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24.怒ってる父上(エラルド)
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ラーラが言っていることはきっと何かの間違いなんだと思いながら屋敷に帰ると、
いつもはいないはずの父上が応接室で僕を待っていた。
「……遅かったな」
「ただいま帰りました……。
ラーラが泣いてて、なぐさめてたらこんな時間に」
「ラーラが泣いて?あぁ、なんだ、もう伝えたのか。
伝えるのは卒業後にしろと言っておいたのに」
これだからディメジャ伯爵家は困るんだとつぶやいた父上に、
我慢できずに聞いてしまう。
「本当なんですか?ラーラが修道院に行かされるなんて」
「本当だ。あの家は娘を放置したあげくに、修道院に入れて終わるらしい。
義理の親戚ではあるが、まったく……」
「どうしてですか!?」
なぜラーラが修道院に入るのが当たり前のように話しているのかわからない。
大声を出した僕に、父上は冷たい目を向けた。
「まず、そこに座れ。今、マリーナを呼ばせた」
「母上を?」
どうしてラーラの問題に母上がと思ったが、
ラーラは母上の妹の子だと思い出した。
姪の話をするために呼び出したのかもしれない。
父上の向かい側に座ると、それほど待つことなく母上が部屋に入ってくる。
僕も一緒にいることに驚いたようだが、父上を見て少女のように微笑んだ。
僕が見てわかるほど、母上は父上のことが大好きだ。
大好きすぎて両親を困らせ、ほかの者に嫁ぐのは嫌だと泣き暮らした。
困り果てたお祖父様が後妻にしてくれるに父上に無理やり頼みこんだらしい。
「こんな早くに帰っているなんて、どうなさったの?」
「話がある。エラルドの隣に座ってくれ」
「……?わかったわ」
父上が無表情なのはいつものことだが、今日は少し違う気がする。
なんというか、怒っているような気がする。
「まずは、エラルドとディアナ嬢の婚約は解消された」
「……は?」
「どうしてですの!?」
こんなに驚いた母上を見るのは初めてだ。
だけど、その気持ちはわかる。
「父上、どうしてですか?
僕は来週になったらカファロ領地に行く予定だったのでは?」
「そうですわ。もう準備も手配してありますのに。
何かの間違いなのでは?」
「準備の手配はしていない。必要ないと断ってある。
婚約は、二週間ほど前には解消していた」
「え?」
二週間前に解消していた?僕は何も聞いてないのに?
何が起きているのかわからなくて動揺していると、
父上はディアナからの申し入れで婚約が解消になったと説明する。
「ディアナから?」
「まぁ、それこそ何かの間違いなのでは?
ディアナちゃんはエラルドのことが大好きなのでしょう?」
本当に不思議そうに母上が問う。
そうだ。ディアナは僕に一目ぼれして婚約したはずだ。
そんなに簡単に解消したりするだろうか。
「はぁ……ディアナ嬢はエラルドに惚れたりしていない」
「それじゃ、おかしいですわ。
領主の仕事もできないのに婿入りさせるなんて、
普通ならよほどのことがないかぎり認められませんもの。
ディアナちゃんがわがままでも言わない限り無理でしょう?」
「普通はな。もともと、この婚約話が進められた理由は陛下にある。
陛下は王宮貴族と地方貴族の分断に悩んでいた。
王宮貴族は王宮に勤めなくては爵位が維持できないために、
子息を何が何でも王宮に勤めさせようとする。コネやわいろを使ってでも。
そして地方貴族は腐った王宮に嫌気をさして遠ざかり、
子息を王宮に勤めさせることはしない。
結果、王宮は弱体化し、地方は優秀なものを囲って力をつける」
「難しくてわかりませんわ……」
僕もよくわからない。どうして僕の婚約の話がそんな王宮の話になるの?
「まぁ、わからないだろうな。
簡単に言えば、王宮貴族と地方貴族を仲良くさせるために、
先駆けとしてブリアヌ家とカファロ家が選ばれたんだ。
エラルドを婿入りさせる代わりに、私が地方貴族から王宮に勤めるものを保護する。
カファロ家は他の地方貴族に声をかけ、優秀なものを王宮に送る。
そういう契約をする上での婚約だった」
「……よくわかりませんけど、
ディアナが僕に一目ぼれして選んだんじゃなかったってことですか?」
「一度しか会ってないのに、顔だけで惚れるような令嬢だと思うのか?」
「……いいえ」
考えてみたら、あのディアナが何も考えずに行動するだろうか。
いつも冷静に怒ってばかりで仕事が忙しいと一緒にいてくれない。
まるで父上のようなディアナが。
「ディアナ嬢は全部理解して受け入れてくれたんだ。
カファロ家に害がなければそれでかまいません、と」
「そんなエラルドと結婚するのが犠牲になるような言い方、ひどいじゃないですか」
「ひどいか?婿入りするはずなのに、
勉強が嫌だと逃げ帰ってくるような男を押し付けられ、
その上、自分が領主になるために十歳から勉強させられたんだぞ。
社交界どころか、王都に来るような暇もないくらい厳しくだ」
「……ですけど」
「お前なら耐えられるというのか?
役に立たない男と結婚しろ、お前はその分も働け、と言われるようなものだ」
「……」
ついに母上も黙ってしまった。
僕はそこにいるだけでいいんだって言ってたのに。違うの?
何か言い返してほしいのに、父上が怒っているのがわかるから、
僕も何も言えずにうつむいてしまう。
「婿なのに領主になる勉強が嫌だと逃げ帰ってきたエラルドは、
ディアナ嬢から拒否されたらどうなっていたと思う?
もうどこにも婿入りできず、文官にも騎士にもなれない。
マリーナと離縁して、二人を伯爵家に返すことになっていただろう」
「え?どうして私も!?」
「後妻として結婚するときに前伯爵と契約していた。
何か問題を起こすようなら生家に戻してかまわないと。
そして、今ここに呼び出したのはそのせいだ。
お前たちは伯爵家に返すことにした」
「婚約解消したくらいで、ひどいですわ!」
「ただの婚約解消ではない。
ディアナ嬢の厚意により、公にしないために婚約解消になった。
本来なら、エラルドは処刑されていただろう」
「……処刑?」
「僕が処刑?……父上、それはどういう?」
本当によくわからない。どうして処刑なんて。
僕は何一つ悪いことなんてしていないのに。
「マリーナもよく聞け。
エラルドはカファロ領地に愛人を三人も連れて行こうとした」
「愛人?もしかして、ラーラちゃんたちのこと?
あの子たちはただの幼馴染よ?誤解だわ」
「誤解ではない。三人ともエラルドと身体の関係があるそうだ」
「まぁ!エラルド、嘘でしょう!?」
「え?母上はそのために三人を僕のそばに置いたんじゃないの?
いつも言ってたじゃないか。
三人は僕のために用意したんだって」
「それは学友としてよ!そんな関係になるなんて思わないわよ!」
「だって、ラーラがそうだっていうから……え?違うの?」
もしかして、それが間違っていたの?
だからディアナが怒って、婚約解消された?
「エラルドがどういう考えでそうしたのかはどうでもいい。
どうせ聞いても理解できないからな。
それで、三人を愛人にするというだけならともかく、
エラルドはジャンナ嬢が産む子どもをカファロ家の後継ぎにすると言った」
「エラルド!あなたどうしてそんな馬鹿なことを言ったの!」
いつもはいないはずの父上が応接室で僕を待っていた。
「……遅かったな」
「ただいま帰りました……。
ラーラが泣いてて、なぐさめてたらこんな時間に」
「ラーラが泣いて?あぁ、なんだ、もう伝えたのか。
伝えるのは卒業後にしろと言っておいたのに」
これだからディメジャ伯爵家は困るんだとつぶやいた父上に、
我慢できずに聞いてしまう。
「本当なんですか?ラーラが修道院に行かされるなんて」
「本当だ。あの家は娘を放置したあげくに、修道院に入れて終わるらしい。
義理の親戚ではあるが、まったく……」
「どうしてですか!?」
なぜラーラが修道院に入るのが当たり前のように話しているのかわからない。
大声を出した僕に、父上は冷たい目を向けた。
「まず、そこに座れ。今、マリーナを呼ばせた」
「母上を?」
どうしてラーラの問題に母上がと思ったが、
ラーラは母上の妹の子だと思い出した。
姪の話をするために呼び出したのかもしれない。
父上の向かい側に座ると、それほど待つことなく母上が部屋に入ってくる。
僕も一緒にいることに驚いたようだが、父上を見て少女のように微笑んだ。
僕が見てわかるほど、母上は父上のことが大好きだ。
大好きすぎて両親を困らせ、ほかの者に嫁ぐのは嫌だと泣き暮らした。
困り果てたお祖父様が後妻にしてくれるに父上に無理やり頼みこんだらしい。
「こんな早くに帰っているなんて、どうなさったの?」
「話がある。エラルドの隣に座ってくれ」
「……?わかったわ」
父上が無表情なのはいつものことだが、今日は少し違う気がする。
なんというか、怒っているような気がする。
「まずは、エラルドとディアナ嬢の婚約は解消された」
「……は?」
「どうしてですの!?」
こんなに驚いた母上を見るのは初めてだ。
だけど、その気持ちはわかる。
「父上、どうしてですか?
僕は来週になったらカファロ領地に行く予定だったのでは?」
「そうですわ。もう準備も手配してありますのに。
何かの間違いなのでは?」
「準備の手配はしていない。必要ないと断ってある。
婚約は、二週間ほど前には解消していた」
「え?」
二週間前に解消していた?僕は何も聞いてないのに?
何が起きているのかわからなくて動揺していると、
父上はディアナからの申し入れで婚約が解消になったと説明する。
「ディアナから?」
「まぁ、それこそ何かの間違いなのでは?
ディアナちゃんはエラルドのことが大好きなのでしょう?」
本当に不思議そうに母上が問う。
そうだ。ディアナは僕に一目ぼれして婚約したはずだ。
そんなに簡単に解消したりするだろうか。
「はぁ……ディアナ嬢はエラルドに惚れたりしていない」
「それじゃ、おかしいですわ。
領主の仕事もできないのに婿入りさせるなんて、
普通ならよほどのことがないかぎり認められませんもの。
ディアナちゃんがわがままでも言わない限り無理でしょう?」
「普通はな。もともと、この婚約話が進められた理由は陛下にある。
陛下は王宮貴族と地方貴族の分断に悩んでいた。
王宮貴族は王宮に勤めなくては爵位が維持できないために、
子息を何が何でも王宮に勤めさせようとする。コネやわいろを使ってでも。
そして地方貴族は腐った王宮に嫌気をさして遠ざかり、
子息を王宮に勤めさせることはしない。
結果、王宮は弱体化し、地方は優秀なものを囲って力をつける」
「難しくてわかりませんわ……」
僕もよくわからない。どうして僕の婚約の話がそんな王宮の話になるの?
「まぁ、わからないだろうな。
簡単に言えば、王宮貴族と地方貴族を仲良くさせるために、
先駆けとしてブリアヌ家とカファロ家が選ばれたんだ。
エラルドを婿入りさせる代わりに、私が地方貴族から王宮に勤めるものを保護する。
カファロ家は他の地方貴族に声をかけ、優秀なものを王宮に送る。
そういう契約をする上での婚約だった」
「……よくわかりませんけど、
ディアナが僕に一目ぼれして選んだんじゃなかったってことですか?」
「一度しか会ってないのに、顔だけで惚れるような令嬢だと思うのか?」
「……いいえ」
考えてみたら、あのディアナが何も考えずに行動するだろうか。
いつも冷静に怒ってばかりで仕事が忙しいと一緒にいてくれない。
まるで父上のようなディアナが。
「ディアナ嬢は全部理解して受け入れてくれたんだ。
カファロ家に害がなければそれでかまいません、と」
「そんなエラルドと結婚するのが犠牲になるような言い方、ひどいじゃないですか」
「ひどいか?婿入りするはずなのに、
勉強が嫌だと逃げ帰ってくるような男を押し付けられ、
その上、自分が領主になるために十歳から勉強させられたんだぞ。
社交界どころか、王都に来るような暇もないくらい厳しくだ」
「……ですけど」
「お前なら耐えられるというのか?
役に立たない男と結婚しろ、お前はその分も働け、と言われるようなものだ」
「……」
ついに母上も黙ってしまった。
僕はそこにいるだけでいいんだって言ってたのに。違うの?
何か言い返してほしいのに、父上が怒っているのがわかるから、
僕も何も言えずにうつむいてしまう。
「婿なのに領主になる勉強が嫌だと逃げ帰ってきたエラルドは、
ディアナ嬢から拒否されたらどうなっていたと思う?
もうどこにも婿入りできず、文官にも騎士にもなれない。
マリーナと離縁して、二人を伯爵家に返すことになっていただろう」
「え?どうして私も!?」
「後妻として結婚するときに前伯爵と契約していた。
何か問題を起こすようなら生家に戻してかまわないと。
そして、今ここに呼び出したのはそのせいだ。
お前たちは伯爵家に返すことにした」
「婚約解消したくらいで、ひどいですわ!」
「ただの婚約解消ではない。
ディアナ嬢の厚意により、公にしないために婚約解消になった。
本来なら、エラルドは処刑されていただろう」
「……処刑?」
「僕が処刑?……父上、それはどういう?」
本当によくわからない。どうして処刑なんて。
僕は何一つ悪いことなんてしていないのに。
「マリーナもよく聞け。
エラルドはカファロ領地に愛人を三人も連れて行こうとした」
「愛人?もしかして、ラーラちゃんたちのこと?
あの子たちはただの幼馴染よ?誤解だわ」
「誤解ではない。三人ともエラルドと身体の関係があるそうだ」
「まぁ!エラルド、嘘でしょう!?」
「え?母上はそのために三人を僕のそばに置いたんじゃないの?
いつも言ってたじゃないか。
三人は僕のために用意したんだって」
「それは学友としてよ!そんな関係になるなんて思わないわよ!」
「だって、ラーラがそうだっていうから……え?違うの?」
もしかして、それが間違っていたの?
だからディアナが怒って、婚約解消された?
「エラルドがどういう考えでそうしたのかはどうでもいい。
どうせ聞いても理解できないからな。
それで、三人を愛人にするというだけならともかく、
エラルドはジャンナ嬢が産む子どもをカファロ家の後継ぎにすると言った」
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