でお腹いっぱい。
入れなおせと言わなかったからか、エレンは礼をして出て行った。
そのまま屋敷に帰った。
「まったく何なのよ。途中でブリュノはいなくなってるし。
本当に使えない男ね!エレン!」
「はい!アマンダ様!」
「商会の副会長を呼んで!」
「副会長?ロベルト様をですか?」
「そうよ!今すぐ!」
「はい!かしこまりました!」
うちの商会の副会長を呼べと命じたら、
侍女のエレンは不思議そうな顔をした。
なぜ忙しい副会長を呼ぶのかとでも思ったのだろうが、
そんなことは侍女が考えることではない。
私に命令されたら、そのまま応じるのが侍女の仕事だ。
それから二時間も待って副会長はやってきた。
長い金髪を一つに束ね眼鏡をかけた細見の男は、
あいかわらず飄々としていてつかみどころがない。
もう三十をこえたはずだが、ここ数年は変わらないように見える。
「アマンダ様、私を呼んだと聞きましたが?
めずらしいですね。何か用事でもあったんですか?」
「ええ、欲しいものがあるの。
ジョルダリ国でしか流通していない精霊石を手に入れたいの」
「ジョルダリの精霊石ですか……無理でしょうね」
「どうしてよ。うちの商会はジョルダリでも有数なはずでしょう?」
うちの商会はこの国だけじゃなく、ジョルダリでも店を構えている。
貴族の顧客も多く、それなりに力があるはずだ。
宝石の一つや二つ、簡単に手に入るはずなのに。
「他のものならともかく、精霊石は無理です。
ジョルダリの貴族ですら手に入れることができません」
「そういえば、ライオネル様が言っていたような。
側妃の生家が管理しているとかなんとか」
「ええ、その通りです。第一側妃の生家、
ペリシエ侯爵家が代々管理していると聞いています」
「じゃあ、そのペリシエ家に売らせればいいんじゃないの?」
「何を馬鹿なことを言ってるんですか?」
「馬鹿って何よ!」
この副会長ロベルトは従兄弟でもあるので、私に遠慮がない。
商会長はお父様ではあるが、忙しくて商会を運営するのが難しいため、
実質商会を動かしているのはこの副会長だ。
精霊石を扱っているのがペリシエ家だけなら、
その家から買えばいいと思うのは普通のことだろうに。
なのに、馬鹿って。
「あいかわらず成績が良い割には頭が悪いですよね。
ペリシエ家がどういう家なのか知らないのですか?」
「ジョルダリの貴族家なんて知らないわよ」
「はぁ。当主になるつもりがあるなら、このくらい知っておいてください。
ペルシエ家は侯爵家ではありますが、ジョルダリで一番の貴族家です」
「は?ジョルダリって公爵家もあったじゃない」
「ありますよ。公爵家が二家。でも、それよりも歴史があるんです。
ジョルダリの初代王家が誕生した時の正妃の生家で、
今でも一番権力があると言われている貴族家です。
第二王子なのにライオネル様を王太子にという声があるくらいですから」
ライオネル様が王太子に?じゃあ、妃になったら王太子妃?将来の王妃?
そんなの聞いたらますますライオネル様が欲しくなった。
「どうしても精霊石が欲しいんだけど。
そういう伝手はないの?」
「はぁぁ。また欲しがり病ですか。いいかげんにしてください。
ペリシエ家だけが管理して、王族だけが持つことを許されている宝石なんて、
手に入れた時点で商会がつぶされますよ」
商会がつぶされる?うちが?そんなわけない。
「うちをつぶしたら、王家が黙ってないでしょう。
さすがにジョルダリで一番の権力があっても無理じゃない?」
「甘いですね、本当に甘い。
……当主になっても、商会長にはならないでくださいね」
「はぁ?私が継ぐに決まってるじゃない。
そんなことばかり言っていると、私が継いだ後にクビにするわよ!」
「できるのなら、どうぞ」
呆れたようにつぶやいて、副会長は出て行った。
本当に腹が立つ。結局、精霊石は手に入らなそうだし、役立たずめ。
こうなったら、お父様にお願いして、
ジョルダリ国に直接おねだりしてもらうしかない。
どうしてもあのブローチの石が欲しいと思った。
奪えなかったからだけじゃなく、とても貴重なものだとわかったから。
そんな貴重な宝石は私が持つべきだもの。
でも、そうだ。王族なら購入できるって言ってた。
じゃあ、ライオネル様と仲良くなってから、
ライオネル様に贈ってもらえばいいんじゃないだろうか。
今日はあんな風に怒らせてしまったけれど、
ここから仲良くなるためにはどうすればいいだろうか。
お詫びに商会から何か贈るのはどうだろうか。
ジョルダリでは手に入りにくいものも取り扱っているはずだ。
早いうちに商会の店舗に顔を出して、
ライオネル様への贈り物を用意しよう。
そして、ライオネル様が滞在している屋敷を訪ねて行って、
ジュリアに邪魔されないうちに仲良くなれたら。
今はジュリアの隣にいるから、ジュリアをかばうのであって、
あの手の人間は私と仲良くなれば私をかばってくれる。
……その時、ジュリアが裏切られたと悲しむのが想像できて、
声に出して笑ってしまった。
「あの……アマンダ様」
「なによ、エレン」
「旦那様が王宮から呼ばれて慌てて出て行ったそうなのですが、
何かあったのでしょうか?」
「いつの話?」
「さきほど、ロベルト様がおかえりになる時に、
旦那様は王宮に呼ばれていったから帰りは遅くなるだろうと」
「ふうん。私にはわからないわ」
お父様が王宮から呼ばれて?なんだろう。
これが学園からの呼び出しだったのなら私のことかと思うけれど、
王宮なら領地のことなんだろう。
その日、結局お父様は帰って来なかった。
次の日になって学園に行くか迷った結果、やめておくことにした。
商会の店舗に行ってライオネル様への贈り物を探していると、
私が来たことを知った副会長が出てきた。
「これはこれは。何をお探しで?
まさか精霊石ではないでしょうね?」
「探したって、店にはないんでしょう?
いいから、放っておいて」
「昨日、伯爵様が王宮に呼ばれたまま戻らないんですが、
今度はいったい何をしたんですか?」
「どうして私のせいになるのよ」
「王宮からの呼び出し状を読んで真っ青な顔をしていたんで。
何かやらかすとしたら、伯爵じゃなくてアマンダ様だろうと」
「私は何もしてないわよ」
「本当に?じゃあ、どうして精霊石だなんて欲しがるのですか?
まさか、王族から奪おうとしたんじゃないでしょうね?」
「してないわよ!」
失礼な男だ。私が何かしたと思い込んでいる。
話が終わってもつきまとうので、嫌になって何も買わずに帰ってきてしまった。
本当は買い物をした後、ライオネル様の屋敷に訪ねる予定だったのに。
ライオネル様が滞在している屋敷はまだ調べてないけれど、
商会に聞けばわかるはずだと思っていた。
ライオネル様が留学するにあたって、
使用人や護衛などたくさん連れてきている。
その人数分の食料など、どこかの店が屋敷に届けているはずだから、
そういう情報は入ってきているはずだ。
計画が台無しになって、私室に戻った後、エレンに当たる。
そうでもないと、いらいらして止まらない。
「何よ、このお茶。まずいわね。
せっかくの茶葉なのにおいしく入れられないわけ?」
「……申し訳ありません」
「ほら、早く入れなおして。
失敗した分だけ、お給料から引かせるわよ」
「はい、すぐに!」
青ざめて入れなおそうとするが、それを邪魔しては、
美味しくないと入れなおさせる。
泣きそうな顔になるエレンを見て、少しすっきりする。
はぁ……ジュリアのこんな顔を見たら、楽しいだろうに。
最近はジュリアの怒った顔しか見ていない。
つまらないわ。怒った顔なんて。
十数回目のお茶を飲んで、一口でやめる。
もうお茶でお腹いっぱい。
入れなおせと言わなかったからか、エレンは礼をして出て行った。
1,722
お気に入りに追加
2,992
あなたにおすすめの小説

願いの代償
らがまふぃん
恋愛
誰も彼もが軽視する。婚約者に家族までも。
公爵家に生まれ、王太子の婚約者となっても、誰からも認められることのないメルナーゼ・カーマイン。
唐突に思う。
どうして頑張っているのか。
どうして生きていたいのか。
もう、いいのではないだろうか。
メルナーゼが生を諦めたとき、世界の運命が決まった。
*ご都合主義です。わかりづらいなどありましたらすみません。笑って読んでくださいませ。本編15話で完結です。番外編を数話、気まぐれに投稿します。よろしくお願いいたします。
※ありがたいことにHOTランキング入りいたしました。たくさんの方の目に触れる機会に感謝です。本編は終了しましたが、番外編も投稿予定ですので、気長にお付き合いくださると嬉しいです。たくさんのお気に入り登録、しおり、エール、いいねをありがとうございます。R7.1/31
【完結】旦那様、その真実の愛とお幸せに
おのまとぺ
恋愛
「真実の愛を見つけてしまった。申し訳ないが、君とは離縁したい」
結婚三年目の祝いの席で、遅れて現れた夫アントンが放った第一声。レミリアは驚きつつも笑顔を作って夫を見上げる。
「承知いたしました、旦那様。その恋全力で応援します」
「え?」
驚愕するアントンをそのままに、レミリアは宣言通りに片想いのサポートのような真似を始める。呆然とする者、訝しむ者に見守られ、迫りつつある別れの日を二人はどういった形で迎えるのか。
◇真実の愛に目覚めた夫を支える妻の話
◇元サヤではありません
◇全56話完結予定
【完結】「君を愛することはない」と言われた公爵令嬢は思い出の夜を繰り返す
おのまとぺ
恋愛
「君を愛することはない!」
鳴り響く鐘の音の中で、三年の婚約期間の末に結ばれるはずだったマルクス様は高らかに宣言しました。隣には彼の義理の妹シシーがピッタリとくっついています。私は笑顔で「承知いたしました」と答え、ガラスの靴を脱ぎ捨てて、一目散に式場の扉へと走り出しました。
え?悲しくないのかですって?
そんなこと思うわけないじゃないですか。だって、私はこの三年間、一度たりとも彼を愛したことなどなかったのですから。私が本当に愛していたのはーーー
◇よくある婚約破棄
◇元サヤはないです
◇タグは増えたりします
◇薬物などの危険物が少し登場します

【完結】気付けばいつも傍に貴方がいる
kana
恋愛
ベルティアーナ・ウォール公爵令嬢はレフタルド王国のラシード第一王子の婚約者候補だった。
いつも令嬢を隣に侍らす王子から『声も聞きたくない、顔も見たくない』と拒絶されるが、これ幸いと大喜びで婚約者候補を辞退した。
実はこれは二回目人生だ。
回帰前のベルティアーナは第一王子の婚約者で、大人しく控えめ。常に貼り付けた笑みを浮かべて人の言いなりだった。
彼女は王太子になった第一王子の妃になってからも、弟のウィルダー以外の誰からも気にかけてもらえることなく公務と執務をするだけの都合のいいお飾りの妃だった。
そして白い結婚のまま約一年後に自ら命を絶った。
その理由と原因を知った人物が自分の命と引き換えにやり直しを望んだ結果、ベルティアーナの置かれていた環境が変わりることで彼女の性格までいい意味で変わることに⋯⋯
そんな彼女は家族全員で海を隔てた他国に移住する。
※ 投稿する前に確認していますが誤字脱字の多い作者ですがよろしくお願いいたします。
※ 設定ゆるゆるです。
不遇な王妃は国王の愛を望まない
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝ある時、クラウン王国の国王カルロスの元に、自ら命を絶った王妃アリーヤの訃報が届く。王妃アリーヤを冷遇しておきながら嘆く国王カルロスに皆は不思議がる。なにせ国王カルロスは幼馴染の側妃ベリンダを寵愛し、政略結婚の為に他国アメジスト王国から輿入れした不遇の王女アリーヤには見向きもしない。はたから見れば哀れな王妃アリーヤだが、実は他に愛する人がいる王妃アリーヤにもその方が都合が良いとも。彼女が真に望むのは愛する人と共に居られる些細な幸せ。ある時、自国に囚われの身である愛する人の訃報を受け取る王妃アリーヤは絶望に駆られるも……。主人公の舞台は途中から変わります。
※設定などは独自の世界観で、あくまでもご都合主義。断罪あり。ハピエン🩷
※稚拙ながらも投稿初日からHOTランキング(2024.11.21)に入れて頂き、ありがとうございます🙂 今回初めて最高ランキング5位(11/23)✨ まさに感無量です🥲

本日より他人として生きさせていただきます
ネコ
恋愛
伯爵令嬢のアルマは、愛のない婚約者レオナードに尽くし続けてきた。しかし、彼の隣にはいつも「運命の相手」を自称する美女の姿が。家族も周囲もレオナードの一方的なわがままを容認するばかり。ある夜会で二人の逢瀬を目撃したアルマは、今さら怒る気力も失せてしまう。「それなら私は他人として過ごしましょう」そう告げて婚約破棄に踏み切る。だが、彼女が去った瞬間からレオナードの人生には不穏なほつれが生じ始めるのだった。
我慢するだけの日々はもう終わりにします
風見ゆうみ
恋愛
「レンウィル公爵も素敵だけれど、あなたの婚約者も素敵ね」伯爵の爵位を持つ父の後妻の連れ子であるロザンヌは、私、アリカ・ルージーの婚約者シーロンをうっとりとした目で見つめて言った――。
学園でのパーティーに出席した際、シーロンからパーティー会場の入口で「今日はロザンヌと出席するから、君は1人で中に入ってほしい」と言われた挙げ句、ロザンヌからは「あなたにはお似合いの相手を用意しておいた」と言われ、複数人の男子生徒にどこかへ連れ去られそうになってしまう。
そんな私を助けてくれたのは、ロザンヌが想いを寄せている相手、若き公爵ギルバート・レンウィルだった。
※本編完結しましたが、番外編を更新中です。
※史実とは関係なく、設定もゆるい、ご都合主義です。
※独特の世界観です。
※中世〜近世ヨーロッパ風で貴族制度はありますが、法律、武器、食べ物など、その他諸々は現代風です。話を進めるにあたり、都合の良い世界観となっています。
※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。

冷遇する婚約者に、冷たさをそのままお返しします。
ねむたん
恋愛
貴族の娘、ミーシャは婚約者ヴィクターの冷酷な仕打ちによって自信と感情を失い、無感情な仮面を被ることで自分を守るようになった。エステラ家の屋敷と庭園の中で静かに過ごす彼女の心には、怒りも悲しみも埋もれたまま、何も感じない日々が続いていた。
事なかれ主義の両親の影響で、エステラ家の警備はガバガバですw
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる