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7.学園での生活
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どうすればいいのかわからないまま十五歳になり、学園に通う時期が来た。
一年目、名簿を確認したらアマンダ様とは教室が違ってほっとする。
他の教室には入らないようにと注意されているので、
教室の中にいる分には平和に過ごせる。
登校時間も会わないようにずらし、
下校時は図書室によって時間をつぶしてから帰る。
たまに廊下ですれ違う時につかまって、いやがらせされることはあったが、
それまでに比べたらなんてことはなかった。
二年も教室が違ったために、学園内では平和に過ごせた。
他家のお茶会に招待されて出席することも増えたが、
アマンダ様を嫌っている令嬢たちとばかり交流していたので、
お茶会の席で会うこともなかった。
このまま卒業まで平和に過ごせたら良かったのだけど、
最後の学年になって、同じ教室になってしまった。
最終学年になれば仮婚約の儀式がある。
アマンダ様も私も同じ嫡子令嬢として、B教室に振り分けられる。
それはもうどうしようもないことだった。
そしてもう一人、今まで違う教室だった令息が同じ教室になった。
ブリュノ・バルゲリー。バルゲリー伯爵家の二男。
赤茶色の髪に茶目の明るい彼は、あのアマンダ様とも笑って交流することができる、
めずらしい令息だった。
そして、私はずっとその髪の色が気になっていた。赤茶色の髪。
あの時、私を助けてくれた少年のことを、
騎士たちはこう言っていた。「赤色の髪だった」「茶色の髪だった」
赤茶色の髪を、赤色と思った騎士と茶色と思った騎士がいたのではないだろうか。
それに、あの時保護された門は西側の門だった。
王都からバルゲリー伯爵領に向かう時は西側の門を使う。
もしかしたら、領地に向かうところだったのではないか。
あの時、助けてくれたのはブリュノ様?
ブリュノ様を知ってからずっと聞いてみたいと思っていたけれど、
同じ教室でもない令息に話しかけるのは難しくて、今まで聞けなかった。
だけど、今なら聞けるかもしれない。
最終学年が始まる日は仮婚約の儀式の日でもある。
立場によって四つの控室に分かれ、それぞれの部屋へと向かう。
そして仮婚約の儀式が終わり……私は誰とも組むことができず、
教室へととぼとぼ歩いていた。
仮婚約した男女が楽しそうに教室に向かう中、
必死で悔しい顔をしないように自分に言い聞かせた。
きっとこんな顔をしていたらアマンダ様が喜ぶだけだ。
絶対に泣いた顔は見せたくない。
最終学年の教室は三つの教室に分かれる。
A教室は嫡子の令息と嫡子以外の令嬢が仮婚約した部屋。
B教室は嫡子の令嬢と嫡子以外の令息が仮婚約した部屋。
最後のC教室は仮婚約の儀式に参加しない者、正式な婚約者がいるものの部屋だ。
B教室には十七名。
仮婚約した八組と誰とも組めなかった私。
二人掛けの机と椅子が九セット並べられていて、
一番右後ろの席に一人で座る。
周りを見ると、仮婚約した者同士で交流している。
まずは自己紹介などをしているようだ。
少し離れたところでアマンダ様とブリュノ様が楽しそうに話しているのが見えた。
……本当はあそこに座って話しているのは私だったはずなのに。
悔しいけれど、今さら本当のことを言っても誰も信じてくれない。
奪われた時、すぐに叫べばよかった。
あの時みたいに、泥棒って。
……ううん、淑女らしくないって怒られてしまっていたかもしれない。
それでも気持ちはおさまらなくて、怒られてもいいから叫べばよかったと思う。
最終学年の授業は基本的に仮婚約の組で行う。
研究や課題提出、実習に至るまで二人で行う。
私は誰とも組めないので、一人でやるしかなかった。
周りの人たちも同情したような目で気をつかってくれたが、
日がたつにつれてそれもなくなっていく。
仮婚約の相手との仲が深まっていくから、
私の相手なんてしていられなくなる。
アマンダ様たちのことはなるべく見ないようにしていた。
何度か目があってしまったら、アマンダ様はうれしそうににやりと笑った。
二週間が過ぎたころには完全に孤立してしまっていた。
仕方ない……みんな仮婚約の相手と交流するのに夢中なんだもの。
そう思って課題をしに図書室へと向かう。
自習時間が多いせいでよけいに一人になる時間が多い。
図書室に行けばC教室の学生もいるから私が一人でいても目立たなかった。
ぼんやり歩いていると、後ろからぐいっと肩をつかまれた。
「え?」
「あんた、一人でさみしいんだって?」
「は?」
なんどか見かけたことがある令息だった。
薄茶色の髪を一つに結んだ緑目。そばかすが特徴的だが話したことはない。
なぜそんな令息に肩をつかまれているのかわからない。
すぐに後ろにさがって距離を取る。
「あー、はいはい。そういうのいいよ。わかってるから」
「わかってるって、何が」
「一応は淑女として恥ずかしがらないといけないもんな」
「は?だから、何を……」
ぐいっと距離を詰められ、腕を取られる。
反射的に振りほどこうとしたけれど、力が強くて離せない。
「離して!」
「遊んでやるって言ってんだって。ほら、行こうぜ」
「離しなさい!」
誰なのかもわからないけれど、学園内でこんな真似をするなんて。
離すように命令しても、令息は楽しそうに笑って私を引きずっていく。
人が少ない方向に行こうとしているのに気がついて必死で逃げようとする。
どうしよう……叫べば誰か助けに来てくれる?
「おい、何をしているんだ」
「あぁ?」
急に手を離されたと思ったら、令息は大きな男に組み伏せられていた。
……学生じゃない?護衛騎士?
「大丈夫か?」
座り込んでしまった私に銀髪の令息が声をかけてくる。
……この人が助けてくれた?
「あ、ありがとう。大丈夫」
「そうか、ちょっと待ってて」
銀髪の令息はくるりと振り返って、床に押し付けられているさきほどの令息に問いかけた。
「学園内で令嬢に乱暴するとはどういうつもりなんだ?」
「いや、違うんだって」
「何が違うんだ?
実際に令嬢を人がいないところに連れて行こうとしていたじゃないか」
「あれは形だけ拒否しているだけで、本当は男好きなんだよ。
本音は喜んでいるんだって」
「はぁ?」
あまりのことに黙っていられず、低い声で聞き返してしまった。
だが、私が非難するよりも先に銀髪の令息がとがめてくれる。
「少なくとも俺にはそう見えなかったが?
お前が罪をごまかしているだけだろう」
「いや、その令嬢の親友が言ってたんだ。
仮婚約できなくてさみしがってる、男好きだから誘ったら喜ぶって」
「私に親友なんていないわよ!」
「何言ってる。お前の親友のアマンダ様がそう言ってたんだ!
いつも隠れて男遊びしているから大丈夫だって」
「そんなことしていないわ!」
またアマンダ様のせいなの!?
悔しくて叫んでしまったら、銀髪の令息に大丈夫だと慰められる。
「お前はそんな嘘にだまされてしまったのか」
「嘘って……」
「この令嬢はどう見ても高位貴族の令嬢だろう。
学園内で乱暴しようとするなんて、騙されたといえど罪は軽くないぞ」
「えっ」
今さらそのことに気がついたのか、見る見るうちに青ざめていく。
「このまま学園に引き渡す。まぁ、退学だろうな」
「やっ!俺はそんなつもりは!
ちょっと軽く遊ぶだけのつもりで!」
「無理やりそんなことをすれば間違いなく犯罪だろう。
よし、つれていけ」
「はっ」
「いや……謝るから!……ねぇ!」
今になって私に向かって謝り始めたけれど、許すわけがない。
同じ学年だと思うけれど、銀髪の令息が言うように退学になるのは間違いない。
もし婚約者がいれば婚約破棄されるはず……慰謝料がすごそうだ。
抵抗していたが担ぎあげられ、警備室に連れていかれた。
銀髪の令息は大きくため息をついて、座り込んだままの私を立たせてくれる。
「立てるか?」
「ええ、大丈夫。あの……助けてくれてありがとう」
「礼はいい。ちょうど護衛をつれていて良かった。
教室に向かう途中だったんだが、まずは医務室に行くか」
「え?」
「腕が真っ赤になっている」
「あ……」
よほど強い力で握りしめられていたのか、捕まれたところがあざになっていた。
「どこが軽く遊ぶつもりだっただ……」
一年目、名簿を確認したらアマンダ様とは教室が違ってほっとする。
他の教室には入らないようにと注意されているので、
教室の中にいる分には平和に過ごせる。
登校時間も会わないようにずらし、
下校時は図書室によって時間をつぶしてから帰る。
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それまでに比べたらなんてことはなかった。
二年も教室が違ったために、学園内では平和に過ごせた。
他家のお茶会に招待されて出席することも増えたが、
アマンダ様を嫌っている令嬢たちとばかり交流していたので、
お茶会の席で会うこともなかった。
このまま卒業まで平和に過ごせたら良かったのだけど、
最後の学年になって、同じ教室になってしまった。
最終学年になれば仮婚約の儀式がある。
アマンダ様も私も同じ嫡子令嬢として、B教室に振り分けられる。
それはもうどうしようもないことだった。
そしてもう一人、今まで違う教室だった令息が同じ教室になった。
ブリュノ・バルゲリー。バルゲリー伯爵家の二男。
赤茶色の髪に茶目の明るい彼は、あのアマンダ様とも笑って交流することができる、
めずらしい令息だった。
そして、私はずっとその髪の色が気になっていた。赤茶色の髪。
あの時、私を助けてくれた少年のことを、
騎士たちはこう言っていた。「赤色の髪だった」「茶色の髪だった」
赤茶色の髪を、赤色と思った騎士と茶色と思った騎士がいたのではないだろうか。
それに、あの時保護された門は西側の門だった。
王都からバルゲリー伯爵領に向かう時は西側の門を使う。
もしかしたら、領地に向かうところだったのではないか。
あの時、助けてくれたのはブリュノ様?
ブリュノ様を知ってからずっと聞いてみたいと思っていたけれど、
同じ教室でもない令息に話しかけるのは難しくて、今まで聞けなかった。
だけど、今なら聞けるかもしれない。
最終学年が始まる日は仮婚約の儀式の日でもある。
立場によって四つの控室に分かれ、それぞれの部屋へと向かう。
そして仮婚約の儀式が終わり……私は誰とも組むことができず、
教室へととぼとぼ歩いていた。
仮婚約した男女が楽しそうに教室に向かう中、
必死で悔しい顔をしないように自分に言い聞かせた。
きっとこんな顔をしていたらアマンダ様が喜ぶだけだ。
絶対に泣いた顔は見せたくない。
最終学年の教室は三つの教室に分かれる。
A教室は嫡子の令息と嫡子以外の令嬢が仮婚約した部屋。
B教室は嫡子の令嬢と嫡子以外の令息が仮婚約した部屋。
最後のC教室は仮婚約の儀式に参加しない者、正式な婚約者がいるものの部屋だ。
B教室には十七名。
仮婚約した八組と誰とも組めなかった私。
二人掛けの机と椅子が九セット並べられていて、
一番右後ろの席に一人で座る。
周りを見ると、仮婚約した者同士で交流している。
まずは自己紹介などをしているようだ。
少し離れたところでアマンダ様とブリュノ様が楽しそうに話しているのが見えた。
……本当はあそこに座って話しているのは私だったはずなのに。
悔しいけれど、今さら本当のことを言っても誰も信じてくれない。
奪われた時、すぐに叫べばよかった。
あの時みたいに、泥棒って。
……ううん、淑女らしくないって怒られてしまっていたかもしれない。
それでも気持ちはおさまらなくて、怒られてもいいから叫べばよかったと思う。
最終学年の授業は基本的に仮婚約の組で行う。
研究や課題提出、実習に至るまで二人で行う。
私は誰とも組めないので、一人でやるしかなかった。
周りの人たちも同情したような目で気をつかってくれたが、
日がたつにつれてそれもなくなっていく。
仮婚約の相手との仲が深まっていくから、
私の相手なんてしていられなくなる。
アマンダ様たちのことはなるべく見ないようにしていた。
何度か目があってしまったら、アマンダ様はうれしそうににやりと笑った。
二週間が過ぎたころには完全に孤立してしまっていた。
仕方ない……みんな仮婚約の相手と交流するのに夢中なんだもの。
そう思って課題をしに図書室へと向かう。
自習時間が多いせいでよけいに一人になる時間が多い。
図書室に行けばC教室の学生もいるから私が一人でいても目立たなかった。
ぼんやり歩いていると、後ろからぐいっと肩をつかまれた。
「え?」
「あんた、一人でさみしいんだって?」
「は?」
なんどか見かけたことがある令息だった。
薄茶色の髪を一つに結んだ緑目。そばかすが特徴的だが話したことはない。
なぜそんな令息に肩をつかまれているのかわからない。
すぐに後ろにさがって距離を取る。
「あー、はいはい。そういうのいいよ。わかってるから」
「わかってるって、何が」
「一応は淑女として恥ずかしがらないといけないもんな」
「は?だから、何を……」
ぐいっと距離を詰められ、腕を取られる。
反射的に振りほどこうとしたけれど、力が強くて離せない。
「離して!」
「遊んでやるって言ってんだって。ほら、行こうぜ」
「離しなさい!」
誰なのかもわからないけれど、学園内でこんな真似をするなんて。
離すように命令しても、令息は楽しそうに笑って私を引きずっていく。
人が少ない方向に行こうとしているのに気がついて必死で逃げようとする。
どうしよう……叫べば誰か助けに来てくれる?
「おい、何をしているんだ」
「あぁ?」
急に手を離されたと思ったら、令息は大きな男に組み伏せられていた。
……学生じゃない?護衛騎士?
「大丈夫か?」
座り込んでしまった私に銀髪の令息が声をかけてくる。
……この人が助けてくれた?
「あ、ありがとう。大丈夫」
「そうか、ちょっと待ってて」
銀髪の令息はくるりと振り返って、床に押し付けられているさきほどの令息に問いかけた。
「学園内で令嬢に乱暴するとはどういうつもりなんだ?」
「いや、違うんだって」
「何が違うんだ?
実際に令嬢を人がいないところに連れて行こうとしていたじゃないか」
「あれは形だけ拒否しているだけで、本当は男好きなんだよ。
本音は喜んでいるんだって」
「はぁ?」
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だが、私が非難するよりも先に銀髪の令息がとがめてくれる。
「少なくとも俺にはそう見えなかったが?
お前が罪をごまかしているだけだろう」
「いや、その令嬢の親友が言ってたんだ。
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「私に親友なんていないわよ!」
「何言ってる。お前の親友のアマンダ様がそう言ってたんだ!
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またアマンダ様のせいなの!?
悔しくて叫んでしまったら、銀髪の令息に大丈夫だと慰められる。
「お前はそんな嘘にだまされてしまったのか」
「嘘って……」
「この令嬢はどう見ても高位貴族の令嬢だろう。
学園内で乱暴しようとするなんて、騙されたといえど罪は軽くないぞ」
「えっ」
今さらそのことに気がついたのか、見る見るうちに青ざめていく。
「このまま学園に引き渡す。まぁ、退学だろうな」
「やっ!俺はそんなつもりは!
ちょっと軽く遊ぶだけのつもりで!」
「無理やりそんなことをすれば間違いなく犯罪だろう。
よし、つれていけ」
「はっ」
「いや……謝るから!……ねぇ!」
今になって私に向かって謝り始めたけれど、許すわけがない。
同じ学年だと思うけれど、銀髪の令息が言うように退学になるのは間違いない。
もし婚約者がいれば婚約破棄されるはず……慰謝料がすごそうだ。
抵抗していたが担ぎあげられ、警備室に連れていかれた。
銀髪の令息は大きくため息をついて、座り込んだままの私を立たせてくれる。
「立てるか?」
「ええ、大丈夫。あの……助けてくれてありがとう」
「礼はいい。ちょうど護衛をつれていて良かった。
教室に向かう途中だったんだが、まずは医務室に行くか」
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