26 / 29
26.王宮へ
しおりを挟む
久しぶりに王都へ戻って来たが、私が王都を見るのはこれで二度目。
一度目は後宮を出て公爵領へ向かう時だった。
だが、なんとなく雰囲気が変わったような気がした。
「なんだろう、前と違う気がする」
「そうだな。俺が前回来た時にはもう少し人が多かった」
「他国から物が入らなくなったから、店が営業できていないんだよ」
私とイザークの疑問に答えたのはレオナだった。
「どうして?」
「金がないからだな」
「あぁ、レオナの薬が無くなったから!」
「そういうこと」
「半年でこれほどまで影響があるのか……」
「王都から人がいなくなるのも時間の問題だね」
お金がない、物が入って来ない、だから人は他国へ流れていく。
イルミール公爵領はエンフィア王国からの移民を受け入れていない。
それは先代公爵が王弟だったことが原因だ。
国王の座を狙っていると誤解されないように、領民をいたずらに増やすことは禁じた。
それが続いているため、新しく領民になるのは竜帝国からの移民らしい。
「あぁ、王宮が見えたな」
「あれが王宮なんだ」
「見たことがなかったのか?」
「出てきた時は裏側からこっそり出たから、王宮を外から見るのは初めて」
「……そうか」
白い石を積み上げて作られた王宮は美しいはずなのに、どこか薄汚れているように感じた。
中にいる者たちが汚れていることを知っているから、そう見えてしまうだけだろうか。
馬車が着くと、レオナが先に下りる。
次にイザークが降りて、私を抱き上げて降ろす。
そのまま抱き上げて歩き出しそうになったから、慌てて止める。
「イザーク、降ろして。さすがにこのままじゃまずいわよ」
「俺は平気なんだが、そうか」
王宮の騎士や女官たちが固まってこちらを凝視している。
女性に冷たいと評判だったイザークが私に優しいのが驚きなんだ。
「案内してくれ」
「……はっ!」
イザークが近くにいた騎士に声をかけると、慌てて案内してくれる。
このまま謁見室に行くのだろうか。
だが、その手前で待っていた文官に私は止められる。
「陛下が呼ばれたのはイルミール公爵様だけです。
お連れ様は待機室でお待ちいただけますでしょうか?」
「なに?」
「…国政に関わる大事な話があるそうですので、
イルミール公爵様だけお連れするようにと命じられております」
機嫌が悪くなったイザークににらみつけられても、文官は引かなかった。
よほどきつく命じられているのかもしれない。
「イザーク、私は待機室で待ってるわ」
「だが」
「大丈夫よ。レオナもいるもの」
「わかった。では、デニーを連れていけ」
「はーい」
イザークとダニーは謁見室へと入っていった。
残された私とレオナとデニーは待機室へと移動しようとしたが、
女官に声をかけられる。
「お連れ様はこちらへどうぞ。案内いたしますわ」
にっこり笑った女官は見覚えがあった。
王女付きの女官だ。以前、ミリーナと争いそうになった時に止めに入っていた。
では、やはりこれは罠か。
馬車の中で打ち合わせをしてあった。
おそらく、イザークと私は引き離されるだろうと。
その時はデニーを連れて行くように言われていた。
デニーとダニーはスキルで、離れていても会話ができる。
そのためイザークにはダニーが。私たちにはデニーがついてきた。
前回、竜帝国の王城で倒れてしまったことを踏まえ、
今回は二人ともあらかじめ馬殺草のお茶を飲ませてある。
先に飲んでおけば竜酔香の効果も効かない。
万全を期して連れて行かれたのは、後宮に近い場所にある客室だった。
他国の王族をもてなす時に使われる客室は、
中にはいると広々とした応接室になっていた。
そこに座って待つように言われ、私だけソファに座る。
レオナとデニーは護衛と侍従としてついてきているので、私の後ろへと立つ。
少しして、香水の匂いがきつくなる。
ミリーナや女官たちでもこれほど匂いはきつくない。
もしかしてと思っていると、栗色の髪をまとめ髪にしたひょろりとした女性が入ってくる。
この王宮の権力者、王妃のエリーゼだ。その後ろにはミリーナもいる。
どうやらイザークと国王が話している間、王妃と王女が相手をしてくれるらしい。
立ち上がって頭をさげたまま声がかかるのを待つ。
公爵夫人と王女では同格だが、王妃となると向こうのほうが上になる。
「顔を見せて。あなたがイルミール公爵の婚約者ね?」
「ラディア・イルミールと申します」
「出身はどちらだったかしら」
「竜帝国のスカンツィ侯爵家です」
「……そう」
公爵夫人として名乗ったから咎められるかと思ったが、何も言わずに座るようにすすめられる。
それに素直に従って座ると、向かい側に王妃とミリーナが座る。
「遠いところから来させて悪かったわね。
特別なお茶を用意させたわ」
「ありがとうございます」
特別なお茶、どちらかなと思っていると運ばれてくる。
黄金色のお茶から甘い香りがする。
「蜂蜜茶よ。どうぞ」
「はい」
一口飲むと、甘い味の他にえぐみのようなものを感じる。
媚薬のようだ。
コクコクと私が飲むのをじっと見られている。
しっかり飲んでいるか確認しているのかな。
こんなに見つめていたら、毒を入れていますと言っているようなものだけど。
「ミリーナから聞いたのだけど、あなた妾になるのよね?」
「妾ですか?いいえ。もうすでに結婚していますから」
「陛下は認めていないのに?」
「義伯父様が、あ、いいえ。帝王が認めていますから」
スカンツィ侯爵家が竜帝国の王妃の生家だと思い出したのか、
王妃の頬が引くついたのが見えた。
まずいと思ったのかもしれないが、媚薬を飲ませた以上、進むしかないよね。
さぁ、来い、と思ったせいか、ふふっと笑いがもれてしまった。
それがまるで馬鹿にしたように見えたのか、ミリーナが苛立った声をあげた。
「お母様、もういいでしょう!」
一度目は後宮を出て公爵領へ向かう時だった。
だが、なんとなく雰囲気が変わったような気がした。
「なんだろう、前と違う気がする」
「そうだな。俺が前回来た時にはもう少し人が多かった」
「他国から物が入らなくなったから、店が営業できていないんだよ」
私とイザークの疑問に答えたのはレオナだった。
「どうして?」
「金がないからだな」
「あぁ、レオナの薬が無くなったから!」
「そういうこと」
「半年でこれほどまで影響があるのか……」
「王都から人がいなくなるのも時間の問題だね」
お金がない、物が入って来ない、だから人は他国へ流れていく。
イルミール公爵領はエンフィア王国からの移民を受け入れていない。
それは先代公爵が王弟だったことが原因だ。
国王の座を狙っていると誤解されないように、領民をいたずらに増やすことは禁じた。
それが続いているため、新しく領民になるのは竜帝国からの移民らしい。
「あぁ、王宮が見えたな」
「あれが王宮なんだ」
「見たことがなかったのか?」
「出てきた時は裏側からこっそり出たから、王宮を外から見るのは初めて」
「……そうか」
白い石を積み上げて作られた王宮は美しいはずなのに、どこか薄汚れているように感じた。
中にいる者たちが汚れていることを知っているから、そう見えてしまうだけだろうか。
馬車が着くと、レオナが先に下りる。
次にイザークが降りて、私を抱き上げて降ろす。
そのまま抱き上げて歩き出しそうになったから、慌てて止める。
「イザーク、降ろして。さすがにこのままじゃまずいわよ」
「俺は平気なんだが、そうか」
王宮の騎士や女官たちが固まってこちらを凝視している。
女性に冷たいと評判だったイザークが私に優しいのが驚きなんだ。
「案内してくれ」
「……はっ!」
イザークが近くにいた騎士に声をかけると、慌てて案内してくれる。
このまま謁見室に行くのだろうか。
だが、その手前で待っていた文官に私は止められる。
「陛下が呼ばれたのはイルミール公爵様だけです。
お連れ様は待機室でお待ちいただけますでしょうか?」
「なに?」
「…国政に関わる大事な話があるそうですので、
イルミール公爵様だけお連れするようにと命じられております」
機嫌が悪くなったイザークににらみつけられても、文官は引かなかった。
よほどきつく命じられているのかもしれない。
「イザーク、私は待機室で待ってるわ」
「だが」
「大丈夫よ。レオナもいるもの」
「わかった。では、デニーを連れていけ」
「はーい」
イザークとダニーは謁見室へと入っていった。
残された私とレオナとデニーは待機室へと移動しようとしたが、
女官に声をかけられる。
「お連れ様はこちらへどうぞ。案内いたしますわ」
にっこり笑った女官は見覚えがあった。
王女付きの女官だ。以前、ミリーナと争いそうになった時に止めに入っていた。
では、やはりこれは罠か。
馬車の中で打ち合わせをしてあった。
おそらく、イザークと私は引き離されるだろうと。
その時はデニーを連れて行くように言われていた。
デニーとダニーはスキルで、離れていても会話ができる。
そのためイザークにはダニーが。私たちにはデニーがついてきた。
前回、竜帝国の王城で倒れてしまったことを踏まえ、
今回は二人ともあらかじめ馬殺草のお茶を飲ませてある。
先に飲んでおけば竜酔香の効果も効かない。
万全を期して連れて行かれたのは、後宮に近い場所にある客室だった。
他国の王族をもてなす時に使われる客室は、
中にはいると広々とした応接室になっていた。
そこに座って待つように言われ、私だけソファに座る。
レオナとデニーは護衛と侍従としてついてきているので、私の後ろへと立つ。
少しして、香水の匂いがきつくなる。
ミリーナや女官たちでもこれほど匂いはきつくない。
もしかしてと思っていると、栗色の髪をまとめ髪にしたひょろりとした女性が入ってくる。
この王宮の権力者、王妃のエリーゼだ。その後ろにはミリーナもいる。
どうやらイザークと国王が話している間、王妃と王女が相手をしてくれるらしい。
立ち上がって頭をさげたまま声がかかるのを待つ。
公爵夫人と王女では同格だが、王妃となると向こうのほうが上になる。
「顔を見せて。あなたがイルミール公爵の婚約者ね?」
「ラディア・イルミールと申します」
「出身はどちらだったかしら」
「竜帝国のスカンツィ侯爵家です」
「……そう」
公爵夫人として名乗ったから咎められるかと思ったが、何も言わずに座るようにすすめられる。
それに素直に従って座ると、向かい側に王妃とミリーナが座る。
「遠いところから来させて悪かったわね。
特別なお茶を用意させたわ」
「ありがとうございます」
特別なお茶、どちらかなと思っていると運ばれてくる。
黄金色のお茶から甘い香りがする。
「蜂蜜茶よ。どうぞ」
「はい」
一口飲むと、甘い味の他にえぐみのようなものを感じる。
媚薬のようだ。
コクコクと私が飲むのをじっと見られている。
しっかり飲んでいるか確認しているのかな。
こんなに見つめていたら、毒を入れていますと言っているようなものだけど。
「ミリーナから聞いたのだけど、あなた妾になるのよね?」
「妾ですか?いいえ。もうすでに結婚していますから」
「陛下は認めていないのに?」
「義伯父様が、あ、いいえ。帝王が認めていますから」
スカンツィ侯爵家が竜帝国の王妃の生家だと思い出したのか、
王妃の頬が引くついたのが見えた。
まずいと思ったのかもしれないが、媚薬を飲ませた以上、進むしかないよね。
さぁ、来い、と思ったせいか、ふふっと笑いがもれてしまった。
それがまるで馬鹿にしたように見えたのか、ミリーナが苛立った声をあげた。
「お母様、もういいでしょう!」
122
お気に入りに追加
1,188
あなたにおすすめの小説
〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった……
結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。
ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。
愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
*全16話で完結になります。
*番外編、追加しました。
婚約者に見殺しにされた愚かな傀儡令嬢、時を逆行する
蓮恭
恋愛
父親が自分を呼ぶ声が聞こえたその刹那、熱いものが全身を巡ったような、そんな感覚に陥った令嬢レティシアは、短く唸って冷たい石造りの床へと平伏した。
視界は徐々に赤く染まり、せっかく身を挺して庇った侯爵も、次の瞬間にはリュシアンによって屠られるのを見た。
「リュシ……アン……さ、ま」
せめて愛するリュシアンへと手を伸ばそうとするが、無情にも嘲笑を浮かべた女騎士イリナによって叩き落とされる。
「安心して死になさい。愚かな傀儡令嬢レティシア。これから殿下の事は私がお支えするから心配いらなくてよ」
お願い、最後に一目だけ、リュシアンの表情が見たいとレティシアは願った。
けれどそれは自分を見下ろすイリナによって阻まれる。しかし自分がこうなってもリュシアンが駆け寄ってくる気配すらない事から、本当に嫌われていたのだと実感し、痛みと悲しみで次々に涙を零した。
両親から「愚かであれ、傀儡として役立て」と育てられた侯爵令嬢レティシアは、徐々に最愛の婚約者、皇太子リュシアンの愛を失っていく。
民の信頼を失いつつある帝国の改革のため立ち上がった皇太子は、女騎士イリナと共に謀反を起こした。
その時レティシアはイリナによって刺殺される。
悲しみに包まれたレティシアは何らかの力によって時を越え、まだリュシアンと仲が良かった幼い頃に逆行し、やり直しの機会を与えられる。
二度目の人生では傀儡令嬢であったレティシアがどのように生きていくのか?
婚約者リュシアンとの仲は?
二度目の人生で出会う人物達との交流でレティシアが得たものとは……?
※逆行、回帰、婚約破棄、悪役令嬢、やり直し、愛人、暴力的な描写、死産、シリアス、の要素があります。
ヒーローについて……読者様からの感想を見ていただくと分かる通り、完璧なヒーローをお求めの方にはかなりヤキモキさせてしまうと思います。
どこか人間味があって、空回りしたり、過ちも犯す、そんなヒーローを支えていく不憫で健気なヒロインを応援していただければ、作者としては嬉しい限りです。
必ずヒロインにとってハッピーエンドになるよう書き切る予定ですので、宜しければどうか最後までお付き合いくださいませ。
妹に全てを奪われた伯爵令嬢は遠い国で愛を知る
星名柚花
恋愛
魔法が使えない伯爵令嬢セレスティアには美しい双子の妹・イノーラがいる。
国一番の魔力を持つイノーラは我儘な暴君で、セレスティアから婚約者まで奪った。
「もう無理、もう耐えられない!!」
イノーラの結婚式に無理やり参列させられたセレスティアは逃亡を決意。
「セラ」という偽名を使い、遠く離れたロドリー王国で侍女として働き始めた。
そこでセラには唯一無二のとんでもない魔法が使えることが判明する。
猫になる魔法をかけられた女性不信のユリウス。
表情筋が死んでいるユリウスの弟ノエル。
溺愛してくる魔法使いのリュオン。
彼らと共に暮らしながら、幸せに満ちたセラの新しい日々が始まる――
※他サイトにも投稿しています。
〖完結〗旦那様が愛していたのは、私ではありませんでした……
藍川みいな
恋愛
「アナベル、俺と結婚して欲しい。」
大好きだったエルビン様に結婚を申し込まれ、私達は結婚しました。優しくて大好きなエルビン様と、幸せな日々を過ごしていたのですが……
ある日、お姉様とエルビン様が密会しているのを見てしまいました。
「アナベルと結婚したら、こうして君に会うことが出来ると思ったんだ。俺達は家族だから、怪しまれる心配なくこの邸に出入り出来るだろ?」
エルビン様はお姉様にそう言った後、愛してると囁いた。私は1度も、エルビン様に愛してると言われたことがありませんでした。
エルビン様は私ではなくお姉様を愛していたと知っても、私はエルビン様のことを愛していたのですが、ある事件がきっかけで、私の心はエルビン様から離れていく。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
かなり気分が悪い展開のお話が2話あるのですが、読まなくても本編の内容に影響ありません。(36話37話)
全44話で完結になります。
妹に一度殺された。明日結婚するはずの死に戻り公爵令嬢は、もう二度と死にたくない。
たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
恋愛
婚約者アルフレッドとの結婚を明日に控えた、公爵令嬢のバレッタ。
しかしその夜、無惨にも殺害されてしまう。
それを指示したのは、妹であるエライザであった。
姉が幸せになることを憎んだのだ。
容姿が整っていることから皆や父に気に入られてきた妹と、
顔が醜いことから蔑まされてきた自分。
やっとそのしがらみから逃れられる、そう思った矢先の突然の死だった。
しかし、バレッタは甦る。死に戻りにより、殺される数時間前へと時間を遡ったのだ。
幸せな結婚式を迎えるため、己のこれまでを精算するため、バレッタは妹、協力者である父を捕まえ処罰するべく動き出す。
もう二度と死なない。
そう、心に決めて。
【完】前世で種を疑われて処刑されたので、今世では全力で回避します。
112
恋愛
エリザベスは皇太子殿下の子を身籠った。産まれてくる我が子を待ち望んだ。だがある時、殿下に他の男と密通したと疑われ、弁解も虚しく即日処刑された。二十歳の春の事だった。
目覚めると、時を遡っていた。時を遡った以上、自分はやり直しの機会を与えられたのだと思った。皇太子殿下の妃に選ばれ、結ばれ、子を宿したのが運の尽きだった。
死にたくない。あんな最期になりたくない。
そんな未来に決してならないように、生きようと心に決めた。
【完結】選ばれなかった王女は、手紙を残して消えることにした。
曽根原ツタ
恋愛
「お姉様、私はヴィンス様と愛し合っているの。だから邪魔者は――消えてくれない?」
「分かったわ」
「えっ……」
男が生まれない王家の第一王女ノルティマは、次の女王になるべく全てを犠牲にして教育を受けていた。
毎日奴隷のように働かされた挙句、将来王配として彼女を支えるはずだった婚約者ヴィンスは──妹と想いあっていた。
裏切りを知ったノルティマは、手紙を残して王宮を去ることに。
何もかも諦めて、崖から湖に飛び降りたとき──救いの手を差し伸べる男が現れて……?
★小説家になろう様で先行更新中
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる