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3章 魔術師科二階の学年
7.イストーニア国の王子様
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「今日の午後はどうする?」
「今日は学園の図書室を使うつもりだよ。
どうやらうちの図書室とは中級魔術書の種類が違うようなんだ。」
「違うって?」
「なんていうのかな…書かれた年代と書いた人物が違うようだ。
同じ名前の魔術でも、使う術式が変わっているのがわかって…。
出来れば両方覚えておきたいんだよ。」
「なるほどね。どちらかを覚えておけばいいと思うけど、
真面目な二人らしいよ。」
いつものように昼食を木のテーブルに広げ四人で食べていると、
先輩二人が近づいてくるのが見えた。
二人とも手にお弁当を持っている。先輩たちも昼食を取りに来たのだろう。
「昼食の時間に会うのはめずらしいね。
俺たちもここで食べてもいい?」
「どうぞ。ちょうど六人座れますし。」
「ありがとう。」
私の隣にアヤヒメ先輩が座り、ルリナの隣にジングラッド先輩が座ろうとしたら、
ファルカがルリナの席を交代して座る。
先輩が相手でも、ルリナの隣に男性が座るのはダメらしい。
ジングラッド先輩もそれに気がついただろうけど、
特に気に留めないようでそのままファルカの隣に座った。
「先輩方は移動していることが多いですね。
他の校舎まで行ってるんですか?」
「ああ。そっか。ファルカは貴族ではないのか。
三学年というか、十五歳の貴族は、
魔術科だとしても貴族科で一部の授業を受けなければいけないんだよ。
俺とアヤヒメは週に二回、貴族科の校舎に行って授業を受けているんだ。」
「そうなんですか。あれ?じゃあ、レイニード達も?」
「うん、そうだよ。俺とエミリアは来年は貴族科の授業も受けに行く。」
「魔術師になるのに、免除はないんだ…。」
「卒業するまでは、学園の生徒であり、貴族の子だからね。仕方ない。」
半分あきらめたようにジングラッド先輩が答える。
王族として育ってきたのなら、今さら礼儀作法の授業などは必要ないだろう。
それにサウンザード国の国史などは…受ける意味があるのだろうか…?
「ジングラッド先輩は、どうしてこの国に来たんですか?
イストーニア国にも魔術師になる学校ありますよね?」
いい機会だと思ったのだろう。レイニードがジングラッド先輩に質問した。
なかなかジングラッド先輩と個人的な話をするような時間はなく、
ライニードに留学の理由を聞いてもわからなかったという。
疑問を解決できないまま、三か月も過ぎていた。
「どうして…?
うーん。簡単に言うと、嫁探し。」
「「「「え?」」」」
あまりの答えに、アヤヒメ先輩を除いた四人が驚きの声をあげてしまった。
ジングラッド先輩の嫁探し…?
「あのね、俺の兄、王太子はもうすでに結婚しているんだけど、五歳上なんだ。
第二王子は俺の二歳上。
イストーニア国の貴族たちがそれに合わせて子作りしちゃった結果、
俺の時に生まれた貴族の子が極端に少ないんだ…。
で、俺の下にもう一人弟がいるけど、弟の代も少ないんだよね。
だからイストーニア国では嫁探しが難しいんだよ。」
王太子に合わせて結婚して子どもを作り、
それに間に合わない場合は第二王子に合わせて子どもを産む。
さすがに第二王子と二歳しか違わない第三王子に合わせて子どもを産むのは、
貴族たちも予想外で難しかったのだろう。
イストーニア国は一夫一妻制が厳格に決められている。
それは王族も同じで、王妃が王子を四人産んでいるらしい。
「実は…この国の王女を娶る話も出てたんだ。」
「今日は学園の図書室を使うつもりだよ。
どうやらうちの図書室とは中級魔術書の種類が違うようなんだ。」
「違うって?」
「なんていうのかな…書かれた年代と書いた人物が違うようだ。
同じ名前の魔術でも、使う術式が変わっているのがわかって…。
出来れば両方覚えておきたいんだよ。」
「なるほどね。どちらかを覚えておけばいいと思うけど、
真面目な二人らしいよ。」
いつものように昼食を木のテーブルに広げ四人で食べていると、
先輩二人が近づいてくるのが見えた。
二人とも手にお弁当を持っている。先輩たちも昼食を取りに来たのだろう。
「昼食の時間に会うのはめずらしいね。
俺たちもここで食べてもいい?」
「どうぞ。ちょうど六人座れますし。」
「ありがとう。」
私の隣にアヤヒメ先輩が座り、ルリナの隣にジングラッド先輩が座ろうとしたら、
ファルカがルリナの席を交代して座る。
先輩が相手でも、ルリナの隣に男性が座るのはダメらしい。
ジングラッド先輩もそれに気がついただろうけど、
特に気に留めないようでそのままファルカの隣に座った。
「先輩方は移動していることが多いですね。
他の校舎まで行ってるんですか?」
「ああ。そっか。ファルカは貴族ではないのか。
三学年というか、十五歳の貴族は、
魔術科だとしても貴族科で一部の授業を受けなければいけないんだよ。
俺とアヤヒメは週に二回、貴族科の校舎に行って授業を受けているんだ。」
「そうなんですか。あれ?じゃあ、レイニード達も?」
「うん、そうだよ。俺とエミリアは来年は貴族科の授業も受けに行く。」
「魔術師になるのに、免除はないんだ…。」
「卒業するまでは、学園の生徒であり、貴族の子だからね。仕方ない。」
半分あきらめたようにジングラッド先輩が答える。
王族として育ってきたのなら、今さら礼儀作法の授業などは必要ないだろう。
それにサウンザード国の国史などは…受ける意味があるのだろうか…?
「ジングラッド先輩は、どうしてこの国に来たんですか?
イストーニア国にも魔術師になる学校ありますよね?」
いい機会だと思ったのだろう。レイニードがジングラッド先輩に質問した。
なかなかジングラッド先輩と個人的な話をするような時間はなく、
ライニードに留学の理由を聞いてもわからなかったという。
疑問を解決できないまま、三か月も過ぎていた。
「どうして…?
うーん。簡単に言うと、嫁探し。」
「「「「え?」」」」
あまりの答えに、アヤヒメ先輩を除いた四人が驚きの声をあげてしまった。
ジングラッド先輩の嫁探し…?
「あのね、俺の兄、王太子はもうすでに結婚しているんだけど、五歳上なんだ。
第二王子は俺の二歳上。
イストーニア国の貴族たちがそれに合わせて子作りしちゃった結果、
俺の時に生まれた貴族の子が極端に少ないんだ…。
で、俺の下にもう一人弟がいるけど、弟の代も少ないんだよね。
だからイストーニア国では嫁探しが難しいんだよ。」
王太子に合わせて結婚して子どもを作り、
それに間に合わない場合は第二王子に合わせて子どもを産む。
さすがに第二王子と二歳しか違わない第三王子に合わせて子どもを産むのは、
貴族たちも予想外で難しかったのだろう。
イストーニア国は一夫一妻制が厳格に決められている。
それは王族も同じで、王妃が王子を四人産んでいるらしい。
「実は…この国の王女を娶る話も出てたんだ。」
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